Top/33-390

歯車

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  羽間×蟻です
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  ※ナマ注意
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

新しいゲームを広報の方から頂いたので、仕事が終わってから相方を家に呼んだ。
それだけだったはずなのに。
二人でゲームをプレイしながら、何故かこんな会話をしている。

「オレ、つくづく思うんやけど、蟻野くんと距離が出来てしまったなぁって」
「距離?」
「そうや、距離。『よ/る/こ』でも『瓦ぬ愛』を誓い合ったし、これだけ仲のいい愛し合ってるっちゅーのをTVで見せているのに楽屋であんま話すこともないし、番組終了後にレンタルビデオ屋で会うてもちょっと挨拶したぐらいですぐ別々のコーナーに分かれるやんか」
「僕はアニメコーナーだし、お前はAVコーナー直行やしな」
「で、思うんよ。そこんとこどうするんかって」
「じゃお前はどうしたい?いつも遠慮するんはお前の方やないか。僕がクリスマスに家に呼んでも結局来ぇへんし、大晦日に呼んでも来ぇへんし」
「去年は収録があったからどの道行けへんかったけどな。・・・っつかヨメとのラブっぷりを見せ付けられる場所にノコノコお邪魔出来るワケないやろ」
「まぁ僕はヨメさん愛してますからね」
「それや。間違いなくそれ。やっぱお前は離婚した方がええんちゃうの?」
「せぇへんの分かってて言うとんねやろ」
「オレもたまにオレのコトが嫌になるわ。何でオレってこうなんやろな」
「・・・やりたいんやったら別にええよ」
「はぁ?オレが出来ひんとでも思ってゆーとんの?何?オレが可哀想になった?お情け?ほんま余裕のあるヤツはそうやろな」
「ごめん」
「謝んなや、偽善者。ほら、さっさと脱げや。出来るんやろ?やらせてくれるんやろ?」

「・・・ここで僕が脱いで僕抱いてそれでお前は満足するんか?その場の勢いだけで言うとんのやろ?」
「帰れや、ヨメんとこに。こんな時酒飲めたら酒に逃げれるのに」
蟻野が服を脱いでいくのをオレは呆然と見ていた。
「どうすればいい?僕はこういうのやったことないから、どうしていいか分からへんで」
オレはコントローラーを持ったまま。TV画面の中から自機が死ぬ音が聞こえた。
「ヨメとやってるやろ」
「後ろの穴ではやってへんよ」
上半身だけ脱いだ蟻野にリセットボタンを押された。
「もういいから帰れよ。泣くとこ見せたくないから。あのな、オレもAVでしか見たことないけどめっちゃ痛いんやで?」
「泣いてるん?」
「煩い!服着て帰れ!オレのコトはほっといてくれ、頼むから」
抱きしめられ、涙の跡を唇で吸われた。
「ごめん」
「ちょっと止めろ、その気になったらどうするんや」
「だからええって。しよ?僕がええって言うてんやから」
「どうしたらええんや。だってお前は妻子持ちやないか。子供二人可愛いやろ?だからオレはいつも遠慮してるやんか」
まだ言おうとしてるオレの唇を奪われた。嫌だとか止めろとか帰れとかそんな言葉しか言えない。
偽善者はオレだ。本当はずっとこうしたくて、だけど結婚前も男同士だからとか何かと理由をつけてこうならないようにしてたんだ。だから今まで女も途切れることもなかったし、他の女で気持ちを紛らわせて自分の気持ちに目を背けていたのに。
「唇、柔らかいな」
「・・・アホ」
「ベッドの上で待ってる」
「ああ」
なのにあいつのヨメと同じ名前の女と付き合って、でもマスコミに追われて別れる羽目になって、それから1年間彼女がいなくて・・・1年間プライベートで一緒でなければ自然と想いは薄らいでると思ってたのに。何であいつは、オレの心に。

布団の中でこいつは目を開けてベッドに来たオレをじっと見ていた。いっそこのまま寝ていてくれたらオレも楽なんだ。このまま手を出さずに済めばいつも通りの関係でいられる。今やってしまうと間違いなく何かが壊れる。でももう崩壊寸前かもしれない。
脱ぎ捨てられた服を横目でちらっと見た。
「逃げずに来たのは偉いな」
「やっぱオレ、向こうの部屋で寝るわ」
「今日逃したら次は絶対無い。それは分かってんのやろ?」
「分かってる」
「ヘタレやな」
「それも分かってる」
布団からのっそりと起き上がり、こっちに来た。オレは動けなかった。
「ほら、こんなになっとるやないか」
服の上から股間を触られ、撫でられた。
「ちょっと、止めろ、マジで、止めてくれ」
「どっちが楽?僕をするのと、僕がするのと」
「触んな、出るっ」
「決めて」
「もう嫌やぁ。頼むから、オレに構うな、ほっとけばええやん。一人にしてくれ。オレは、ヨメを好きで家族が大好きなお前を愛してるんや。お前が家族を捨てるようならオレはお前を嫌いになる」
「捨てるわけないやろ」
「じゃこれは何や。どうしてこうなったんや。何でオレはこんな」
「また泣く」
「だって、やっ」
またキスをされ、そのまま片手でベルトを外された。
直接下着の中に手を入れられ、熱い手で触られ、オレは

吐精した。

「はぁはぁはぁはぁ・・・・・・最悪や」
ぐったりと座り込んだオレを裸の蟻野が見ていた。
「苦いな」
「それ、舐めんなや。何、オレからかって楽しいか?どうせ心ん中では楽しんでんねやろ?ああそうや、いつもいつもお前はオレを弄んで楽しんでるだけや。オレが逆らえへんコトも、あがらえへんコトも知っててそんなコトするんやろ?」
「黙って」
オレの精がついたままの指をそのまま口内に捻じ込まれた。その指が口の奥まで行き、オレは「うえっ」と声と涎を出した。
「うえっ、うえっ、げほげほっ」
咳き込むオレをその場に寝かせ、手際よくオレの服を脱がせていく。
「何かレイプしてるみたいや」
「これが、レイプじゃなくて、いったいなんや」
「だって僕のコト好きなんでしょ?両想いやのにレイプはないでしょ」
「うえっ、気持ち悪ぅ・・・水取ってきてもええ?」
「ごめん、後にして。喉渇いたら僕の唾液を飲んだらええよ」
「下は自分で脱ぐから。逃げないからどいてくれへん?」
「ふぅん。抜いたら随分大人しくなったもんやな」
「言っておくがな、お前が先に言い出したんやで?オレはするつもりなかった。出来ればこのまま何もせずに寝たいんや。いつもの通りでええやないか。それの何処が悪い?オレは収録が終わったら家に直行してネトゲ、お前は家に直帰して家族サービス。それで良かったやないか」

「よくもまぁベラベラ喋るな。家族んこと口に出したら僕が心変わりすると思うてんの?僕は覚悟してる。だったらお前も覚悟せえや。あとな、見れば分かるやろうけど僕の方が体格ええから押さえ込もうと思えば出来るんやで?
それとも無理矢理された方がええ?その方が僕のせいに出来るもんな。そしてまた自分の心から目を背けるんや、お前は」
上半身だけ裸になってそのままオレはじっとこいつの顔を見た。
「・・・それの何処が悪い」
「分かった。お前はそういうヤツや」
くすっと蟻野が笑う。これでオレはこの場から解放される。そう思っていたら甘かった。
蟻野は脱ぎ捨てられた靴下を拾うとオレの口の中にいれ、オレの手首をひっぱりベッドに投げ、更に逃げようとするオレの頬を叩き、両手を纏めて落ちてた上着で縛り、下半身も一糸纏わぬ姿にした。
「んーん!んー!!」
躊躇わずにそのままオレの中心に口をつけ、咥える。オレは頭をぶんぶん振りながらもがいていた。
股間から聞きたくない水の跳ねた音がする。足で蹴って離れさせようとしているのにその足も押さえられて身動き取れない。
二度目の吐精。ぐったりとするオレ。口の中に丸め込まれてる靴下が口から出された。

その口に入ってるものが口移しで飲まされる。
「気持ち悪い・・・」
「この部屋にローションはどこにあるんかなぁ」
「・・・・・・」
「ベッドサイドのチェストにコンドームがあるのは基本やね。ほら、ローションもある。女の子やってみんながみんなすぐ濡れるわけやないしな」
「・・・・・・」
「バイブは流石に無いか」
「蟻野くん」
「何」
「逃げないから後ろ縛ってるの外してくれる?」
「最初からそう素直になればええんや」
手首を縛っていた服が外された。オレは、再度手で扱かれるのを虚ろな目で見ていた。
「はぁ・・・はぁ・・・」
「流石に3度目やと立つのもゆっくりやな」
オレの中心にコンドームが装着された。そして目の前のこいつは掌にローションを垂らすとそのまま後ろに手を回し、指を入れた。
その顔がとても苦しそうで、こんな目にあってるのに声をかけてしまった。
「ええって、もう止めよ?無理すんなって。オレはええねん。もう寝よう?」
「だって僕だってこのままで終わるの嫌なんや」
「ろくに指も入らへんのやろ?そんなんでこんな指より太いのが入るわけないやろ」
「ああもう、人にこれだけやっといてどんだけ根性無しや。抱きたいんやろ!?僕を!!だったら僕を滅茶苦茶にしたらええねん!絶対抵抗せぇへんし、どんなに痛くたってええんや」

傍目に見てもイライラしているのが分かる。いつも穏やかでオレより優位に立っているように見えるこいつが。
オレはこいつの体の中心に近付き、半勃ちになっているそれを咥えた。
何や、やろうと思えば出来るやないか。男のものを咥えるのって抵抗あったけど、こいつだからか。
「歯ぁ当たってる・・・痛い・・・」
オレはソレから口を外し、舌で舐めた。やっぱりAVで見るのと実際にするのとは違うな。
男のを舐めるのも咥えるのも初めてやけど、こういうのも慣れなんやろな。
「うん、気持ちええ・・・そこのカリんとこ・・・そう、上手や・・・」
塩辛く、熱く、オレの唇の中で脈打っている。
オレの肩を捕まれ、そのままオレの口から舐めていたものが外された時、白く濁ったものが静かに垂れた。
「・・・何でなんや。別にこのまま飲んでもええのに」
「あかんて。僕のは汚いから」
「もうええよ。このまま寝よう?そしてオレらは目覚めた時からいつも通りに戻るんや。それでええやろ」
オレはサイドテーブルのちり紙を取り、そいつの白濁した精とローションに塗れた後ろの穴を拭った。
「ごめん、ほんまにごめん。何でこうなんやろ。何で上手く行かへんのやろ」
「謝らんでもええよ。実際余程ほぐさんと後ろでやるのは無理やろ」
「愛しとんのや。ほんまに。僕はお前のコトを」
泣きそうなこいつの唇にキスをし、舌を入れた。
今だけはこのままで。もう二度とこんな事は無い。あってはならない。
そしてまたオレは心に鍵をつける。そしてその鍵は二度と開かない。
コンドームと使ったティッシュをそのままゴミ箱に投げ入れ、布団に入った。隣に入ってきたので腕枕をした。
「オレも愛してる」
心臓が静かに鼓動を刻んでいた。

同じ布団で抱き合って眠ったのはいつ以来だろう。高校の時の修学旅行の時に同じ部屋になって、ふざけて同じ布団の中に寝たんだっけ。
あの時「笑いを取るためにホモの真似をした」と他の同室の奴等に言い、実際に笑いを取れたけど、その実オレは出会った時からこいつの事が好きで、その頃からずっと心の奥底に想いを秘めていたんや。
そんなこいつもインタビューで「ホモやと思うぐらいこいつの事が好きやった」と答えてるぐらいだし、間違いなくそういうもんなんやろう。
歯車が違ってしまったというより、こいつが結婚するのもオレが独身なのも必然だったんや。それだけのこと。
(よく寝てるな)
明日からは普通に笑い合って、普通にコンビとしてそれぞれの道を歩む。
(いっそのこと嫌いになれればええのに)
寝ている蟻野の唇にキスをしてオレも目を閉じた。
体温と呼吸音。
きっと多分ずっと死ぬまで愛してる。

          _________
       |┌───────┐|
       |│ロ stop.      │|
       |│              |│
       |│              |│
       |│              |│
       |└───────┘|
         [::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]

                 ピッ ∧_∧
                ◇,,(∀・  ) オソマツサマデシタ
.  (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
  |                                |
  └────────────────┘


このページのURL:

ページ新規作成

新しいページはこちらから投稿できます。

TOP