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私立逢坊女学園・競り板編

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  ilスレの女学園ネタ読んでたら腐脳になんか湧いたってさ。
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  競り板バレンタインネタのつもりらしいよ。
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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   ★★  厳  重  注  意 !! ★★
  ・この先には女体化ネタがあります
  ・パラレルです

苦手な方はスルーしてください。

 風紀委員としては頭の痛い季節がやって来た。
 2月14日、バレンタインデーである。
 「あれ? バレンタインは、女の子が男の人にチョコをあげる日でしょう? うちは女子高なのだから
関係ないんじゃない? ああ、男性教師はいるけど…あんなおじいさん、相手にするかなぁ?」
 一見暢気な口調で、そして今日は珍しく本当に暢気な質問をするオニョ理事長に、ラムは密かに
頭痛を覚えた。
 「昨今は『友チョコ』なるものがあるそうです。女性同士でもやりとりをするとか。」
 巷の流行について簡潔にそう述べた後、高等部風紀委員長は意見を続ける。
 「問題なのは、そのチョコレートにかける費用が、学生の分を著しく超えている場合が見受けられる
ことです。校舎内に菓子類を持ち込むこと自体は平素から認められていることでもありますし、互いの
友愛を確認する為に手作りの菓子を交換し合う程度ならば、問題はありません。しかし…」
 桜田女学園の生徒は、裕福な家庭の子女が多い。
 世界大会金メダル獲得のショコラティエにフルオーダーで作らせた一点もののチョコレート彫刻が、
はたしていち学生の身分に相応の贈答品といえるだろうか?
 相応、と素で考えそうな生徒が、この学園ならば存在するかもしれない。というか、いる。確実に。
 真っ当な金銭感覚の持ち主である委員長にとって、これは粛正すべき風紀の乱れであった。
 「今度の全学共通朝礼で、分をわきまえるようにと、理事長からお話をしていただけないでしょうか。」
 「全学? それだと3日後になっちゃうよ? 高等部の朝礼なら明日すぐに話せるでしょう。校長に
連絡しておきますよ。」
 せっかくの有難き理事長のお心遣いだったが、この件に関してはそれでは駄目なのだ。
 眉間にしわを寄せて、ラムは理事長に告げた。
 「それが… 一番騒ぎを起こしそうなのが、初等部と中等部なものですから。」

 学園の剣道場に、もはやお馴染みと成り果てた光景が繰り広げられている。
 「先輩センパイセンパイセンパイセンパイせんぱいイ夕ミンせんぱーい!」
 「うるせーっ! 練習の邪魔だっ、つーか靴脱げ抱きつくな袴をめくるなーっ!!」
 とても名門お嬢様学校の生徒とは思えない言葉遣いだが、稽古着の少女が周囲から咎められる
気配は無い。
 今、道場には彼女(と闖入者約一名)しかいないからだ。
 「セリィ! テメェ今度は何した! 何で顧問が居なくなった途端に、テメェが湧く!?」
 「ブチョ先生なら、サンジカソ先生に呼ばれたみたいですよー」
 …まさかそれ、この子の仕掛けた偽の呼び出しじゃないだろうな?
 やりかねない。このガキならやりかねない。
 イ夕ミンは薄い眉を思いっきり顰めてみせた。が、その程度でこの初等部のやかましい子犬が
恐れをなすようなタマではないのも、悲しいかな、よく解っていた。
 「ともかく、道場に入ったら上履きを脱げ。」
 剣道部員としては、めくられた袴以上に土足(?)の方が気になるらしい。
 放り出されたくないと思ったのか、セリィは案外素直にそれに従った。が、靴さえ脱げばそれでいい
だろうとばかりに、また駆け寄って抱きつく。
 「せんぱいセンパイせんぱーい」
 「やかましい」
 「せんぱいせんぱいー」
 「あんだよ」
 「せんぱーい」
 「だから何だってんだよ、用は何だ。」
 「せんぱーい…」
 「何。」
 「……」
 「どうした。口がなくなったかコラ。」

 セリィはいつもこの調子だった。怒涛の勢いでやってきて抱きついて先輩々々と連呼して、その後
何をするかと思えば、特に何をするでもない。コアラよろしく徒々イ夕ミンの痩身にしがみついている。
 たぶん寂しいんだろうな、とイ夕ミンは思う。
 なんせ異端児だから。
 口調こそ幼稚舎からの生え抜きらしく「おねえさまごきげんよう」調だけど、やってることを見てみろ。
走り回るわタックルかますわ人のスカートや袴を捲るわ、どう見たって、そのへんの野良ガキと一緒じゃ
ないか。取り澄ました気取り屋ばっかりのこの学校じゃ、周りの子と合わないだろう。こないだなんか、
てめぇのスカート捲り上げて自分の穿いてるパンツ見せようとしたし。(「先輩とおそろいパンツですー」
とか寝ぼけたこと抜かしやがるから、アタマはたいてやった。)
 だから、ガサツなアタシんとこに寄ってくるのかもしれない。自分と同じ異端の匂いを嗅ぎ取って。
 …気持ちは、解らんでもない。
 しょうがない、つき合ってやるか。同じ学園の中等部としては、やはり下級生の面倒は見なきゃな。
 義侠心溢れる剣道少女は、麗しいが甚だしい誤解に基づいて、自らこの初等部のフリーラジカルを
引き受ける決意を固めた。
 「…せんぱーい」
 だんまりコアラが口をきく気になったらしい。
 「おう。」
 「あの… 先輩は、甘いものは、おすきですか?」
 そりゃまー人並みには、と言いかけて、イ夕ミンは寸でのところで言葉を引っ込める。パンツ事件の
いきさつを思い出したからだ。イ夕ミンとおそろいのパンツを手に入れるために、セリィがしたこと。
 『パパのお店の人たちにさがしてもらいましたのー』
 パパの店、とは、さる大手老舗デパートチェーンを指している。
 そこの外商部に、探させたらしいのだ。ローティーン向け水色ストライプパンツ(3枚890円也)を。

 今ここで自分が不用意な発言をすれば、またデパートの職員さん達が理不尽な目に合う。
 彼らを助け、かつ可愛い後輩に教育的指導をするには、どうするべきか。イ夕ミンは考えた。
 オマエまたバカな真似するんじゃあるまいなと怒鳴りつけるか。そうすれば、とりあえず百貨店の人々
は命拾いをする。けど、セリィ本人は、何を怒られているのか理解できるだろうか。 …無理だな。
 それに、セリィだって最近は少しはおりこうさんになった。今までだったら問答無用で『甘いもの』を
持って来ただろう。こっちの好みも意向もお構い無しに。
 それが、一応「甘いものが好きかどうか」を確認するようになったのだ。進歩は褒めてやりたい。
 …ん? 褒める?
 ふいに、イ夕ミンの脳裏にあるものが浮かんだ。
 「甘いもの、か? そういやガキの頃、家で電熱器出してもらって、ホットケーキ焼いたっけ。」
 試合で勝ったごほうびでさ、美味かったぞー、と、いちかばちか、話を振ってみる。
 「でんねつき、ですか?」
 言葉が古かったせいかお嬢様育ちのせいか、セリィには何のことだか判らなかったらしい。怪訝そう
に小首をかしげた。
 「カセットコンロなら判るか? …わかんねーか。じゃ、見に来い。一緒にやろうぜ。」
 「え?」
 「うちで一緒に、ホットケーキ焼こう。」
 少しかがんで目線をあわせ、優しげ(*本人比)に笑いながら、誘いかけてみる。
 イ夕ミンの目論見はこうだ。セリィの目的は"誰かと一緒に"おやつの時間を過ごす事であって、何を
食べるか自体は、実はそう重要ではない、たぶん。では、そのおやつを調達する方法さえ工夫すれば
誰の迷惑にもならず、かつ後輩本人も納得する『おやつの時間』が作れるのではないか。
 「一緒に、スーパーでホットケーキミックスと牛乳買って、アタシん家で作ろう。焼きたてのあつあつに
バター乗っけてメープルかけて。アイスとか乗っけても旨いよな。こういうの、やったことあるか?」

 いいえ、と答えるセリィに、そうだろうそうだろう、とイ夕ミンは頷く。
 「じゃ、決まり。いつがいい?」
 材料を買いに行くところからやるから、時間がかかる。早めに学校を出られて夕方いっぱい遊べる日
があるかと尋ねられたセリィは、何故か頬を染めて、
 「…こ、こんどの、木曜、いかがですか…?」
 潤んだ瞳で提案した。
 「木曜? 14日か。いいよ。そうだ、丁度バレンタインだから、チョコも入れてみようか。」 
 製菓用だとすぐ溶けるから面白い、と言いかけて、イ夕ミンはふと真顔になる。
 「…セリィ、どうした? 何か顔真っ赤だしボーっとしてるし。熱でもあるか?」
 おでこに手を当てれば飛び上がってうろたえるし、だが当てた手の感触ではそんなに温度は高くない。
 「な、なんでもないです! あ、あの、ありがとうございます! 失礼しました!」
 やけに慌てた様子で走り去っていく後輩を、イ夕ミンはあっけに取られて見送った。
 (…待ち合わせの時間を決めていないんだけど、いいのかね。)
 追いかけて打ち合わせしようかとも思ったが、今日はやめておいた。まだ練習メニューが途中だ。
顧問にサボりと思われても困る。
 素振りを繰り返しながら、イ夕ミンはセリィのことを考えていた。
 (うまく行ったら、来年剣道部に入ってくれるかもな。)
 何しろ、今この部に中等部生は彼女一人なのだ。名剣士と誉高い顧問との稽古はとても身になるが、
やはりもう少し賑わいというものが欲しい。
 初等部の校舎でセリィが魂抜けそうになっているとも知らず、暢気に所属部振興計画を練っていた
この日のことを、イ夕ミンは数年後頭痛とともに思い返す羽目になる。

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ナマエ スレ デノ アダナ ソノママカヨ…
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
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