ROOKIES 岡田×新庄
更新日: 2011-04-30 (土) 01:44:49
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| 卜゙ラマになった漫画「新人たち(要英訳)」の原作版で 岡/新
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 設定は原作版で、ネタばれ要素あるかもです
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「あ、やべえ」
体育の授業前に、体操着に着替えようと、鞄を探った岡田が小さな声で漏らした。
「どうしたよ、岡田」
不思議そうな顔で桧山が尋ねる。俺は岡田の呟きと桧山の問い掛けに何となく反応し、
岡田のほうを見遣る。
「ん、ああ、なんでもねーよ」
まだ鞄を探りながら、そう答えた岡田に、桧山はそうか?と納得しない表情をしながら
も、それ以上は尋ねない。
また若菜の方を向いて、今日はぜってーお前にゃ負けねーなんて言いながら、笑いあって
いる。
今日は体育で野球をやるというので、各自やる気満々、特に湯舟と関川と若菜と桧山は、
やけに燃えていて、1番活躍した奴は今度の休みに飯をおごってもらうなんて賭けまで
企画していた。
四人とも既にジャージに着替え、はしゃぎまわっていた。
しかし、その話も、日直で黒板消しを几帳面に済ませ、自分も着替えようと机に戻った
御子柴の一言で立ち消えになる。
「野球部員は、体育の野球は参加できねーぜ、ソフトならいいみたいだけど。俺らは今日
審判やれってさ」
飯代を賭けていた四人と、何故か学校指定ジャージを着ずにユニフォームを着ている平塚
が一斉に御子柴を見る。
「はあ? マジかよ!」
まず不平を漏らしたのは若菜だ。次いで関川。
「くっそー! せっかくの合同体育だから、恵子ちゃんも見てるっつーのによ!」
「ぜってーお前なんか見てねーし! つかお前何髪おろしてんだよ!本気かよ!」
「うっせーよ! 変なパーマのくせに!」
「んだとこら!」
ヒートアップした関川と湯舟は髪の互いの髪のつかみ合いをしている。
「あんまやってるとハゲんぞ、お前ら」
鞄を探るのを諦め、ジャージのズボンに履き替え始めた岡田が、二人を窘めた。
俺はなんとなく、その光景からは目を逸らす。
「俺は塔子ちゃんに捧げる愛の特大場外ホームラン打つって決めてんだよ!」
「平っち、今日八木休んでるじゃん」
「だからだよ! 俺のホームランで元気になってもらうんだよ…愛の力でよ…ボールを
塔子ちゃん家までよ…」
うっとり話す平塚に今岡は多少うんざり顔だ。
「平っちのホームランくらいで風邪治ったら苦労しないよ…てか八木んちまでって、
遠すぎだし」
「ったくよ、今日の日直の身長考えて板書しろっつの、御子柴届かねえじゃねーか」
ひとしきり騒ぐ連中に、さっきまで御子柴の黒板消しを手伝っていた安仁屋も加わり、
またうるさくなる。
「いいじゃねえか、審判。下手くそのプレーでも、ミスを見て半面教師にするってのも
悪かねー。まあ第一俺の150キロなんざ体育の授業で見せるまでもねーよ、なあ」
学ランについたチョークの粉を払い、得意げに御子柴に同意を求める。
「いや、授業で150は投げんなよ、受けるやつ大変だろ?」
安仁屋の軽口もまともに返す、真面目なうちのキャプテンに苦笑しつつ、皆一応は納得
したらしく、今度の試合まで勝負はお預けだなんて言いながらグラウンドに向かう為に
各々立ち上がる。
岡田の席の方からも、着替えが済んだらしく、椅子をずらす音が聞こえてきた。
俺は学ランを着て俯いたままだったので、岡田が着替えたのに安心して顔を上げる。
そしてすぐにはっとする。安心?
何故野郎が着替えるのに、ここまで意識してしまうのか判らない。
俺はおかしくなってしまったのか?
俺は昨日の練習中に、左の足首を傷めた。幸い、大事には至らなかったが、安静にしておく
よう言われているのでどのみち体育は見学する予定だった。
学ランのままで問題ないだろうと、着替えてはいない。
二人とも、先行ってるぜ、と声をかけ、他の連中が廊下に出ていく中、岡田が俺の席の
近くに来ていた。
「新庄、足首、大丈夫かよ」
岡田は、4月とはいえまだ寒いこの時期になぜか上半身半袖だった。
ジャージは着ていない。
「…大丈夫だ、それよりお前、」
驚いた顔をしていたのか、岡田が言葉を重ねる。
「あ、ジャージ? うちの弟のと間違えちまったんだよな、お袋が慌ててたらしくてよ」
まあ自分で用意し忘れてた俺が悪いんだけどよ、と苦笑している。
「半袖で立ちっぱなしはさみーだろ、風邪引いたらどうすんだよ」
「…心配してくれんだ」
「…わりいかよ…」
昨日、足首を捻挫したときに俺のところに1番早く駆け付けたのはこいつだった。
念のため練習着のまま行った病院から戻ったら、もう部活は終わりの時間だった。
帰り道でもしきりに俺の足を心配し、野球道具の詰まった重い鞄を持ち、辛かったら
言えよ、杖になってやっから、なんて言いやがって。
こいつはなんでこんなに、俺のことを心配してやがるんだろう。
いつもやけに冷静で、達観してやがる。その岡田の優しさは俺をひどく胸高鳴らせる。
なんでこんなに胸が高鳴るのか、自分で不思議だった。
しかも、岡田はわざわざ俺の家まで荷物を持ってついてきてくれた。
荷物まで持たせて悪かったなんて思った俺は、岡田を自分の部屋に招いた。
いきなり悪いからいいよ、と遠慮する岡田に、両親と妹の不在を伝え、無理に部屋に
上がらせる。
「悪かったな、荷物重かっただろ」
「ん? そうでもねーよ、それより俺のほうが悪かったな、上がりこんじまってよ」
捻挫した方の足を延ばして、床に座ると、横に岡田が座ってきた。
そういえば、気がつけばほとんど俺達は横にいる気がしてきた。どんな時も。
「…岡田、なんか飲むか、とってくる」
立ち上がろうとする俺を制し、岡田は二本のスポーツドリンクをバッグから取り出した。
「昼休みによ、野球部員につって差し入れもらったんだよ、渡そうと思ったらお前、
怪我すっから」
唇を片側だけ上げて、少し眉根を寄せ笑みを浮かべる。こいつはよくこういう顔をして
いる。ひどく楽しい、とかじゃない、かと言って冷たく笑っているわけでもない。
自分を、じゃなく人を安心させるための笑顔だ。
「…わりー」
部室冷蔵庫に入れていたのか、口をつけたスポーツドリンクはほのかに冷たい。
一口飲んで思わずため息をつく。つい、左の足に視線を向けてしまう。
「…次の試合までは時間あっからよ、気ぃ落とすなって、川藤はスペシャルメニュー作る
って意気込んでんぜ」
心を見透かされているかのように、岡田の言葉は俺が今抱えている不安、苛立ち、全て
包み込むように投げ掛けられる。
「…わりーな」
他に言葉が見つからなくて、また謝罪の言葉が口をついて出る。
「なあ、新庄」
呼びかけられ、俯いていた顔を上げると、それまでのいつもの笑みが消え、真剣な表情の
岡田の顔が近くにあった。
「俺、多分お前のこと好きなんだわ」
至近距離、ほんの30センチほどしか離れていない距離に岡田の顔があり、そのまっすぐな、
本当にまっすぐな目で射竦められ、俺は目を見開いた。
「なんつーか、多分一年ときから好きなんだったんだろうけどよ、それが友情なんだか
恋愛なんだかわかんねーまま、ここまできちまった」
俺は指一つ、まつげ一本動かすこともできずただただ聞いていた。
そんな俺を見て、岡田は目線を落とす。
「最後の甲子園予選まで、あと数カ月しかねーのに、わりい…変な話しちまった」
立ち上がる岡田の表情は暗い。ゆっくりと自分の鞄をとり、肩にかけ、この部屋を出て行く
準備をする。
「でも、俺後悔してねーぜ、最初はキモチワリィ、なんて拒絶されて、嫌われたら
どうしようなんて思ってたけどよ、少なくとも、口きいてもらえねーとか、そんな
こたねーんじゃねーのって考えてよ、だってお前そんな奴じゃねーもんな」
手前勝手な希望的観測なんだけどな、と付け加えて岡田はさみしく笑う。
俺は何も言うことができなかった。ただ驚いていたのだ。チームメイト、仲間から告白
されたことに?
いや、違う。岡田が、俺を。そして、俺も岡田を。
いつの間にかはわからないが、好きに、なっていたのだ。
今の岡田の言葉でそれに気がついた。
「じゃ、また明日な、さっきのことは忘れてくれていいから」
最後に、傷めた俺の左足を見つめると、そのまま俺の部屋を出る。
ペットボトルは置き忘れ、そして、俺の返事はきかないままで。
「岡…」
追い掛けようとしても、痛む足がそれを許さない。
いや、違う。
俺は、追い掛けられなかったんじゃない。追い掛けなかったんだ。
思考回路がうまくつながらなかったなんて言い訳にはならない。
「くそ…」
そのまま固い床に倒れ込み、早く明日がくればいいと願った。
きっと明日になれば、あいつは何もなかったように学校に出てきて、朝練をし、授業に
出て、部活をしてそしてそのうち俺と会話をする。
その時だ。今日出来なかった返事を、俺はあいつにする。
多分あいつは忘れろっつったろ、なんて言うけど、そんなこと知ったこっちゃねえ。
諦めが良すぎるのは悪い癖にもなると、思い知らせてやりたいのだ。
「岡田、ほら」
「、ん」
自分のロッカーからジャージを取り出して、岡田に投げる。
「…新庄」
「いいから着ろよ、洗濯してあっから臭くねーし、風邪ひくよりゃマシだろが」
「や、でも」
珍しく戸惑いの色を隠せない岡田に、次の一打。昨日のリベンジ。
「…お前が俺のこと心配なのと同じくれー、俺だってお前が心配なんだよ」
勘のいいこいつのことなら、これでもう解る筈だ。
「昨日のことは、忘れろつったろ」
眉を寄せ、ジャージをぐっと握り締める岡田。やっぱりそうだ。
「忘れらんねーよ、だって俺が後悔してんだよ、お前にあの時答出せなかったのが」
岡田は一瞬少し戸惑ったような顔をして、しかしすぐに笑顔を見せる。
誰かを安心させるためでもない、その笑顔は岡田の内側から自然に溢れたものなんだろう。
俺にだってそれくらいはわかる。
「…ジャージ、借りんぜ」
表情を隠すためか、俺のジャージを頭からかぶる。
両の腕を通そうと、もそもそと動くたびにドレッドの毛先が、ジャージの襟からちらりと覗いた。
そうしてすぐに岡田の頭が出てくる。
「ファスナー、開けて着ろよ」
「着終わった後に言ってんじゃねーよ、もう着ちまったつうの」
生地の余った腕やなんかが、ちょっと着心地が悪いのか、少し引っ張って皺なんかを
伸ばしている。
「やっぱでけーよな、お前」
170センチの岡田と185センチの俺じゃ、サイズはやはり違っていて、照れ臭そうに笑う
岡田に、こちらも少し笑う。
「お前の匂い、するぜ。昨日の部屋と同じ匂いだ」
「そうか?」
「ああ、俺にはわかるよ」
遅刻しそうだからもう行こうぜ、と言われて、足を進める。
しかし傷めた足はまだ思うように動かない。
「岡田、先行け」
「いいよ、お前と一緒に行く」
「バカ、遅刻すんぞ」
怪我人の俺に歩調を合わせて悠長に横を歩く岡田に促す。
「何だったらサボるか、二人で。両思い記念日っつってよ」
「アホか…」
くっくっと二人同時に笑う。と、すぐに岡田は真剣な表情で、前を見据えて語りだす。
「昨日はよ、家帰ってすぐ寝ちまって…ああ、明日なんか永遠に来なきゃーいい、なんて
思ってよ」
「俺が、お前のこと受け止められねーっつったら、お前、どうしたんだ?」
「忘れ…らんねーだろうな、少なくとも卒業までは。俺、こう見えてけっこー執念深いタチ
だからよ。まあ、アプローチはしねえだろうけどな」
「そうか…」
「でも、言わずに諦めるってのも、やっぱ違うと思ってたからよ、まあ、その結果がこれっ
って、なんつうか、瓢箪から駒ってやつだよなあ」
グラウンドに出ると、他のやつらからおせえんだよ!とせき立てられる。
新庄にジャージ借りてたんだよ、今行く、と岡田は手をあげ、俺に振り向き、ジャージ、
サンキュな、と俺に言った後で、俺にしか聞こえない声で言った。
「ジャージ間違えたのもよ、本当は昨日のことあって、うろたえてたんだよな、お袋
じゃなくて俺のミスだ」
好きだぜ、それだけ最後に呟くと岡田は駆け出していった。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ キャラのイメージ壊してたらスマソ・・・
| | | | ピッ (・∀・ ;)
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