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キタヨツオ ヘイキタヘイ

流れでキタヨツオ投下
飛び降り断念後の例の手繋ぎに見えるシーンで禿萌えたあまりに書いたやつ
短すぎてごめんなさい
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「キタさん」

オレンジ色の太陽が溶けて夜に混じり始めている。キタさんは名残惜し気に廃屋を見ていて歩き出そうとしない。

ただ一つの自由だ、と言った。でもそれは違うと思う。
いつだってキタさんは何かを押し付けられてきたけれど、それを貧乏くじだと思った事なんてなかった筈なんだ。いつだって、どこにだって行けた。
それでも行こうとしなかった。こうして追い詰められるまで行こうとしなかった。
もし俺ならとっくに逃げてる。

「行こうぜ、キタさん」

ふくふくした手を握る。父親は嫌いだった。だけど一つだけ。時には頭を撫でて、時には頬を叩いたその手が好きだった。
逃げる事しか知らなかった。それを間違ってると指摘されたかったのかもしれない。

「ヘイタさん」
「ん?」
「お父さんを許せたのは、俺のおかげなんかじゃないですよ」
「……」
「あなたが、大人になった証拠だと思います」

どろどろのオレンジ色が目に染みて視界が滲んだ。キタさんが戸惑っているのが空気で伝わる。俺はまだまだ子供だった。

STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )
以上です
ありがとうございました


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