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夢のまた夢、中編

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  某昭和の大スターとその周辺の人達の話
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  ベース×スターです。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧長くなりすぎて中編
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )になったぞゴラ。
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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誰かが泣いている。

哀しげに、切なげに、むせび泣く声が聞こえる。
頬を伝う雫は、誰のものだろうか。

哀しい筈なのに、
辛い筈なのに、
それはとても暖かく、優しい感覚だった。

たゆとう意識が、覚醒を促す。
泣いているのは、誰だろうか。
とめなくてはいけない。
もう誰も、泣いて欲しくないから。

「・・・・・・う・・・・・・。」
突然の彼の声に、男の泣き声が止まった。
薄っすらと瞼を開く。
寝覚めで霞んだ視界が、見知った男の顔を捉えた。
「・・・・・・え・・・・・・・?」

なぜ彼がここにいる?
その前に、
ここは、どこだ?
さっきまで、自分は、社長と-----。
そこまで思い返して、慌ててベッドから身を起こした。

「あ・・・・ぐ・・・っ!」
身体中に走る激痛に、思わず毛布を握り締める。
「おい、大丈夫か?」
慌てて男が彼の背に手を添える。
それを、
「触んな・・・・・!」
乱暴に突き放した。

どうして、
どうしてお前が、
こんな所に。
こんな姿を。

混乱する思考に、両手で髪を掻き毟った。
男はどうすることも出来ず、そんな彼をただ見詰めていた。

「・・・・・・ここは、何処だ?」
彼の問いに、男はホテルの名を告げた。
「お前が・・・連れてきたんか?」
険しい表情で、問いかける。
「いや・・・多分社長やと思う。」
「社長・・・。」
大仰にため息をついた。
納得はいった。
最後に会話を交わした相手。
しかし、
「で、どうしてお前は、ここに居るんや?」

わざと刺々しい声で、問いかけてみる。
「お前のマンション行ったら、社長に会うて、ここにおると教えてもら
って・・・。」
申し訳なさそうに、俯いて、
小さな声で、答えられた。
苛立たし気に、彼が乱暴に髪をかき上げる。
男はすまなさそうに項垂れていた。
「身体・・・大丈夫か?」
ぼそぼそと伝えられる、心配の声。
それを、
「お前が気にすることや無い。」
冷淡に返してしまう。
「・・・・・・いつもの事や、もう慣れた。」
自らを嘲る事で、更に男を傷つけて。

違う、
違う、
こんな事が言いたい訳じゃないのに。
悲鳴をあげる心が胸を締め付ける。
優しくしたいのに、
優しくされたいのに、
何故こんな場所で会わなければならない。

「・・・・・・くそっ・・・。」
傷ついた両腕を毛布に叩きつけた。
痛みに顔をしかめながら。

「・・・・・・俺、帰るわ。」
俯いていた男が、意を決したように言った。
「誰にも言わんから、心配せんでええから。」
最後まで相手を気遣って、
背中を向けようとした。
それを
「待てや。」
彼の声で制される。
「用があったから、ここに来たんじゃないのか?」
突き放すような声で。
「それぐらい済ませてから、出て行けや。」
男を引き止める。
ここに居て欲しいと。
ゆっくりと彼のほうに振り戻る。
真摯に男を見つめる瞳が、そこにあった。
こんな所で妙に律儀なのも、やっぱり彼は変わらない。
よかったと、
何故か安堵の気持ちが男の心を満たした。
そして、ここまでの衝撃ですっかり忘れていた、当初の目的を思い出す。

ジーンズの右ポケットから、小さな包みを取り出して、彼に見せた。
「・・・・・?」
「これを、お前にと思って。」
彼が訝しげに男と包みを見返す。
「ずっと、一緒に音楽やってきたから。」
思わず照れ笑いが浮かぶ。
「最後に、感謝の気持ちと思って。」

男の言葉に、彼の表情が凍りつく。
「何・・・言って・・・。」
思わず声が上ずる。
「・・・受け取って、くれへんかな・・・?」
哀しげな笑みで、訴えられる。
「お前と一緒に居れて、嬉しかった、本当に。」
目の前に差し出される、白い箱。
「だから・・・。」
「ふざけんな!」
それを右手で、思い切り払いのけた。
身体の痛みさえも気にならなかった。
「最後?感謝?」
怒りで身体の熱があがる。
「そんなへらへら笑って、お前はそんな事言うのか?」
身体が震える、頭の中が沸騰する。
戸惑う彼など、目に入らない。
「お前にとって、俺とやっていたことは、そんなもんだったのか?」
顔が熱い、目尻が熱い。
「お前にとって俺は、その程度のもんだったんか!」
はらはらと涙が零れ落ちる。
シーツの赤い血が、涙で滲む。
「俺が、どんな気持ちで、お前を・・・。」
あとは言葉にならなかった。
シーツに顔を突っ伏して、嗚咽を漏らした。

ずっと一緒に居てくれたから、
大切な仲間だから、
側に居て欲しかった。
これからも自分の元でベースを弾いていて欲しかった。
何より、音楽を続けて欲しかった。
哀しかった、
辛かった、
その気持ちを、
彼も持っていると思っていたかった。
それは自分の、独りよがりだったのだろうか。

不意に、両肩を強く掴まれる。
「何・・・。」
言う間もなく、男の胸に身体を抱きこまれた。
「・・・すまん・・・。」
掠れた男の声が、耳元で聞こえる。
「すまんな・・・堪忍な・・・。」
彼も泣いているのか。
「お前にばかり・・・辛い思いさせた・・・。」
背中に回った腕に、力がこもる。
「勝手に仲間に引き込んで・・・勝手に離れて・・・。」
男の言葉に、又涙が溢れる。
「お前の気持ちにも気付かんで・・・。」
嗚咽をかみ殺しながら、男は言葉を続ける。
「どうしようもない奴やな・・・俺は・・・。」
男のすすり泣く声が、彼の耳元で聞こえた。

しがみつくように男の首に両腕を回す。
決して離すまいと。
「ソロになって・・・売れて」
とつとつと言葉を紡いでいく。
「嫁さんももろうて・・・。」
何の感情も持たない声で呟く。
「幸せの頂点にいると、皆に思われて・・・。」
身体が震える。
「でも・・・そんなん嘘や・・・。」
両手で男の顔を挟んだ。
お互いの泣き顔を見詰め合う。
「だって・・・。」
彼の顔が哀しみで歪んだ。
「お前が・・・おらんようになる。」
再び男にしがみついた。
「お前が居なくなる!もうベースも弾かなくなる!一緒に音楽も出来なく
なる!」
それは慟哭に近い叫びだった。
血を吐くような。
「俺は・・・一人になる為に・・・ここまでやってきたんやない。」

皆がいたから、
お前がいたから、
ここまでこれた、
唄っていようと思った。
なのに、唄うごとに、
どうして皆が去っていく。

どうして俺だけ、
夢の中に取り残される。
望んだものは、全く違うものなのに。

強く抱き合ったまま、二人は泣き続けた。
どうしようもない現実の中で、
ある者は諦めの哀しみで、
ある者は諦めきれない怒りの嘆きで、

暫くして口を開いたのは、男の方だった。
「お前は・・・俺の夢や・・・。」
その言葉に訝しがる彼を見て、泣きながら笑いかける。
「俺だけやない・・・きっと皆が・・・お前を見て夢を思い出す。」
男の言葉を、彼は真摯に受け止める。
「G/Sの頃の夢を・・・。」

あの熱狂を、
あの華やかな日々を、
そこに居たものなら。
覚えているなら。

「お前が唄っている限り・・・G/Sは終わらん。」
男の右手が彼の髪を撫でる。
慰撫するように。
「それが・・・俺の誇りや・・・。」
涙を流しながら、晴れ晴れとした顔で男は彼に伝えた。

心からの彼への想いを。
「・・・・そうか・・・。」
落ち着いた声で、彼が答えた。
「それなら、しゃあないな。」
男に向かって、笑いかける。
「俺は、唄い続ける。」

例え一人になっても。
寂しくない、
孤独ではない、
そこには、数え切れない、人々の想いがあるなら。
どんな事でも、耐えていける。

「・・・ありがとう。」
男に向かって、心からの感謝の言葉を告げた。
男の肩に、顔を埋める。
優しく背中を撫でながら、男は彼を抱きしめ続けた。
感謝の涙を流しながら。
彼の体温を、匂いを、感じとっていた。

暖かい沈黙が、二人の間に流れていた。

「・・・・・・・なあ・・・・・・・。」
口を開いたのは、彼の方だった。
「何や?」
優しく問いかける。

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 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 話豚切りソマソ、続きはしょっぱな
 | |                | |     ピッ   (・∀・; )からエチです。
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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