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ア/ス/ガ/ル/ド 95鬼畜短髪鞭賊×91長髪ダガー賊3

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  └──────│新Pet~にコメントくれた方ありがとうございます。
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 服は、未だ剥がれ落ちない。
それは、まだ上半身の中ほどから下は、生地が切れていない。そして、鎧と同じくして両腕にまだ生地が残っているからだ。
 だが、僅かに服の間から覗く肌からは、うっすらと傷がついていた。
間をおいて、赤い筋がにじみ出てくる。
「ふっ」
目を細め、鼻で笑う。
そしてその傷に指を這わせる。
血が、彼の指を汚した。
「…う…」
自分を傷つけた男に、肌を触れられる。嫌悪に顔をゆがませる。
 が、ディースは破れかけたその服に手をかけると、一気に切り裂いた!
「あ…!!」
もはや、彼の上半身の前面を覆うものは、何も無かった。
僅かに肩から腕にかけて、体を覆う役目をしていたものがあるだけ。
 ズボンと、切り裂かれた服だけをまとう男を、ディースは目を細めて眺めていた。
 こと、と、ナイフを棚に置き、代わりに鞭を手に取った。

ばしっ!!と、乾いた音が連続的に室内に響く。
その度、アイルの口からは悲鳴がこぼれ出た。
時間が凍ったかのように静かだった部屋は、いつしか鞭の音と男の絶叫だけが響いていた。
 苦痛になれた、といってはおかしいだろうか。しかし生傷の耐えない冒険者にとって見れば、傷による殺傷力は低い。
 戦いになれた冒険者は、厚い鎧で保護され、盾やダガー、そしてすばやい身のこなしによる回避、万一に敵の攻撃を体で受け止めてしまったとしても、反射的に未をかばうことが出来る。
だが、今の彼には、体の自由、肌を守るものをまとわず、当然盾なんてものも身に着けていない。
ディースの鞭を、まともに体に受けていた。
 その瞳にうかぶ喜びは、狂気を アイルの胸から腹にかけ、いくつもの赤い筋が走っている。
もう一度、鞭が風を切ってわき腹に見舞われる。
「ああああああああああああああああ!!」
「ふふ…、どうだ、言うか?」
「…っ、くたばれっ…!!」
アイルは、ぎりっと歯を噛み締めると、言葉を吐いた。
「はははは!」
パン!と音が響く

「うああああっ!」
 苦痛に耐えようとし、くぐもった叫び声をあげるアイルを、ディースは笑いながら打ち付けた。
帯びていた。
鞭が嘶く度、傷は増える。
どれだけの時間、そうしていたのか分からない。
 アイルの上半身は、真っ赤に腫れ上がり、血がこぼれ出て、鞭と床、服を汚していた。
ディースの使う鞭は、皮鞭だった。
 先端が丸くなっていて、丈夫なモンスター相手ではたいした殺傷力は無い。
だが、生身の人間に、それも肌をあらわにした相手に使ったとなれば、話は別だ。
当然傷はつくし、…その痛みは、焼け付くようだった。
「…もう、や…め」
 低く呟いた。
声は震え、肩は、荒い息のせいで激しく上下している。
 痛みのためか恐怖の成果は分からないが、体が震えているのは見て取れた。
「やめる?なら言うか?お前のギルドのことを」
ディースは鞭を片手に、身をかがめた。
そしてアイルの顔を覗き込むと、うなだれる彼のあごに手を添え、上へ向かせた。
 苦痛によって意識を手放しかけている彼は、朦朧としていた。
 何度も何度も苦痛から逃れようと激しくあがいたせいで、手首、足首は枷にすれて血がにじみ、体重を支えているせいでやがてしびれてきていた。
目には、光が無い。ほうっておけば、そのまま気絶してしまうことだろう。
「…」
「!」
笑みを浮かべていたディースは、突然の痛みに、彼から手を離した。
 彼の親指には、歯型があった。
僅かな抵抗に、アイルは彼の指を噛み付いたのだった。
「…こいつっ!!」
「ぐっ!」
 アイルの頬に、ディースの掌が飛んだ。
室内には
鞭とはまた違った音が響いた。

「ちくしょ…」
「俺は…言わない…」
アイルは、うわごとのように呟いた。
「…言…わな…い、師匠を…仲間を…売るよう…な…真似は…」
「ちっ。ネイヴィー。桶もってこい」
 ディースは、ぐったりと力なく手枷をされぶら下がる彼を眺めながら、手で合図をした。
ネイヴィーは持っていた盆をシナモンに預け、部屋の隅においやられていた桶を持ってきた。
 それは先ほど彼にかぶせられた水が入った桶と全く同じものである。
気を失いつつある彼に、その水が勢いよくかぶせられる。
途端、彼は切り裂くような絶叫を上げた。
 中身は、塩水である。
それこそ傷に傷が重なり、皮膚を切り裂き、神経をむき出しにされている状態だ。
そこに塩水をかけられれば、尋常ではない痛みが全身に走る。
激痛によって覚醒させられ、そして同時に舌を切っていた。
「嫌だ…!」
 鞭を手に構えたディースを、恐怖を浮かべ、見据えた。
恐い、恐い。
痛い!
 やめてもらえるのならば、やめてほしい。
ただそれしか自分の中に浮かばなかった。
だが、仲間を売るようなことは絶対にしたくない。
それは、師匠であるジークと、ともに苦楽を過ごしてきた仲間への、想いであった。
「…どうしよっかなあ…」
ディースは、鞭を床に放り投げ、ぽりぽりと頭をかいた。
だがアイルは、頭をかこうと手を上げたその行動にすらおびえ、目をぎゅっと瞑って体を硬くする。
小さく震えるアイルを見て、ディースはにやりと笑った。
「ディース?次は何をするの?」
「ああ。そうだな。ほかに何がある?」
「そうね…、ええと、茨鞭、蝋燭、焼きゴテ、ペンチ…あとは…」
ごそごそと、器具の置かれた棚をあさるネイヴィー。
つらつらと上げられるその単語に、アイルは怯え、唇を噛み締める。
「蝋燭で傷を焼いても良いし、ペンチで肉を剥ぎ取っても…ああ、焼き串で指を刺しても良いわね」

「ふーむ」
 けろっとした顔で、目の前に出されたそれらを眺めた。
そして交互にアイルを見やる。
アイルは、小さく首を振った。
「やめてほしい?」
ディースは笑う。傷だらけの彼に近づき、彼に覆いかぶさるように、その顔を眺める。
 勝ち誇った顔のディースは、威圧感が合った。
「やめ…て…」
小さく呟いた。
「やめて下さい、だろ?」
その言葉に、アイルは嫌悪を感じた。
 それはこの男に屈しることを意味する。
戸惑った表情だけを浮かべ、何も言わない彼に痺れを切らし、ディースはペンチを取り出した。
そして、手枷によって動かせないでいるアイルの右手の指をまとめて掴むと、人差し指の爪を、無造作にペンチで掴んだ。
「いやだっ、やめろ!!」
必死で逃れようとするが、力ではディースに勝てない。
そのままぎりぎりと力を込めて、ペンチで爪を引っ張っていく。
強烈な痛みに、ただ声を上げるしかなかった。
 ベリッと、爪がはがれた。
今度は中指の爪をはがそうとするディースに、アイルは言った。
「や…めて下さい…」
同時に、ディースは行動をやめた。
激痛に顔をゆがめ、目から大粒の涙をこぼすアイル。
 恐怖と怯えの表情を浮かべて、訴えかける彼の姿は、ディースの奥に潜む、邪な心を、激しく煽り立てた。
「もう一度、いってごらん?」
随分と優しげな声だった。先ほどかまれたときのように、あえてあごに手を添える。
だが、今度はアイルは噛み付くことはしなかった。
「やめて下さい…」
途端、部屋にはディースの高い笑い声が響いた。
「ならば、俺に跪け!」
 彼の目には興奮の色が見えた。

「俺の、犬になれ」
「…!」
 はっ、と顔を上げた。
「犬になり、俺をマスターと呼ぶか?それとも、断って、爪をはがされたいか?歯を折っても良い。今以上の苦痛を与えることは存分に出来る」
この男の、犬になる?
 それは下僕以下の扱いであることには間違いは無かった。
それは心底嫌だった。が、傷によって肉体的に追い詰められ、恐怖によって精神的に追い詰められた彼にとって、受け入れざるをえなかった。
 唇を噛み締める。が、それはあきらめたように開かれ、そして
「…分かり…ました、…マスター…」
彼は認めた。

『誤解』

「あなた、本気でやってなかったわね?」
 拷問から開放された安堵によって気を失ったアイルに、ネイヴィーは、彼の傷口を水で清め、自分が持っていた盆の中にあった薬を塗りながら、側で壁に寄りかかるディースに問うた。
「何のことだ?」
「とぼけないの。随分と珍しいじゃない?あなた、外傷少なく済ませたわね」
 少ない、とはいっても上半身は鞭によって赤くなり、そこに塩水をかけられたせいで、更にはれ上がっていた。
「いつもは、勢いあまって殺しちゃうのに」
 実は、いつもはジン、もしくはディースが拷問人をやるのだが、ディースのときに限って、彼は立会人をつけなかった。
 ジンは過度な痛めつけによって殺してしまうことを防ぐため、その見極めができ、そして治療のできるネイヴィーを立会人にしていた。
そしてジンの場合は、派手に血を噴出させるような拷問は好まなかった。
本音、出来ることならしたくないのだろうが。
 それに対し、ディースは快楽主義だ。
サディストである彼にとって、『敵の情報を知る』という名目の元行われる拷問は、嬉々として参加していた。
 だが、彼にとって本当にしたいことは情報を知ることではなく、相手が苦しむさまを見て、そして自分の手で苦しめること。
それによって、たびたび中断を強いられる立会人は、絶対につけなかった。
それが、マスター直々の命令だとしても、だ。
 それによって、詳細を聞き出す前に相手を殺してしまうことは、度々あった。
「なのに、今日に限って私をつけるなんて…、それに、死なない方法選んでたわね、わざとね?」

 彼女の表情は、下を向いて作業をしているせいで、髪に覆われてよくは見えなかった。
が、いぶかしんでいるのだろうとはすぐに分かる。
 壁に寄りかかったまま、その作業をぼんやりと眺め、何も言わないディース。
「犬ってどういう事?彼をどうするのよ。牢屋にでも入れて飼うつもり?」
「別に」
 意識の無いアイルを眺め、続けた。
「気に入っただけだ」
「あなたの愛情って言うのは、相当歪んでいるわね」
 ネイヴィーは顔を上げ、呆れて言い放った。
「まあな」
今回の事については、最初から、リンドブルムについての情報など興味は無かった。
ふと、興味がわいたこの男を、自分のものにするものが目的だった。
 とはいえ、前々から彼を狙っていたわけではなく。
従順そうな、人間。たまたまそれが手に入っただけ。さて、痛めつければどんな顔をする?
「やあね、あなたって」
「やーねっ」
 ネイヴィーが毒づいた。
それを真似て、シナモンも幼い声で言った。
可哀想な人。
 彼女は、アイルの頬を水を含ませたタオルで拭きながら、心の中でつぶやいた。

「ねえ、ジン」
スコルピオのギルドマスターであるジンはアジトの広間の、テーブルの前にある椅子にすわり、かったるそうに頬杖をついていた。
 顔に、右目の下から左頬まで大きな傷がある。逆毛の金髪を片方の手でわさわさといじり、そして、ネイヴィーに答える。
面倒くさそうに手を振ると、彼女の言葉も待たずに、ため息をつき、言った。

「わかった、わかってるさ、死体の処理は自分たちでしておけ、私ぁもうしらん!」
 あのバカめ!
どうせ私の忠告も無視して、楽しみのためだけに殺してしまったに違いない。
 ああ、あの男の考えていることは、私にはわからない。
何度も何度もそういうことはやめろと言ってきたのに、いつまでたってもなおらない!
 死体があがれば面倒なことになる、だから私ぁネイヴィーをつけたのに。
どうせ殺してしまったんだ、あのバカめ!
 彼は、ぶつぶつと考えながら、はぎしりをした。
「いつも言っておくが、住民には気づかれないような!外の奥にほうっておけ!熊かトナカイどもが食ってくれるだろうよ!」
鍛えられたこぶしで椅子の硬い肘掛をごつごつと殴る。
 大きな声をあげて殴りつづけているものだから、テーブルで食事をとっていた仲間とその守護動物は、驚いている。
「ねぇ、ジン」
「ネイヴィーがついていても、結局はやってることが変わらないとはな!あきれるわ、まったく!」
「ねぇ…話、聞いて頂戴よ」
ネイヴィーがいい加減にあきれ、彼の頬を思いっきり引っ張った。
「ひでで」
「あのね、ジン」
 ぱっ、と頬を離すと、いつもの穏やかな笑みを浮かべて、ジンの顔を覗き込んだ。
そこで初めて、ジンは彼女が何を持っているかを見た。
 食器に、毛皮に、毛布。
 食器は、外での冒険の際に持ち歩くものと同じ、安物の軽い木の皿であった。
毛皮は、イカルスで稀に手に入る、防寒に優れた毛皮であった。ふぶき荒れるレビアの外で行動ができるようにと作られた、ウィンターアンタゴンにも使われている素材である。
「何だその荷物は」
「まあまあ、話を聞いて頂戴。…とりあえず、来て貰えるかしら」
周りに仲間が数人いる事を確認すると、彼女は、周りに聞こえないように耳打ちした。
 不審に思いながらも、いつもと様子が違うことに、彼はおとなしくついていくことになった。
 そうして案内された先は、どういうわけか、ディースの部屋だった。
 あくまで仲間たちと主要メンバーが集まるための小屋にあるに過ぎないアジトだが、このアジトには、マスターや大体のオフィサーはここに部屋を持っていることになる。
とはいっても世界を旅する冒険者、オフィサーでもメンバーでも、数週間に一度、アジトに顔を見せればいいほうだ。

 だが、ギルドマスターのジン、そしてオフィサーのディース、ネイヴィー、シナモンは、このアジトにいる事が多い。
「入るわよ」
 彼女は、ドアを軽く二回たたいた。
中から返事はなかったが、人の気配がしたことで、彼女はかまわず扉を開けた。
 暗く、乱雑に物の置かれた部屋が、眼前に広がった。
入るとまっすぐにカーテンを締め切った窓が見え、窓際左に置かれた机には、やはり魔法書やゴミくずが散乱している。
そして、窓際の右側には、タンスや棚が置いてある。
そして部屋の中央に、どんと小さなベッドが置いてあるのだ。
 他にも物は置いてあるようだが、部屋には明かりがついておらず、黒い山がいくつか見えるだけであった。
そのベッドの上に、ディースはこちらに背を向けて座っていた。鎧を脱ぎ捨て、ハイネックのシャツにズボンという格好だった。
その脱ぎ捨てられた鎧も、床に散乱している。そこかしこに棚らしきものは置いてあるというのに、そこに置くということはしないようだ。
「お前、片付けるか掃除したらどうだ」
 ほこりっぽい部屋とこもったよどんだ空気に、ジンは窓を開けようと進んだところで、歩みを止めた。
ちょうどベッドの下、窓際側に、ちらりと、異物が見えたからである。
 それは、間違いなく人であった。
近寄ってみてみれば、それはあの青年である。
 リンドブルムと火山でやりあったときに、捕獲した盗賊、アイルである。
それが、床に転がっていた。
鎧は身に着けておらず、鎧の下にきていた黒服はびりびりに破かれ、そしてそこから見える肌は眼を覆うほどに傷つけられていた。
ズボンも所々破かれていて、それが鞭によるものだとわかったのは、胸に残る傷跡からだった。
「ディース」
ジンが口を開き、しかし続きを言おうとしたところで、ディースが遮った。
「言っておくが、死体じゃねぇぞ」
「何?」
 驚き、目を見開いた。
確かに、よく見てみれば胸は上下している。息をしているのだ。
部屋が暗くて、それ以外はよくわからない。
 カーテンを開けると、月明かりが入り、アイルと、ディースを照らした。
 アイルは、気を失っているようだった。
長い髪は床に投げ出され、後ろ手に麻縄で縛られている。胸は傷だらけであるが、少し治癒された痕があった。
 そして、彼の首には…

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