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北の芸能事務所 某北方劇団の握飯コンビ

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

某北方劇団の握飯コンビ
ちょっと前の写日記に萌えたんで書いてみた。

俯いた顔に、はらりと横髪が掛かっている。手を伸ばしてそっと避けてやると、彼は少し驚いた
ようにこちらを見て、柔らかく笑んだ。
コートのボタンを付け直す手は、淀みなく動いている。時々膝からずり落ちそうになる布地を
手繰り寄せる指は、精巧に造られた人形かと思うような白さだった。
少しでも触れたいと思ったら、もう駄目だった。細い手首を掴み、もう片方の手を腰に回して
引き寄せると、彼は戸惑ったようにこちらを見る。コートがはらりと床に落ちた。
茂、と耳元で囁くと、彼は恥じらうように俯いた。なんとも可愛らしい。
「陽ちゃん、」
独り言ともとれるような、本当に小さな呟きだったが、確かに彼が自分を呼ぶのが聞こえた。なに、
と聞き返すと、茂は躊躇いがちに顔を上げて、照れたように笑う。
「…好きだよ、陽ちゃん」

「…とかさあ!」
「なにそれ、気持ち悪い」
茂は心底嫌そうにそう吐き捨てると、美味そうに缶ビールを煽った。一方、俺は不慣れな裁縫に挑んで
大苦戦中だ。
隣に座ってくつろいでいる人物はこういうのが得意、というか手先が器用で、基本的に何でもこなして
しまうのだが、手伝ってはくれない。まあアドバイスしてくれるだけましか。
「素っ気ないねえ茂ちゃんは」
「俺が可愛らしく縫い物とかしてる画ってのもどうよ」
「…すごくいいと思う」
「…あほか…」
茂は呆れたように溜め息をついて立ち上がり、風呂入ってくるわと告げてリビングを出ていった。
ちょっとだけ耳が赤かったのは、俺の見間違いじゃない。
…はずだ。

「で、これか…」
ある程度は予想できていたが、O泉の裁縫の腕はそれはまあ酷いものだった。ついさっき脳天気に
鼻歌を歌いながら風呂場に入っていったが、これで大丈夫だとでも思っているのだろうか。
「とりあえずくっつけときゃいいだろ」とばかりに
付けられたボタンは、位置が少しずれていた。軽く引っ張ってみると、するすると糸が解けて、
あっけなく取れてしまう。呆れるのを通り越して、少し笑えた。
「…仕方ねえな…」


風呂から出てリビングに戻ると、茂がいなかった。トイレだろうか。
ソファーに座ろうとして、背凭れに無造作に掛けられていたコートを取ったときに気づいた。
買ったばかりの既製品かと思うほど、綺麗に付けられたボタン。
「…茂?」
俺が呼ぶのと殆ど同時に、茂がキッチンから姿を現した。両手にマグカップを持っている。
「コーヒー飲む?っていうかもう淹れちゃったけど」
茂がマグカップをテーブルに置く。
「茂、このコート…」
「ああ、あんまりにも酷かったから、付け直しといた」
茂はソファに腰掛け、マグカップに口をつけた。少し熱かったのか、すぐ口を離して小さく舌を出した。
「…さんきゅ、」
「うん」
俺は茂の隣に腰をおろして、マグカップを手にとった。温度をみてから口をつける。俺の好きな、濃いめの微糖だった。
どうしようもなくむずがゆい。丁寧に付けられたボタンとか、マグカップの中身とか、すぐ隣に座っている彼の気配とか。
「なあ、茂」
「ん?」
「俺やっぱお前のこと好きみたい」
告げると、茂は少し驚いたように目を見開いたが、次の瞬間には不敵に笑った。
「おう。知ってるよ」
大胆にもそう言い放った彼は、俺の妄想の中での彼のように素直ではなかったし、控えめでお淑やかでもなかったけれど、
やっぱり誰よりも可愛くて愛おしかった。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
タイトルとナンバー入れ忘れてたorz 
そして正月から何を書きこんでるんだ自分orz
江別は手先器用だと思うけどね。

皆様今年もよろしくお願いしますノシ


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