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二人部屋

世界三番目の4人
某書籍を読んだら妄想が広がりました
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「疲れたー!」
束腹はまるで自分の部屋に帰ってきたかのように荷物を放り出してベッドに転がった。
「束ポン、ここだと荷物邪魔」
「あ、すいません」
起き上がって腕を伸ばし、ズルズルと荷物を自分の方に引き寄せてから今度は俺の座っているベッドへうつぶせに倒れ込む。
「こら、あんまりはしゃぐな」
「いいじゃないですか、練習は明日からだし」
束腹の言う通り、今日は移動だけで練習は無い。
同じ国内とはいえずっと座っている移動はそれなりに身体に疲れを与えるから。
出発した時には眩しかった朝日は窓の向こうで穏やかな夕日に変わっていた。
「俺と鷹比良さんって、大抵同じ部屋ですよね」
座ったまま荷物を整理していた俺に束腹は顔だけ上げてそう言った。
確かに年が近いせいか合宿ではいつも相部屋だ。
「何、たまには違う人とがいい?」
「いやいや、そんなことないです。鷹比良さんと相部屋が一番落ち着くんで」

そう言うとうつぶせだった束腹がくるりと半回転してぐーっと伸びをした。
束腹は他人とコミュニケーションを取る時、こんな風に親しい人に対しては妙に距離を縮める傾向がある。
まぁそんな所も嫌いではないのだけれど、と思いながら何の気もなしに彼の頭を撫でようとすると誰かが部屋のドアを開けた。
「お、いたいた」
その顔が見えた瞬間、彼に触れようとしていた手をさっと引っ込める。
「スエシグさん!」
束腹が体を起こして嬉しそうに笑うとスエシグさんもそれに応えるように笑った。
いつも使うこの部屋が実は三人用だということを知ってか知らずか、スエシグさんはいつもこうやって俺達の部屋にやってきて寝泊まりする。
「どうしていつもいつも、この部屋に来るんですか!」
「だって嫌なんだよ、一人部屋」
「スエシグさん寂しがりやですもんね」
楽しそうに彼をからかう束腹はあ、と声をあげた。
「俺、歯ブラシ忘れちゃったんでそこのコンビニ行ってきます」
束腹が財布をひっつかんで出て行った後、僕はぼそりとつぶやいた。
「…一人が嫌なら他の部屋に行けばいいじゃないですか」
「別に一人でも平気だけど、二人きりにすると危険かなーって」

「危険って…何ですか、それ」
「さっき寝っ転がってる束腹の横で満更でもなさそうに笑ってたのは誰?」
「…俺です」
俺が観念するとスエシグさんは勝ち誇ったかのようにニヤリと笑った。
「ま、そういう事だ」
「だからってここで寝なくても」
尚も言い返そうとする俺を見て、スエシグさんが一つ提案をした。
「わかった、じゃあどっちと相部屋がいいか束腹本人に聞こう」
「いいですよ」
それなら、先程もう答えが出ている。
今度は俺が確信を込めて笑った時、バタバタと大きな足音と共に部屋のドアが開いた。
「つかは」
「あのっ、今そこで浅腹さんに会ったんですけどもし夕飯がまだたったらみんなでメシ行かないかって!」
まるで尻尾でも振り出しそうな、輝かんばかりの笑顔の前では用意していた台詞もかき消されるほかなかった。
「ね、早く行きましょうよ!」
「…行くか、久しぶりに」
「…そうですね」
俺とスエシグさんは互いに顔を見合わせて力無く笑った。
水面下の攻防は、とりあえず東京へ持ち越されることになりそうだ。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
最後はパパが全部持っていきました
感動も何も無くてすみません
スレ汚し失礼しました


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