Top/37-220

絶望 命×景

さよなら絶望先生より、命景命←命の医局時代の先輩(誰だそれ)という三つ巴
命は受けだと信じて疑わないッ

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

―――………体が熱い……それに………喉が渇いた…………。
その二つの強烈な感覚が、命を、沈んでいた意識の底から呼び戻した。

―――なんだか……頭が重い……。
闇の中を漂いながら、命は朦朧とした頭で、自分に何が起きたのか記憶を辿っていた。
―――確か………医局の先輩が医院を訪ねてきて……一緒にお茶を飲んでいた、はず……?
ようやく、意識がはっきりしてきた。どうやら自分は床に横たわっているらしい。命は目を開けた。

目に入ったのは見慣れた自分の医院の天井。そして、自分を覗き込んでいる件の先輩医師の顔だった。
「…せん、ぱい…?」
舌がもつれてうまく回らない。そんな命を見て、先輩医師は嬉しそうに笑った。
「やあ、お目覚めかい、眠れる森の美女君…いや、この場合は美男子君というべきかな。」
何を馬鹿な冗談を…と体を動かそうとして、命は、自分の両腕が後手に拘束されていることに気づき、愕然とした。
「せんぱい、これ、は…?」
いまだろれつは上手く回らない。先輩医師は極上の笑みを浮かべて命を見下ろすと、手を伸ばして命の頬をなでた。
「余り無理をしてしゃべらない方がいい…まだ薬が効いてるからね…。」
―――……薬……?
この状況と先輩医師の表情、そして「薬」という言葉に、命の中で警戒信号が点滅し始めた。
「ふふふ…君は相変わらず無防備だね…僕がさっきの紅茶にしびれ薬を入れたのにも全く気づかないなんてね?」
「…な……!」
「おっと、無理だよ、命君。君の体にはまだ薬の影響が残っている。まあ、怖いから薄めにしたけどね。
 ただでさえ体力的に僕に劣る君が、しかもこんな状態で僕に勝てると思うのかい?」

先輩医師は興奮したように目をぎらつかせて、命の上にかがみこんだ。
「それにね…そろそろ、もう1つの薬の方も、効いてきているはずなんだけどね…?」
「…?」
その言葉に、命は先ほどから体に感じている違和感に気が付いた。
何となく体がほてり、喉が渇く…それに加えて体の内から生まれてくる、痺れるようなこの熱い感覚は…。

「…分かったかい?僕の手による特別製の媚薬を、先ほど静脈注射させてもらった。」
先輩医師が振ってみせた小さな注射器に、命の背中が粟立った。訳の分からない薬を注射されたことへの恐怖が命を包む。
「な、なん、で…こんな、こと、を……?」
命は、信じられない思いで先輩医師を見上げた。いつも明るく親切で、心から信頼していた先輩だったのに…。
命の言葉に、先輩医師の目が細く光った。
「…それだよ。君は鈍感すぎる。他人が自分のことをどう想っているかなんて、君には興味ないんだろう。
 ……過度の鈍感さは、時として傲慢になる。僕の我慢も、もう限界なんだよ。」
命はパニックになりかけていた。先輩医師が何を言っているのか、良く分からない。
しかし、先輩医師もそれ以上説明する気はないようだった。にやりと笑って命のネクタイに手をかけた。
「……ゾクゾクするなぁ……難攻不落の糸色命を、こうやって好きにできるなんて…。」
先輩医師は器用な手つきでネクタイをほどくと、シャツのボタンを外しにかかる。
命は抵抗しようと体をよじったが、体の上にまたがられ、難なく押さえつけられてしまった。

シャツの隙間から先輩医師の手が滑り込んできて、それが肌を掠る感触に、命は思わずのけぞった。
「……っ!」
「薬のせいで肌が敏感になってるのさ……気持ちいいだろう…?こんなのはどうだ?」

先輩医師が爪の先で、胸の突起をカリ、とこすった。痺れるような刺激が命の脳髄を直撃する。
「やぁ…っ、や、やめ…っ!」
息が荒くなり、目尻に涙が滲んでくるのが分かった。先輩医師は、命の表情を見て唾を飲み込んだ。
「……いい顔だ…そんな顔もできるんじゃないか、『氷の微笑』君。
医局では、誰が言い寄ろうと、他人様には興味なしとばかりに切り捨ててきたくせにな…!」
「ちが…っ。」
先輩医師の言葉に、命は思わず抗議しかけたが、抗議の言葉は喉元でひっかかった。

自分が他人からの好意を受け取れない理由。それは、決して他人に興味がないからではない。
自分の中は他人が入り込む隙間のないほどに、ある人への想いで一杯だったから…それだけだ。
しかし、それは、決して報われることのない、口に出すことのできない想いでもあった。

先輩医師は、命の微妙な表情の変化を読み取ったらしい。命の顔を両手で挟み込んで睨みつけた。
「ほら、一番僕を苛立たせるのはその表情だ……君は、昔から、いつも誰か他の人のことを考えていた。
………いったい、そいつは誰なんだ!?」
「……!」
無言で顔を背けた命に、先輩医師は小さく舌打ちをすると、いきなり命の首筋に歯を立てた。
「……あ、ふ……っ!」
本来であれば痛みを感じるはずであるその行為は、薬に犯された命の体には激しい快感となって伝わった。
「やめ、ろ……っ、触るな…!」
必死に身をよじるが、上にまたがられていてはどうしようもない。その間に先輩医師の唇はゆっくりと胸板を下り、
赤く色づいている突起に辿り付いた。先輩医師は、これ見よがしに舌を突き出し、そこを丹念に愛撫し始めた。

「…く……っ、ぁあ………!」
声を上げるまいと思っても、食いしばった歯の間から抑えきれずに嬌声が漏れてしまう。先輩医師は
その声を楽しむように、さんざん命の胸の先を嬲った後、口元を手で拭いながら顔をあげた。
「そんな蕩けそうな顔をしていながら、まだ強情を張るのか、君は……。ほら、ここだってこんなになって…。」
先輩医師が命の下半身に手を伸ばす。その手の感触に、今まで以上に激しい快感が命の背筋を走りぬけた。
「………ぁっ、くぅ……っ!」

先輩医師の手元からカチャリ、という音が聞こえた。ベルトを外されていると分かり、命は総毛立った。
「や、やめ、てください……せんぱい……それ、だけはっ!!」
男女ともに、言い寄られたことは数知れないが、実は命は今まで誰とも体を交えたことはなかった。
自分が身を捧げたいと思っているのはただ1人、そしてそれが無理な願いであれば………なのに、今、どうして
こんな状態で無理矢理体を開かれようとしているのか。命の胸の中を真っ黒な絶望感が覆い尽くしていく。
命は、思わずその人の名を小さく叫んだ。

「………景兄さん…っ。」

その声は、ちょうど響いたチャイムの音にかき消され、先輩医師には聞こえなかったようだった。
続いて、玄関先ではガチャガチャと医院の扉を揺する音が響いた。
「…無駄だよ。玄関には鍵をかけておいた。皆、臨時休診だとでも思うさ。……君を助けに来る奴は、いない…。」
そういいながら、先輩医師は命のスラックスを剥ぎ取った。―――そのとき。
診療室の窓が外から開き、引かれていたカーテンの陰から、怪訝な顔をした景が顔を覗かせた。

「おい命、玄関に鍵がかかって…。」
景の言葉は途中で途切れた。唖然とした顔で目の前の光景を見つめる。先輩医師も命のスラックスを片手に持ったまま
固まっていた。まさか、窓から診療室を覗きこむ人間がいるとは思っていなかったのだろう。
命も、信じられない思いで、景の顔を見上げていた。今まさに心に思い描いていたその人が、現れるとは………。

景は、後手に縛られ、スラックスを脱がされて床に転がっている命、その上にまたがっている先輩医師を交互に見て
いたが、徐々にその表情は険しく変化していった。
景は上背もあり、毎朝棒を振って体を鍛えているだけあって、弟達と違いしっかりした体つきをしている。
その景が、ゆっくりと窓を乗り越えて入って来るのを見て、先輩医師はうろたえたように命の体から起き上がった。
「……お前……命が惜しかったら、今すぐこの部屋から出て行け………!」
景の押し殺したような声に、先輩医師は「ひっ!」と情けない声を上げると、辺りのものを薙ぎ倒しながら
大慌てで部屋から出て行った。すぐに玄関先で、ガチャンバタン、という音がすると、やがて静かになった。

「命……大丈夫か!?」
景は、玄関先を気にする様子もなく命の隣にかがみ込むと、急いでその手を縛っている紐を解いた。
命はまだ信じられないような思いで景を見ていた。
「……景、兄さん……どうし、て、ここ、に…?」
「いや、私はちょっと近くまで来たから顔を出しただけなんだが…お前、何か薬を盛られたのか…?」
景は、ろれつの回っていない命を心配そうな顔で見ると、抱き起こすようにその肩に手をかけた。
「…ぁっ!」
とたんに、命は、身の内を走った刺激に身をすくませた。
怪しげな薬を打たれ、しかも散々いたぶられた後で、命の体は今まで以上に過敏になっていた。

「……………命…?」
急に半身を起こしたせいか、頭がくらくらする。訝しげな景の声が遠くに聞こえた。

―――溺れる……溺れてしまう………助けて、兄さん……!!

命は、何かに飲み込まれそうになる感覚に、必死の思いで景の腕にしがみついた。
景は途方にくれたように命を見下ろしたが、そのとき床に転がる注射器に気がついたようだった。
「命、お前………何を打たれた……?」
景の声が真剣味を帯びる。景の大きな手が命の両肩をつかんだ。
「…おい……大丈夫か、命!?」
命は、景の両手から与えられる刺激に体を震わせながら、目を閉じたまま言葉もなく、
ただ首を左右に振るだけだった。

[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!

長くなるので、キリのいいところで停止します。
一度に投下するレス数の適量ってどのくらいなんでしょうか……。


このページのURL:

ページ新規作成

新しいページはこちらから投稿できます。

TOP