義明日兄兄四四
更新日: 2011-05-04 (水) 12:43:09
義明日7話が兄兄四四的に余りに萌えすぎたので投下します。
カレンに平手うちされた後のスーパー兄弟タイム補完。
ル/ルロ/ロかロ/ロル/ルかまだ決めかねてるので、エロは未遂です。
>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
『わたくしは、ナナリー・ヴィ・ブリタニアです』
あの事件以降行方知れずになっていた誰よりも大切な妹、ナナリーは俺の目の前に戻ってきた。
モニター越しに映るのは一年前より少し成長した姿。
ずっとずっと一緒にいたはずの妹は、たった一年の間に驚くほど遠くにいってしまったのだ。
講堂に響き渡るナナリーの声に耐えられず、俺は逃げ出すようにゲットーを歩き回った。
己の意思で総督となり、ユフィの意志を継ごうとするナナリーは、俺の半身であった小さくてか弱い少女ではなくなっていた。
ナナリーを守れる力を得るために、ナナリーを幸せに出来ると信じて、俺はゼロの仮面を被り希望を抱いた。
だけど、他ならぬナナリー本人がそんなものは間違っていると否定した。
もう、俺が縋れるものは何もなくなってしまった。
まさに、「ゼロ」だ。
今の空っぽの俺こそその名に相応しい。
そうだ、いっそ「ルルーシュ」がめちゃくちゃに壊れて空っぽになってしまえばいい。
そう思って、この租界で手に入れたリフレインを再び腕に押し当てる。
何度この行為を繰り返したろう……薬物の特性で幸せな過去に戻りたいと願う気持ちはある。
だが、偽りの幸せには何の意味もないと俺は知っている。
だから、どうしてもリフレインを使うことはできなくて、そのまま夜を明かしてしまった。
全く眠気すら起きずぼんやりとしている中、カレンと出会ったのは幸運だったのか不運だったのか。
挑発するように彼女に迫った俺に、彼女は望みどおりの拒絶を与えてくれた。
そして言った……「ゼロになれ」と。
でも、誰の為にゼロになればいい? ナナリーの為の「ゼロ」はもう壊れてしまったんだぞ。
ああ、でもカレンは言っていたじゃないか。
彼女には黒の騎士団には「ゼロ」が必要なのだと。「ゼロとして自分達を騙しとおせ」……と。
でも、それなら「ルルーシュ」はどうすればいい?
どんな状況になっても俺を、「ルルーシュ」を必要としてくれていたナナリーはもういない。
「ルルーシュ」は誰にももういらないんだ……。
あの男があっさりと俺を捨てたように、皆が「ルルーシュ」を捨ててしまう。
でもそれでいいのか……だって、それが俺が望んだことじゃないか。
「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア」なんて誰にも必要なかったんだから。
その事実は、俺を酷く打ちのめして……去っていくカレンを追う気力すら湧いてはこなかった。
だから、カレンが走り去った直後にロロが現れた時、こいつもまた俺の監視をブリタニアから言い渡されていたと思い出して、軽い苛立ちを覚えた。
ロロもまた「ゼロ」としての俺を監視する為に派遣されてきたんだけなんだ。
けれど、あいつは驚くほど真っ直ぐに俺を、見つめて言った。
「ゼロにならなくてもいい」と、俺がゼロでなくても良いと言いきった。
そして、心の中にあって、でも言葉にすることが出来なかった事実をも口にした。
ゼロがいなくなればナナリーの為になるという、その事実すら迷うことなく。
ナナリーの為にゼロを生み、ナナリーの為にゼロを捨てる……。
この17年間をナナリーの為に生きてきた俺にとって、その事実は余りに辛くて、でももう目を逸らすことは出来ないことだった。
それが本当にナナリーの為になるならば、捨ててしまいたい。
けれど、捨てて空っぽになった俺はどうしたらいい?
その気持ちがなくなったら、また学園で籠の鳥になるだけだ。
俺はまた一人になって、お前が言うような幸せになんかなれないんだよ……。
「大丈夫、僕だけはどこにもいかない。ずっと兄さんと一緒だから」
まるで俺の気持ちを読んだかのように、ロロは真剣な顔でそう言った。
迷いのない言葉とその瞳から目が離せない。どうして、そんな目で俺を見ることができるんだ、お前は。
「一緒に……いてくれるのか?」
その目に促されるように、縋るような言葉が口からこぼれ出てしまった。
そんな俺の言葉にロロは柔らかく表情を崩して、口を開いた。
「当たり前だよ。だって……僕の居場所はもう、兄さんの傍にしかないから」
柔らかいけれど切なげな声に、俺はハッとして改めてロロの顔を見つめる。
ギアスしか能のない、暗殺しか知らない少年。こいつの居場所はブリタニアにしかなかった。
けれど、俺がその居場所を捨てさせたんじゃないか。
スザクを騙し、ヴィレッタに銃を向けたのは……「お前の居場所は俺が作ってやる」と言う俺の言葉を信じたから。
「ロロには、俺が……ルルーシュが必要か?」
その問いかけに、血のつながりなんてないけれど、俺とよく似た紫の瞳がゆらゆらと揺れた。
「うん。僕にはルルーシュが必要だよ。だから、ルルーシュの為に何でもする」
こくりと頷いて、ロロは俺の胸に飛び込んできた。そして、小さく願うように呟く。
「ルルーシュと一緒にいたい。一緒にいさせて……兄さん」
ロロを利用する為だけに呼ぶことを許したはずの「兄」という呼び名が酷く心地がいい。
俺を求める小さなぬくもりの存在が、空っぽの心に染み渡っていくようだった。
何もなかったロロ、空っぽのロロ。お前は今の俺ととてもよく似ているのかもしれないな。
「ならば、俺の傍にいろ……」
だから、俺はその言葉に縋るようにロロの小さな身体をきつく抱きしめ、そのまま華奢な身体を鉄骨の上に押し倒した。
単なる逃避なのかもしれない。
だけど、人のぬくもりが恋しくて……優しくされたかった。
そんな俺の行為に一瞬だけその大きな瞳を見開いたけれど、ロロは拒まなかった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
兄攻めか弟攻めかは想像にお任せします。
というか、自分自身決めかねているのでw
ロ/ロのおかげで義明日が楽しくてたまりません。
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