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オリジナル「コイノヤマイ」

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

 左胸が痛い。君を見るたび、声を聞くたび、思い出すたび、この左胸にゆっくりと棘が刺さるのだ。
 鈍い痛みに慣れる事などなく、私は君を鬱陶しいと感じるようになってきて、だからといって、一日の中で君の存在が感じられないとつまらない。
 居ても、居なくとも、君を考える時間は日に日に増えてゆくのに、左胸は治る気配が無い。
 誰かが、それはビョウキなのだと言った。
 ──コイノヤマイ。
 私はその言葉に笑うしかなかった。恋の病など、あり得ないのだ。私と、彼では。
 誰か、には性別を伝えていなかったので、そんな言葉が出たのだろう。それとも、男だとしても……
 馬鹿な事を考えようとして止めた。
 薄暗い自室の中、雨粒が窓を叩く音だけが聞こえる。
「  」
 君の名前を呼んでみた。左胸が、いっそう痛くなる。私も、君も、男だというのに。私は泣いた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

  • おお、切ない…GJです -- 2012-12-04 (火) 14:04:25

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