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オリジ 元掃除屋×現役掃除屋

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

オリジナルです。
受の部下の女性視点。

立てつけの悪いドアを音もなく開けて、入ってきたのは上司だった。
「おはようございます」
そう言ったのは半ば厭味だった。それを敏感に感じ取ったらしく、上司は顔をしかめた。
「これでも走ってきたんだ、電車が遅れて」
そんなことは見ればわかる。彼は汗で濡れたシャツを豪快に脱ぎ捨てるところだった。
「普通、女の前でそんなことはしませんよ」
これで見苦しい体なら問答無用で汗臭いシャツをもう一度その頭に被せてしまうところだが、
残念ながら上司は筋肉質で均整のとれた体をしている。縦横無尽に走った傷跡でさえその体を引き立てるにすぎない。
「お前が普通の女なら俺だってしやしねえよ」
「あら、心外ですね。私だって普段は普通の女ですよ。」
「今は普段じゃねえだろう」
「ごもっともで」
目の前にコーヒーを置いてやるとダンケと言った。露わな背中をふと見る。
「休み明けのクセにえらく疲れていらっしゃると思ったら。今日は寝坊されたようですね」
昨日は随分とお楽しみのようで、と言えば何故と言いたげにする。気付いていないのか。

「死人と再会でもしましたか。」
「馬鹿言え、郭の女が離してくれなかったんだ」
は、と笑ってみせると上司は眉間の皺を深くした。
「それは随分と執着のきつい遊女もいたもので。
 いったいどんなプレイをすれば背中がそんなことになるのか教えていただけますか。」
後学のために。と言えば彼は思い当ったようで、目をその大きな手で覆った。
「くそ、次会ったらぶっ殺してやる」
「次会う約束までされたんですか」
「するか、奴は表向きは死人だぞ。昨日だって酒場で偶然会ったんだ」
「彼は死んだとボスに報告なさったのは貴方でしょうに。
 もっとも、彼が生きていると思っていたのは貴方だけでしたが」
さあこれをと新しいシャツを差し出せば渋い顔をした。
「新入りの坊やに見咎められて耳元でギャンギャン鳴かれたいのならそのままで結構ですが」
「アイツは俺に幻想を抱きすぎだと思うんだが。俺だってセックスくらいする」
言いつつ素直にシャツを着るあたり、どのようになるのかはわかっているのだろう。
だいだいキスマークだらけの屈強な背中というのは見ていて気持ちのいいものではない。
「幻想というよりは妄想でしょう」
「アン?」
怪訝そうに片眉を上げたこの男はひどく鈍い。
坊やが自分を犯したがっているなんて思いもよらないのだろう。実際男に跨られるという経験を昨日にもしているにも関わらず。

「しかし、彼は本当に生きていたんですね」
「死人と再会って言ったじゃねえか。生きてるって思ってたんじゃねえのか」
「生憎、貴方に突っ込むことが出来て、尚且つ背中をそんなにするまで執着している男というのを私は彼以外に知りません。
 彼以外にもいるのなら申し訳のないことですが」
「いや、いねえ。いねえからそんな虫けらを見るような眼で見るんじゃねえ。下品な女だな」
「失礼しました。初出勤で緊張しているいたいけな部下への第一声が『処女か?』という上司に使われていますので」
「そんなこともあったっけねぇ!まったく可愛げのなくなったこと!」
ぬるくなったコーヒーを飲み干して、上司は山と積まれた書類を見た。灰色がかった水色の眼が鋭くなる。
「やれやれ、殺されなきゃなんねぇ人間の多いことだな。老いぼれ共ももっと節操を知ればいいのによ」
「そんなことを言って、老いぼれ上司の耳に入っても知りませんよ」
ハンと笑って、ぱらぱらと書類をめくり始めた上司を確かめてから自分の仕事に戻った。
「そういえばどうして彼が生きていると思ったのですか。あの状況では死んだと考えるのが普通でしょうに。あれはトラウマものでした」
「おいおい、俺が何回アイツを本気で殺しにかかったと思ってる?殺したって死ぬタマじゃねぇよ」
ニヤリと口を歪めた彼は死人の言うところの『セクシー』で、
恐らくは死人と同じ思考回路であろう坊やが職業に似合わぬ騒々しさでこちらへ近付いてくるのを知って溜息をついた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
お目汚し失礼しました。やほい要素が少なくて申し訳ない。


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