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弁慶と牛若丸

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )史実に自分の空想を少し織り交ぜました。源義経と武蔵坊弁慶ファンは注意。801要素は……フィルター装着必須!

義経が牛若丸と云う男児を殺したのはいつであったか、おそらく元服のころだと思われる。
名は存在をあらわす。これは逆も然りで、在るものは名を以て存在を周囲に示すのである。
故に牛若丸と云う者ののちが義経自身であろうと、殺したという言葉の意に当て嵌まらぬわけでもあるまい。

ところで、義経とは別にその時代、弁慶と云う名の男が在った。武蔵坊弁慶である。
有名な話であるが、彼は京にて道行く人々を襲い、そこに通る帯刀の者と決闘して刀を奪っていった。
続ける内に刀の数は増えていき、いつしか千より一本足りぬだけの数となる。

さて、これまた有名すぎる程に有名な話ではあるが、
先の牛若丸という男児が陽気に笛を吹いて歩いていたところ、それを見かけた弁慶に突然挑まれたことがある。
何故か。単に牛若丸の腰に見事な刀があった、それだけが理由である。
弁慶は牛若丸に襲いかかるがどうしたことか、とんと勝てる気がしない。予感は当たり、弁慶は牛若丸に倒されてしまう。

残る一本の刀へ未練があったかはわからないが、弁慶はその決闘から牛若丸に仕えることとなる。

さてさて。始めに書いたように牛若丸はのちに殺されるのであるが、そして殺した方は義経である。
義経が元服の儀を以て牛若丸という存在を無くしたのだ。(ちなみに弁慶を倒したのはまだ牛若丸という名の彼であった)
では、牛若丸という男児は何処へいったのか? 義経という男に成ったのか、はたまた死んだのか。

弁慶が初めて牛若丸に遭ったとき、弁慶は何を見ていたと思う?
牛若丸という男児か、牛若丸と腰の刀か、それとも刀しか目に入らなかったか。
何であれ刀は牛若丸の所有物であったので、弁慶はおおよそ刀、それに付加して牛若丸という存在を認めただろう。

ここに一つの考えを出してみよう。
弁慶にとって牛若丸とは、千本目になる筈だった刀そのもの、とは考えられないだろうか。
そう、義経が牛若丸を殺した瞬間、一人の人間という形から解き放たれた牛若丸は、晴れて弁慶の千本目の刀に成ったのだ。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


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