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地下室とイヤリング

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  某昭和の大スターとその周りの方々のお話
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  今回も精神的ベース×スター
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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古いが、豪奢な造りのビルのひとつに、地下室があるのは業界人の間では公然
の秘密になっていた。
その部屋が、何の目的で使われているかも。
ある者は好色な興味に目を凝らして覗き見ようとし、
ある者はその欲望を満たす招待を受け、嬉々として訪れ、
ある者は-----その欲望の対象として招かれ、恐怖と絶望と、それを上回る野心
に身を焦がして。
そして全てのものが、そこで同じ目的を果たす。
淫欲に埋もれた世界で。

両手を繋がれて、どれだけの時間が過ぎただろうか。
もう手の感覚はとっくになくなっている。
手首を纏められたロープは天井に吊り下げられている。
高さは膝をつく位の配慮はされているが、両腕を頭上に吊り上げられたその姿
は、審判を待つ古代の罪人を思い出させた。
項垂れていた顔を上げる。
目線を頭上に移すと、手首に布切れが纏わりついていた。
ああ、違うな。
あれは自分が身に着けていた衣服の残骸だ。
もうその面影は影も形もないが。
何かひどく滑稽で、思わず笑い声が漏れた。
下は普通に脱がせてくれたのかな。
それなら少しは助かるんだが。

「・・・・・ぁ・・・・・っ・・・・。」
急に激しく突き上げられて、思わず声が漏れた。
『何へらへら笑ってやがる』
耳元で獣じみた声が聞こえた。
『・・・・気にいらねえな』
髪を掴まれ、背後に回される。
欲望に澱んだ男の双眸に、一瞬身体が竦んだ。
それでも、拒否する身体を強引に引き寄せ、唇を乱暴に貪られる。
口内を思うままに相手の舌で犯され、唇を強く吸われる。
男の右手が彼の腿に伸びる。
存分にその感触を楽しむようにまさぐった後、大きく膝を開かせた。
「・・・・・・あぁぁぁぁぁぁっ・・・・・・。」
更に深く侵食してくる肉の感覚に、思わず唇を離して叫んだ。
喉元が震える。
背後から何度も突かれて、快感で前の雄がたち上がった。
先走りの液が、先端から床に零れ落ちる。
彼の足元に、淫猥な染みが点々と広がった。
それでも、相手は決して前には触れてこない。
自分で慰めたくとも、両手は使えない。
苦しさと悔しさで、目尻から涙があふれた。

『・・・・・やっと観念したか』
満足げに、男は微笑む。
獲物をいたぶって楽しんだ猟師のように。

『言ってみろよ』
わざと優しく、囁きかける。
『どうして欲しいか』
頬を伝う涙を、舌で拭い取る。
『ちゃんと言えたら、言うとおりにしてやるぜ』
彼はきつく目を閉じ、そして項垂れた。
「・・・・・・・イカして・・・・。」
涙が床に落ちた。
「このままじゃ・・・・辛くて・・・・・気が狂いそうだから・・・・・お願い。」
震える背中を何度も口付けながら、男は勝利者の笑みを浮かべた。
そろりと前に右手を伸ばす。
「・・・・・ああ・・・・・。」
やんわりと握りこまれて、柔らかい快感に声が漏れた。
唇が震える。
あふれ出したに漏れた先走りが、相手の右手をしとどに濡らした。
「もっと・・・・。」
たまらず自分で腰を動かす。
手で慰められる快感に、熱っぽい吐息が荒くなる。
腰の動きが自然に激しくなっていく。
男は興味深げに彼の痴態を眺めていた。
「・・・・・・あ・・・・・・あ・・・・・・もう・・・・・・。」
絶頂が近い。
うねらせる様に何度も腰を打ち付ける。
途端に、身体が大きく仰け反った。
「・・・・・・っぁぁ・・・・・っ・・・・・・!。」
二度、三度、白い液体が先端から飛び散る。

勢いづいた飛沫は腹に、胸に、白い跡を付けた。
達した安堵で身体の力が抜ける。
項垂れた顔には、満足げな表情が浮かんでいた。
『公開オナニーショーか』
嘲りのまじった笑い声に、火照った身体が冷えていく。
『楽しませてもらったぜ』
思わず相手を睨み付ける。
彼の視線を冷笑で受け止めながら、男は腰を大きく引き寄せた。
「・・・・・あ・・・・・やぁ・・・・っ。」
射精の余韻が残る身体に、何度も打ち込まれる熱い楔。
思惑とは裏腹に、身体が再び熱を持ち始める。
濡れ光る陰茎が、再びたちあがり始めた。
『・・・・・すごいな』
感嘆のため息が漏れる。
男の両腕が腰に回る。
男の動きが早くなっていった。
荒い息遣いで囁かれる。
『こんな淫売みたいな身体で』
『こんな男を誘う身体で』

『どんな風にお前は、奥さんを抱くんだろうなぁ』

抉る様に腰を打ち付けて、男は達した。
激しい息遣いに、忍び笑いをもらして。
彼の手首は擦れて、血がにじんでいた。
蒼白の顔に、噛み締めた唇だけが赤く滲んでいた。

彼の心そのもののように。

男の気配が消えても、彼はそのままにうち捨てられた。
項垂れたまま、ぼんやりと床の染みを眺めている。
痛みと、疲労が思考を遮断していた。

どうでもいい
いっそこのまま
わすれさられても

『・・・・・・見下げた姿だな』
見知った声に、思わず顔をあげた。
冷徹な双眸が、彼の姿を映している。
思わず、笑みが浮かんだ。
『・・・・・何がおかしい』
「・・・・・心配?」
『当然だ』
彼の側まで歩み寄り、両腕の拘束をとる。
途端に床に崩れ落ちる彼を、淡々と見詰めた。
『「商品」を大事に思わない社長が、どこにいる』
冷淡に答える。
何の情も見出さない声で。
「・・・・・そっか・・・・・」
震える両手を見詰めながら、彼は微笑んだ。
「・・・・・おおきに・・・・」
その言葉に、眉をひそめて背中を向けた。

動揺を悟られないように、愛飲の煙草に手をやる。
『・・・・・しかし、解せんな。』
「何が。」
口にくわえ、火をつけた。
『・・・・・今回の事は、お前が出張ることではあるまい。』
深く息を吸い込み、肺に香りを満たす。
『・・・・・・・餞別か?仲間の』
彼は男の背中に振り返る、寝そべったまま。
『・・・・・・・そこまでしてやる義理が、その男にはあるのか?』
「あるよ。」
事も無く言われた言葉に、男は紫煙をそよがせた。
「ずっと一緒におった仲間やから、何かしてやりたいと思うのは人情やろ?」
男の口元に笑みが走る。
『仲間・・・・・か。』
再び煙草をくわえる。
『その為にお前は身体をはるのか・・・・その者の後の道程を行き易くする為
に。』
苦い息を、ため息と共に吐き出した。
『誰も知られずに』
男は煙草を床に落とした。
仕立ての良さそうな靴で踏みつける。
『それでお前は、満足なのか?』
「・・・・うん。」
目を閉じて、彼は答えた。
満足げな笑みが、その顔に浮かんでいた。
とろとろと意識が霞を帯びてくる。

緊張と疲労に苛まれた身体が、休息を求めていた。
小さな寝息が、男の背中から聞こえてきた。
男はため息一つつくと、自分のスーツのジャケットを脱いで、彼の身体を包み
込んだ。
彼の寝顔は、笑ったままだった。
『・・・・・本当に、こいつだけは解らん。』
心底困ったような声が、男から漏れた。

夜が更けていく。

きらびやかなイルミネーションで彩られた高級宝飾店。
普段なら、自分は絶対足を踏み入れないような場所で、男は右往左往していた。
ガラス越しに展示された、色とりどりの装飾具たち。
ケージに手を触れるのも躊躇われる。
「・・・・・・こんなの身に着けてたんか、あいつは。」
眩暈がするような値段に、改めて彼のすごさを痛感していた。

華やかな美貌を持つものには、華やかな装いがよく似合う。
そう言われて、彼が左耳にイヤリングを身に着けるようになって数年がたつ。
最初は乗り気でなかった彼も、今ではそれが自分を彩る武器だと認識したよう
で、美しい装飾を左耳に飾り、人々に見せ付けている。
「・・・・・大したやっちゃ、ほんまに。」
苦笑と共に、一人ごちる。

自分と出会った頃の彼は、飾るものなど何一つも持たない、あどけない少年だ
った。
それをこの場所に連れて来たのは、自分だ。
でも自分は、それだけだ。
そして彼は、もう自分の手を離れて、さらに大きな舞台へ羽ばたこうとしてい
る。

視線をウィンドーに移す
綺羅らかな装飾たち。
自分には必要ないものだ。
必要ないのだ、俺は、彼には、もう。
だから、彼の元から離れる。そう決めた。
だから、最後だけ。
自分が選んだイヤリングで、彼を飾れたら。
そう思って、何度も店を出入りしている。
「・・・・・まいったなあ・・・・。」
両手で髪をかき回す。
それが、こんな難解なことになろうとは。

「お客様?」
見かねた店員が彼の背中に声をかけた。
大仰に飛び跳ねる。
「・・・・・何か・・・・・お探しですか?」
店員に振り返り、しどろもどろに答える。
「え・・・・・あ・・・・・の・・・・・・イヤリングを・・・・・。」
「イヤリングですか」

優しく微笑んで、店員はショーケースから一つを取り出す。
それは、白い真珠で彩られた美しいものだった。
「こちらなど、お値打ちになってますが」
優しく微笑まれて、男は困ったような笑いを浮かべた。
「・・・・・いくらですか?」
決まり悪そうに問いかける。
店員が答えた値段は、奇跡的に男の常識の範囲を微かに超えた所だった。
しばしの考察の後、清水の舞台から降りる覚悟で、男は財布を空けた。
「プレゼントで、お願いします。」
「かしこまりました」
商品を包装しながら、屈託無く店員は問いかけた。
「・・・彼女へのプレゼントですか?」
「へ?」
呆然とする男をよそに、店員は笑う。
「きっと喜ばれますよ、こんな綺麗なイヤリングなら。」
「え・・・・・と・・・・・・。」
答えに詰まる姿を照れと捉えたのか、店員は男に包みを渡すと、丁寧に頭を下
げた。
「又相談に乗りますから、いつでもお越しくださいね。」
にこやかな笑顔に見送られながら、男はぎくしゃくと店を後にした。
モノがモノだけに仕方がないとはいえ、最後まで誤解されたままで終わってし
まった。
店員の優しさを思うと、気の毒な気持ちも浮かんでくる。

「・・・・・・まあ、ええか。」
右手の包みを見て、笑みが浮かぶ。

このイヤリング、あいつならきっと似合うだろう。
俺から渡されて、あいつはどんな顔するだろうか、

困るだろうか、
笑うだろうか、

・・・喜んで、くれるだろうか。

「さて、と。」
少し遅いけど、あいつの家に行こう。
何も出来なかった俺の、
最後の餞別を届けに。
心なしか、歩く足取りも軽くなった。

同じ夜、同じ人を想いながら、
すれ違う
お互いの心。

 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ネタガマンネリカシテルナア
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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