ソードワールドリプレイ ネクスト 暮れ×麻呂
更新日: 2011-05-03 (火) 14:23:47
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| | |> PLAY. | |
| | | | ∧_∧ 剣世界リプ「次」シリーズ暮れ×麻呂のエロ。
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部屋の壁が薄いのは言われるまでもなく分かっていた。
それ以前に羞恥心が先立って声など荒らげることはできない。
それでも押し殺すように漏れてゆく自分の声がいちいち気恥ずかしい。
耳元で暮れの声がする。
大丈夫か、痛くないか、気持ちいいか、とこちらを気遣う言葉ばかりだった。
普段そんな言葉などいっぺんたりともかけやしないくせに、
彼はなぜかベッドの中では意外なほどの気配りを見せた。
いや、何故かなどと改めて言う必要もなく、彼は命の危険が及んでいない場では人に対して優しい。
それでは今、余裕があるのかと思うと、チラリと目をやって彼を見るが、
そんな様子もなくただ必死に愛の行為を続けていた。
可愛いな、と思う。と同時に、自分は何をやっているのだろうかと思う。
色々と考えていると、いつもこの思考にたどり着く。
それと同じ頃に丁度与えられた快楽に耐えるのが難しくなってくる。
頭の中が白濁していき、今まで考えていたことがすべて吹っ飛ぶ。
自然、暮れにしがみついて、好き、好きと繰り返しているのが分かった。
か細く零れる自分の声はまるで別人のようだった。
腕にこもる力が強くなる。相手の力も、自分の力も。
「…っく…」
びく、と体が震えるのが分かった。生暖かい感触を腹の上に感じる。
吐精の感覚と全く別、じんわりと体に温かさが染み渡って、長い長い余韻が体の中に残る。
しばらくして、こつん、と胸に何かが当たるのが分かった。
薄目を開て見てみると、自分の胸に顔をうずめた暮れがこちらを見上げているのに気づく。
目と目が合う。自然と、微笑んだ。
自分が頭を屈め、暮れが顔を近づけて口付けする。
した後に、もういちど彼は自分の体にぎゅ、としがみつく。
普段ふざけている間にも、自分以外の相手にもスキンシップ過剰(で済む行動なのかは不明だが)なのは、
どこか寂しいと感じているからだろうか、とちらりと思った。
ならば彼も自分と同じその感覚を感じていたのだろうか?
…思えば幾度となく養父母に孫の存在をちらつかされた際も、中々妻帯しようとしなかったのは、
自分が自身の血を残したくないと思っているからだったと認識していた。
もともと、自分の姿が周囲と違うことについては、そう気にした事は無かった。
多少その姿が違うからといって偏見をもって接するような者は自分の周囲にはいない。
自分は幸せだった。
なのに、ふとしたはずみで感じるはずの無い疎外感を感じてしまう。
たとえば幼馴染たちと一緒に遊んで、夕方家に帰ろうと一人になった時、
夜中眠りにつく前、ベッドでひとりになった時。
今まで女性に好きだと言われた事もあったし、人並みに”恋愛”もしたつもりだった。
なのにその疎外感が心のどこかに引っかかって、それ以降どうすることもできない。
養父母の恩に報いる事が出来ない。だから必死に働いた。
ありがとう、の言葉の中には、6割方の、ごめんなさい、が混ざっていた。
王都に出たときは、世界の広さに驚いた。
自分と同じ姿の者も、非常に珍しい存在ではあったが見かける事はあった。
感じていたはずの疎外感など吹っ飛んでいくのが分かった。
それと同時に、ここなら養父母の願いを叶える事ができるのではないかと思った。
なのに、結果として”こうなって”いる。
ふと疑惑の念が膨れ上がる。
自分はただ寂しいだけなのではないだろうか。
誰でもよかった、そうなのかも知れない。
そして、同じように、この腕の中の彼も…
「 」
自分の名を呼ぶ声が聞こえた。
え?と静かに呟いて顔を覗き込もうとすると、長い指が動いて自分の手を探り、ぎゅ、と握る。
…面食らったまま、自分にしがみついてくうくうと寝息を立てる暮れの顔を見る。
体温の高い彼の手は非常に温かい。
少しだけ、気が軽くなった。心の中がゆっくりと満たされていくような気がする。
自分は危うい場所を歩いていると、そう思う。
暗闇の中を手探りで歩いている。
それでもこうやって暮れが自分の手を握っていて、それを手伝ってくれている。
こちらでは疎外感など感じた事はなかった。
一人ではないという事などとうに知っていた。
それでも、彼が自分の傍にいてくれることが嬉しかった。
やっぱり、暮れが好きだと、愛していると、そう思う。
安堵感とともに眠気を感じる。
このままここで眠っていきたいが、朝帰りなどしようものなら神殿の者に心配されるのは目に見えていたので、
起こさないようにそっと彼の腕を解く。
幸せそうな顔で眠る暮れの頬に口づけ、おやすみ、と告げた。
帰り道はきっと一人だろう。それでもあの疎外感を感じる事は、おそらく、ない。
- 了-
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 今更だけど本編完結オメ
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