谷&丘
更新日: 2011-05-02 (月) 17:57:12
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| >>497の続きみたい。っつーことは100-1パロ?
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 妄想炸裂ですがな~~~笑。
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「お前、何泣いとん?」
いきなり声がして、ふっと目を開けると相方の不思議そうな顔が覗いていた。
谷部は低く唸って目を瞬せると、やっと状況をつかんだ。
体を起こして溜息をつく。
「勝手に人の楽屋はいってくるなって何度も…」
いい終わらないうちに丘村の指が谷部の左目あたりをかすると
「お前、泣きながら寝とったで」
つぶやきが聞こえた。
丘村はちょこんと谷部の隣に座ると心配そうに見上げてきた。
「なんか疲れてるのかいな。夢?変な夢でもみたか?」
「…知らんがな!っていうか勝手に楽屋に来なさんなって、注意したでしょうが」
「寝ながら泣くっておまえ…」
「本当に俺泣いてたん?」
「泣いとったよ。びっくりした。目、閉じたままポロポロ~ってな」
丘村は心配しているのか、面白がっているのかよくわからない調子で身ぶり手ぶりで話している。
「あかんやん、俺…。疲れとるのかな」
「せやな。ちょっと、疲れたまっとるのかも知れんな」
そう言ったきり、丘村は黙って下をむいて、畳の目をおったままじっと座り込んだままだった。
谷部はひっそりとなった丘村の横顔を盗み見る。
おまえこそ、疲れたまってるで。
初めてあった頃より、鋭角になった顎。頬の肉が薄くなって、儚い印象にもみえる。
時々曇ってしまう、相方の瞳が気にかかる頃もあった。
そんな谷部の視線に気づいたのか、よっ、と小さい声をあげて、立ち上がると
「本番までもうちょっと時間あるし、寝ときぃや」
と呟いて、丘村は楽屋を出ていった。
またや。
谷部は自身の目をこすると、指についた雫をまじまじとみつめた。
また泣きながら寝とったんか、俺は…。
ロケバスの中。他のみんなは車外にでていってしまっていた。
夢?思い出せない。
なんで泣いてんねやろ?
かなしいこと。そんなんは数え出したらきりがない。
覚えてないんやから泣けるはずはない。
俺、悲しいんか?
毎日仕事忙しくて、ベタやけど充実してるし。
なんで悲しいことなんてあるか?
丘村ともこうやってコンビで今までうまいことやってこれてる。
アイツといれれば嬉しいし、どんだけ楽しいこともできる。
窓の外で真っ白な日射しの中、照れたように皆と笑いあう相方のヘタな笑顔が目にはいった。
こっちには全く気づいていないようだ。
なんや、これ?
なんで丘村をみると。
なんで?
かなしい。
わからん。アイツをみるとかなしいのか?俺。
谷部は自分でもわからない息苦しさの中、惚けたように窓を見続けていた。
無意識にひっかいた親指の爪の甘皮がヒリヒリと痛かった。
アイツをこの世界に引っぱりこんだのは俺。
無理して笑う。笑顔。
アイツは「ええよ」って返事してん。
おまえはそういって笑ったやないか。今とは違う笑顔で。
長い打ち合わせが終わる。灰皿に溜まったタバコの本数にうんざりしながら
部屋をでると、谷部は自動販売機の缶コーヒーのボタンを押した。
ガタンと音が響く。
ふと、横を向くと、廊下の先を見なれた背中が通り過ぎた。
コーヒーを取るのも忘れて、追いかけた。
背中が近付く。一瞬なんて声をかけたらいいか迷って、肩を掴んだ。
ビクっと震えて、振り向く。丘村はテレビの中とは違った顔で神経質そうに瞬きした。
谷部の顔を確認すると、ふと頬の力を抜いた。
オフが続いたので顔をあわせるのは3日ぶりだった。
「何しとん?」
息せき切った谷部に驚き、丘村は照れたように低い声で聞いてきた。
「打ち合わせやん。そっちも?」
「そうやけど…。え?お前なんのに出とったん?」
道すがら説明しながら出口に向かった。
マネージャーの車で局に来ていたので谷部が電話をいれようとすると、
「俺、送っていこうか?」
と丘村から珍しい申し出があがった。
「おう。頼みます」
谷部は驚きつつ、車に乗り込んだ。
久しぶりに乗る車内。俺の知らん音楽が流れとる。
「お前、さっき息きらして走ってきて、人の肩掴むからな。びっくりして」
丘村は前をみたままボソボソ喋る。
「…そうやな。でも声かけへんのも変やろ」
「まあ。そうやけども…」
「なんかな、気がついたら走っててな…。わからん」
丘村の返事は、おお、とも、ああ、ともいうようなそっけないものだった。
これといって会話もなく、谷部は窓を滑る流線の光を見つめ続けた。
深夜に程近い時間。人もまばらだ。
「なんか久しぶりに人間と喋ったー思って」
丘村がポツリと呟く。ビルの緑色の光が頬に反射する。
「なんや、お前、また家から出てなかったんかいな」
「またまたやで。一歩もでんかったもん。久しぶりに今日、日本語話したわ」
きっついで、ほんま…。丘村の低い声がこぼれる。
「窓開けていいか?」谷部は確認してボタンを押した。
冷たい風が前髪をなぶる。
何故だかまた爪の先が痛んだ。時々こぼれる丘村の弱音。
風に乗せて吹き消してしまいたかった。
黙ってしまった隣をみて、「寝とき」と丘村が呟く。
谷部は頷いて目を閉じた。
匂いに目が覚めた。そっと目を開けると、ハンドルに肩を預けて煙草を吸う横顔がみえた。
「着いたで」
たぶん、もうずっと前に到着していたのだろう。
「起こしたらええやん」
そういって谷部が目を擦ると、また涙の気配がした。
みられた、な…。
こう何回も見られると流石にバツが悪い。
なんやろ、ほんま、おかしなってきとるんかな。
「ちょっと、話そか…」
丘村はそういって煙草を揉み消した。
「話すって何を」
谷部はなんだか胸の奥がザワついた。
相手が気をつかっているという空気が余計に苛立ちを加速させる。
お前に、いわれたない。おまえに…。
いや、何をいってるんや俺は?
「話すんだったら車降りようや」
そういって谷部は丘村の腕を掴むと、引っ張るように歩き出した。
丘村は何か思う所があるのか、静かについてきた。
自宅の玄関のドアを閉めると、谷部はやっと丘村の腕を離した。
谷部は丘村のつむじをじっと見つめて言葉を探した。
ここで何も言わない相方も卑怯だと思った。
言葉よりも先に手が動く。谷部は丘村の指に自身の指を絡ませるように握りこんだ。
ビクリを震える肩を眺めて。
おもろないな、自分。
肩を引き寄せて、体ごと抱き込んだ。
「なんか、言えや」
谷部は短く息を吐いた。
「俺を慰めるんやろ?」
丘村の小さい体はピクリとも動かなかった。
谷部は張り倒したいような殴りたいような
自分でも感じた事のない凶暴な感情が沸き上がってくるのに戸惑っていた。
泣きたい気持ち。
「おい。なんか言いや」
谷部が揺すっても丘村は石のように固まったままだ。
自分が抱きしめているヤツのほうがよっぽど参っている事実。
丘村の心がどんどん痩せ細っていくのが見える。
あの時、頷いた笑顔はもう見れない。
泣きそうや、丘村さん……。
「何も言わないんやったら抱くで」
とっさに出た自分の言葉に驚く。
小さい体が身じろぐ。
「アホなこと言いや」
やっと、聞こえた相方の声は拍子外れなくらい早口だった。
「冗談や、あほう」
そういって笑おうとした谷部の肩がふいに戦慄くと、膝に力がはいらなくなって、
丘村に体を預けるように崩れ落ちた。
頭が混乱していた。
丘村の体を抱きしめたまま、目の前が白くなり、目頭が熱くなり。
涙が止まらなかった。
「抱くで…」
「……」
「抱かれてくれ」
真っ白になった頭は勝手に言葉を吐き出していた。
そして、腕の中の男が頷くしか出来ない事も冷静にわかっていて。
熱くなった頭の芯のどこかは冷えていた。
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| | □ STOP. | | 途中でスレ使いきったり回線きれたり
焦ったがな!!スレまたいですいまそん。
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