悪魔のようなあいつ 「たなばた」
更新日: 2011-04-26 (火) 17:58:19
悪魔のよ/う/な/あい/つネタ投下。短くてスマソ。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「良、お前なんて書いたんだ?見せろよ。」
「何にも書いてない。願いなんて書くだけ無駄だし。」
緑色の長細い紙切れを裏表見せるようにひらひらとふった。
紙切れの上には小さな穴があって、紐がくくられている。
「こんなのさ、子供騙しだよ。笹の葉っぱに付けたって何も変わりやしない。」
ダルそうに紙切れを手で弾く。この狭い部屋に一人の少年と一人の青年の姿があった。
二人はそれぞれの薄い布団の上にあぐらをかいている。
「まあ、おまじないみたいなものなんだよ。何か欲しいとか、書けばいいじゃないか。」
「欲しいものなんて無いよ。」
「本当に?」
「本当だよ。・・・・・そういう野々村さんは、なんて書いたの?」
「ん?俺はもうそんな歳じゃない。」
「なんだよ、一人だけ大人ぶっちゃって、ずるいじゃないか!」
そう言ってプイっと顔を背けると、少年は畳の上で背中を丸めた。
子供騙しだなんてませた事を言うのとは裏腹に、ちょっとした事でいじけるその姿はまだ子供。
青年は、あどけない少年の頭を愛おしそうに撫で、布団をそそくさと直しはじめた。
「もう寝るの?」
「ああ、寝るよ、お前は機嫌が悪いとめんどくさいからな。」
「・・・・・・・・・・・・・」
______________数時間後・・・・・・・
「あら、可門君!夜遅くにこんな所で何をやってるの!?」
「あ、あの・・・・・」
少年は先ほどの緑色の紙切れを渡す。
「短冊?今更付けに来たの?明日が七夕なんだから明日でもいいのに。裏に名前が無いし・・・あ、ちょ、ちょっと!」
何を思ったのか、途端に駆け出して闇の中へと消えていった少年に首をかしげながら短冊をくくりつける。
「いつ見ても、不思議な子ね、あの子は・・・。どんな事書いてるんだか。」
裏をひょいとめくって見ると・・・・
「やっぱり、よく解らない子だわ。」
「ん?どした、トイレか?」
「うん、トイレ行ってた。」
もそもそと少年は青年の布団へもぐりこむ。満足そうに微笑むと、まるで親に甘える子供のように身を寄せた。
「なんだ急に、機嫌直したのか?」
「機嫌悪くないよ、元から。」
「そうか。」
青年は笑うと少年の肩を引き寄せて再び寝息をたてはじめた。
何十もある短冊の中で、少年の短冊は月夜に照らされて一際輝いていた夜の事であった。
・
・
・
・
・
・
・
「こんな所に・・・なんでこんなものが・・・・」
埃まみれの箱を開けると、錆び付いたブリキで出来たおもちゃや、当時大事にしていたであろうガラクタが詰め込まれ、その中にくしゃくしゃになった緑色の紙切れが入っていた。一文字一文字かくばった汚い字が並んでいる。
”ぼくを大事にしてくれる人が、大学にうかりますように。”
約20年前の自分を嘲笑するように鼻で笑うと、彼は部屋を後にした。
”・・・・・たまには一緒に飲んでやるか。”そんな思いを募らせながら。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・;)色々gdgdになってしまってスマンカッタ・・。
このページのURL: