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Thank you for loving it

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

※ナマ注意!!!※
某六角形クイズ番組のおバカさんでおなじみの恥×心→羞です。

186の心視点で、やっぱり悲恋。

 なんだか肌寒くて目が覚めた。むくりと起き上がって窓の外を見たら、ぼんやりと明るくて、なんだか切ない気持ちになる。こんな感じのことをセンチメンタルっていうのかな?
 隣を見るとでかい身体を小さくして静かに寝ている直樹の姿。シングルベッドだからって気を使って、いつも直樹は小さくなって俺の場所を作ってくれた。
 何回下で寝るからいいよって言ったっけ……。その度に「だめです! 近くにいたいんです。ゆうにぃの側にいたいんです……」なんて言って抱きついてくる直樹が可愛かった。愛してるって、身体全体を使って表現してくれて、嬉しかった。
 だけど。

「――もう、限界、かな……」

 幸せそうに寝息をたてる直樹を一度見て、俺は立ち上がった。
 無造作に投げ捨てられた服を拾って、身につける。腰パンがズリ落ちないようにキュッとしめたベルトが、気持ちも引き締めてくれた気がした。

 適当な紙とペンを探して、テーブルに向かう。
 直樹が起きる前にここを出ないと、そう思ってペンを握ったけど、その思いを拒むかのようにインクが出てくれなかった。

 直樹に押し倒されたあの日、俺ははじめて直樹の想いを知った。
 俺なんか好きになったって、仕方ないのに。男だし。お前みたいないい奴がむくわれない恋しちゃってんじゃねえよ……。自分もそうだから、無性に直樹が愛しく思えた。
 そして俺は、嫌がりながらも直樹の行為に流されてしまった。愛されてみたかった。その幸せを味わいたかった。
 あと、かわいそうな奴だな、そう思ったから。俺サイテー。でも、それはそっくりそのまま自分に返ってくる言葉でもあった。
 かわいそうな俺。かわいそうな直樹。
 俺たちはお互いに自分が哀しくなる方向へと歩んでいた。俺は元からむくわれない。直樹は俺さえよければ幸せになれる。
 ウソなんてつきたくなかった。だけど、ウソをついてでも直樹だけは幸せにしてやりたかった。お互い似たような恋をしていて、気持ちがわかってて。だったら俺は直樹を好きになる。『偽りの幸せ』そう言われたらおしまいだけど、それほどまでに俺たちは苦しかったんだ。
 俺と出会った人はみんな幸せになるんだぜ?直樹を幸せな気持ちにしてやって何が悪い。

 ――まじでサイテー。

 その後も直樹は全力で俺を愛してくれた。俺の想いを知っていてもおかしくないはずなのに、いつもまっすぐでキラキラしていた。
 いつもマネージャーにはあんなにわがままなのに、俺にはわがままなんて一切言わない。“好き”に全力疾走している直樹がまぶしかった。
 だから時々見せる、あの切ない表情がたまらなく俺までもを切ない気持ちにさせた。

 幸せ?ううん。偽りの幸せ。むしろこれは――不幸だ。

 俺が直樹の前から姿を消したら、直樹はどう思うだろう。サイテーな奴だって思うかな?いや、きっと『ありがとう』とか言っちゃうんだろうな。
 俺は嫌になったから別れるんじゃないよ。これ以上一緒にいたら、直樹は幸せと苦しみを一緒に飼うことになる。そんなの、嫌だろ?

 やっとインクが出るペンを見つけてメッセージを書き終えた俺は、立ち上がって直樹の側に行った。
 ベッドの前にしゃがんで直樹の頭をなでる。

「俺……キャッチャーなのに、直樹の心を読みきれなかった。ごめんな……」

 そっと立ち上がり、もう二度と触ることのないドアを開けて、また同じように閉めた。

 俺が直樹の心を読みきれなかった?俺はいつからウソばかりつくようになったんだろう。
 直樹の心なんか、すぐにわかる。だって直樹は俺と同じ想いをしている。
 もし俺が直樹だったら、こんなの哀しすぎるけど、仕方ないって思うだろう。もし直樹が俺だったら、こんな風に別れるだろう。

 雲のすき間から太陽が顔を出した。自然と俺を照らす。ウソつきな俺を。

「これでよかったのかなぁ……」

 返事をしてくれる奴なんか誰もいないのに、太陽に向かって問いかける。
 雲が風で流れていく。きっと本日は晴天なり。なのに、俺からはどしゃ降りのしょっぱい雨がとめどなく流れていた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

心の気持ちがあまり考えられなかったのですが、結局は恥と心がお互いの事をちゃんと話していればこうはならなかったのかな…という感じです。もし次書くときは幸せにしてあげたいです。ありがとうございました!


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