下町
更新日: 2011-05-04 (水) 12:10:02
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. // 生 || ∧(゚Д゚,,) < 下町 ボケ×ツッコミ寄り
//_.再 ||__ (´∀`⊂| < 関西弁おかしいです
i | |/ ||/ | (⊃ ⊂ |ノ~
| | / , | (・∀・; )、 < 普通に小説を書いてからボケの名前→『相方』
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )! 突っ込みの名前→『自分』、コンビ名→『このコンビ』
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..| に変換したんで一部不自然です
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
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| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\
| | / `ー-‐'´
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|_____レ"
「なんやねんその格好」
「・・・服貸せ、服」
相方が文字通り身包み剥がされた状態で自分のマンションを訪れたのは真夜中すぎ。
「口紅ついとるで」
「ちっ」
「嘘や嘘」
「・・・アホ」
それで大方察しは付いた。最近道頓堀界隈で噂になっている美人局。小心で慎重なくせして下半身はいい加減なこいつが引っかかったなんて、あまりにもらしすぎると思わずにやけると、相方は不機嫌に「ネタ合わせに来たんや」と言い捨てる。
「どこの世界に裸でネタ合わせするコンビがおるんや」
「グローバルスタンダードやねんて」
「なに言うとんねん」
雑誌を捲りながらも、それなりに突っ込めてしまっているのはもはや職業病。一方相方は勝手に自分の部屋の箪笥を漁り、トレーナーとトレパンを見繕っていた。
「金貸せ」
「トイチな」
「何でやねん・・・って言うかお前3千円貸したやろ昔。それ今返せ」
「はあ!?何言うとんねん?」
「忘れたん!?うわ~マジ引くわあ」
「借りてへん、借りてへん」
「お前な・・・ええか!?アレは高2のとき・・・」
きゃんきゃん喚く相方を適当にいなしながら、そういえばこうやって二人きりで話すのは久しぶりだとたそがれる。
デビューしたての頃は仕事がなくて、学生時代の友達はみんな働いたり学校に行ったりで、だからものすごくふたりだった。
ただ、相方が面白いということ、それを自分が理解していること、それだけがすべてだった。
すべてが一変したのは2丁目劇場ができてから。
女子中高生に注目されて、連日連夜アイドル並みに騒がれて、テレビのレギュラーが増えて、観客はみんな自分たちを見に押しかけた。それはただ、自分たちを見るためだけの観客だった。
このままでいいはずがないと言うことは、すぐに気付いた。面白いから。このコンビは、相方は、相方を生かす自分は、アイドル芸人で終わってしまうはずがないくらい面白いのだから。多分、世界一。自分が認識する上で最高の笑いが、常に存在し続けていた。
だから、もっと、理解させなければならない。それが自分の仕事なのだから。それを引き出し、理解させ、膨らませるために、自分は生まれてきたのかもしれない。相方のためだけに。
「ほら、タクシーチケットあるから帰り」
「・・・鍵もないねん」
「どうするん」
「マネージャーに預けてるから、朝イチで持ってこさせる」
明日のスケジュールを思い出す。午前中はオフ。ということは、相方もそうだ。
一緒なのだから。常にふたりは一緒で、それはもはや、同一なのかもしれない。自分は相方の笑いの最大の表現者ですらあるのだから。
だから、と気に相方異常に早く、相方の結論に到達する。
「東京、行くで」
刹那、相方が自分を見た。
相方も知っている。きっと、自分と同じくらいに。ふたりがこのコンビであるということを。どちらかの意志は、どちらの意思でもあるという事を。
「自分がいいって言うんなら、行くわ」
「なんやそれ」
気恥ずかしくて笑ってしまうと、相方も笑った。これは世界一面白いことだけど、きっと、世界中の誰にも理解できないのだろう。
「口でしてくれたら行くわ」
「アホ言いな」
「アホちゃうわ」
冗談みたいに言われた言葉。
「してくれへんの?まっちゃんしそびれたんやで~」
それがどのくらい冗談じゃないということを。
そしてその答えに、おそらく相方は自分より早く到達しているのだろう。
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. // 止 || ∧(゚Д゚,,) < 豪華で言ってた
//, 停 ||__ (´∀`⊂| < 美人局のエピソードって
i | |,! ||/ | (⊃ ⊂ |ノ~
| | / , | (・∀・; )、 < 大阪時代でしたっけ?
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )!
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
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