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須磨武螺X

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
とあるスレッドを読んでいるうちに我慢ならずにやった、
素真武羅Xの学園パロディで、ドM犬→一頭身仮面です。
二人とも先生で 犬=生徒 空手部部長 風紀委員 仮面=現社 剣道部顧問 設定で。

憂鬱だ……。
これから始まる重苦しい時間を考えるだけで、〆タナイトは仮面を押さえたくなった。
春休みに行われる、空手部と剣道部の合同合宿。
彼はこれから空手部部長と日程について打ち合わせるべく、資料や日誌などを両の腕に
抱えて、夕暮れの階段を慎重に上がっていた。

(ノルカリオか……悪い子ではないと思うが、どうも苦手だな……)
どうも自分の口下手故か、会話をしても授業か武道か政治の話題しか見つからない。
向こうも「面白い」でも「他の話をしましょう」でも何か反応を返してくれれば
まだやりようがあるのに、ひたすら〆タナイトを見つめて相槌を打つだけなのだ。
嫌われているのか好かれているのか、そこすらもはっきりしない。
(……私としたことが。仕事に私情を挟んで、生徒の士気を下げたりしたらどうする)
頭を振って気を取り直し、資料を抱え直そうとした瞬間、
「お持ちしましょう」

というという声がした。

驚いた〆タナイトが振り向くと、下の踊り場でノレカリオが無表情に肉球を差し出していた。
「ノレカリオ。………いや、これは3階上の資料室まで運ぶだけなので私ひとりで十b」
「その量では、前も碌に見えないでしょう? 先生にお怪我でもされたら
 剣道部の連中が大騒ぎになります」
さあ、と一歩迫ってさらに腕を突き出すノレカリオに、〆タナイトはため息をつきながら
プリントの半量を渡した。

「持ってもらえるのはありがたいが、資料室で待っていても良かったんだぞ?
 ‥‥それとも緊急に私と話したい用があったのか?」
こう問いかけてみるとノレカリオは少々躊躇ったようだが、ぽつぽつと話し出した。
「―――先ほど。DDDとカー微意が、職員室の前で騒いでいたんです」
「またあの二人か……毎度のことだがノレカリオにも手間をかけさせr」
「―――先生のお誕生日に。何を送ろうか、と楽しそうに話していました」

一瞬何を言われたか判らず、思わず立ち止まった〆タナイトだったが
じっと見上げてくるノレカリオの視線でようやくわれに返った。
「そうか……そういえば合宿中だったな、今年の誕生日は」
「今ここで言ってしまうと楽しみがなくなりますが、相当派手に盛り上げるつもりの
ようです。先生のクラスの奴らも一枚噛んでいるみたいですね」
「あいつらは……全く、合宿は遊ぶ為だけではないというのに……」
「それだけ先生は皆に好かれている、ということでしょう。――先生。」

ノレカリオは急に足を速めて〆タナイトを追い抜き、鋭い目で彼を見下ろした。

「――どうしたノレカリオ。訳もなく目上の人を見下ろすのは失礼だぞ」
「益田半戸先生に伺いました。………今年でちょうど一万とんで百歳だそうですね」
「益田先生………あれほど生徒には言ってくれるなと釘を刺したのに………」

幾度生徒に問われ続けても誤魔化し続けてきた事実をつきつけられ、
〆タナイトはもう一度ため息をつきそうになる。
武道に携わる者として、また教師として顔で生徒になめられるようではいけない。
そういう思いで仮面を被り、年寄りと言われぬように年を明かしていなかっただけ
なのだが、生真面目なこの子には気に障ってしまったのかもしれない。

「見た目より年をくっていて驚いたか?…まあ、騒がれるのは苦手なので
出来れば周りには黙っていてくれるとありがたいのだが」
「はい、それはもちろん。……プライベートな事を無理に聞き出してしまったのは
申し訳ないと思っています。ですが、どうしても気になる事があったので」
「……気になること?」
(妙な方向に話が進みそうだなあ。)再びノレカリオを追い越して階段を上がりつつ、
〆タナイトは続きを促した。

「先生は、2年の桃姫さんと3年の鞠夫先輩が付き合ってるのをご存知ですよね?」
「ああ」
中高一貫性のこの学校で、かれこれ4年は毎日一緒に登下校をしている彼らは、
もはや名物といっていいほどのバカップルだ。知らないほうが珍しい。

「友人から聞いたのですが、この間のバレンタインデーのときに先生は、彼らが
長続きしている理由についてこう仰ったそうですね」
―――『彼女が年下なせいじゃないか』って。

「………どうも間違って伝わったようだな。『桃姫は一つ下だが鞠夫より数段
落ち着いているし、胆が据わっている。和やかに続いているのはそのせいだろう。』と
言ったんだ。」
「――なんだ、そうだったんですか!」
とたんに表情が明るくなったノレカリオ。これはひょっとするとひょっとするのでは
ないだろうか。
「――どうしたノレカリオ。……まさかお前」
「――――イヤ、ドウトイウコトハナインデスヤッパリ先生ハ若イ女ノ子ノホウガイイノカナートカキニナッタワケデハ」
「先輩に好きな人でも出来たのか?」
資料室の扉をあけながら、意地悪い笑みで〆タナイトは尋ねた。
‥‥何故だか、ノレカリオは非常にがっかりした顔をしていた。

「先輩、で、好きな人………確かに人生の先達ではある方です」
向かい合って座る形になった、資料でいっぱいの狭苦しい資料室。
――ややうつむき加減で頬を染め、小声で語ったノレカリオの反応に、問うた本人である
〆タナイトの方が気恥ずかしくなった。
資料を机にひろげて二人分の緑茶を淹れてつつ、こちらも妙に小声で返す。

「そうか……まあ、若いうちにしか出来ない恋もあるからな。頑張れよ。
私はその手の相談は不得手だが、大キャプ先生辺りなら親身になって聞いてくれるt」
「――先生。俺からもひとつ質問をして宜しいでしょうか。」
先ほどの恥じらい顔から真面目な表情に戻ったノレカリオが、机から身を乗り出してきた。

「何だ?………さっきも言ったが、私に恋愛相談はしないほうが無難だぞ」
「相談というか……価値観を伺いたいのです、先生の恋愛についての」
「価値観……?」
「はい……先生が恋愛にどんな考えを持っているのか、参考に伺いたいのです」
「私のが参考になるとは思えんが………まあいい、それなら協力しよう」
茶を啜りながら答えた〆タナイトに、満面の笑みでノレカリオは礼を言った。

「早速行きますね。仮にですが、先生が今すぐに誰かと交際しなければならないと
したら、年上と年下のどちらが良いですか?」
「私より年上なんて滅多にいないと思うから好みに関わらず年下だろう、多分」
「…では次です。先生は交際相手の外見と性格、どちらを重視なさいますか」
「繰り返しになるが年を食うと外見についてはさほど気にならなくなる」
「……もう少し。もし先生が付き合おうと思った相手に、重大な問題があったら
先生は付き合うのを止めますか」
「どんな問題があったとしても、本当に好きならそれを乗り越える努力はするべきだ」
「………後二つです。『文武両道で品行法正性格良、家事そこそこで家付き家業持ち』
このワードを聞いてどう思われますか」
「理想的だな。『家付き~』から後で意見は分かれるだろうが女だったら結婚前提で
付き合って損はあるまい」
「ではその条件を備えていたら、先生は私と付き合って下さいますか?」

「なかなか良い話だな……………待てノレカリオ、今何と言った?」
「私と付き合って下さい。………私が好きなのは〆タナイト先生、貴方です」
そういうと同時に、ノレカリオは〆タナイトの仮面に口付けた。

…………………それと同時に、資料室のドアが勢い良く開いた。

「先生申し訳ない!俺のミスで合宿のしおりが何ページか誤字脱字だらけになってる事が
発覚したので、いま丸巣と一緒に訂正プリントを刷ってきた」
「藍駆君のせいじゃないです、下書きを活字に起こす時に僕が間違えたから、って……」
「それは結局俺の字が読みにくかったからだろ……ノレカリオどうした、何かあったのか」

首をかしげてノレカリオに問う藍駆。――返答はない。〆タナイトに突き飛ばされて
ゴミ箱に頭から突っ込んでいるからだ。
そして動揺を隠し切れない様子でさりげなく仮面をぬぐう〆タナイト。

――未だに判っていない藍駆よりは幾分鋭かった丸巣は、
状況を悟って瞬時に耳まで赤くなった。

「あ、えっと、その……お取り込み中申し訳ありませんでした先生、出直します。
ほら行くよ藍駆君!」
「? だがまだ先生に訂正プリントを」
「良いから帰る!……先生、プリントは明日でも大丈夫ですので!」

呆然としていた〆タナイトだが、新たな闖入者のやりとりを見ているうちに我に返った。
「いや今日で良い、今日で良いんだ丸巣!……というか私を置いていかないでくれ!」
殺気を感じて、逃げるように立ち去る二人を追う〆タナイト。その後から復活したノレカリオ。
「待って下さい先生、まだお返事を頂いていません」
「生徒に手を出す教師があるか馬鹿者!波/導を漲らせながら追ってくるな!」

……素真武羅学園、今年の春の合宿は、どうやら波乱に満ちたものになりそうである。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
長い上にgdgdな終わりですいません。最後王子と団長が余計だったか? 
続きがあるような書き方ですがこれだけです。卿は年長者で高所大好き、が拘り。


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