渇仰
更新日: 2011-05-03 (火) 23:35:32
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| モ//怪・異端な薬売り→ハイパー。
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| こんなのもアリと思って貰えれば僥倖。
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| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ エロハナシダコルァ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
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「…本気か」
「…本気、ですよ」
どことも知れぬ空間、闇色に包まれたそこは先が見えず無限に広がっている
ようにも思えるが、声はやたらと篭もって狭い密室にも思える。地面と空中の
境界線もないので、自分が立っているのか浮かんでいるのかさえ定かではなかった。
低く無感情な声に真意を問われ、薬売りは僅かに口端を吊り上げる。
迷う素振りさえ見せないその返答に、目の前の人影は訝るようにその目を
覗き込む。
嘘などいとも容易く貫いてしまうその視線にも、怖気づくことなく返る視線は
ただひたすらに真っ直ぐだった。
「我と契れば、お前は人の形を失う。我の望むまま物の怪を斬るため、
輪廻の輪さえ外れて彷徨う事になるのだぞ」
形と、真と、理。これから永い時を刻む真、自らの内に潜めたたった一つの理。
それに比べたら、形を失う程度のことがどうだと言うのだ。
「構いません、よ…」
またも躊躇いの欠片さえない返答、彼が呼吸をしていたら、深い溜息の一つ
でも零していただろうか。
「…もう現世(うつしよ)で逢う事は叶わぬぞ」
「全て承知の上…」
感情など灯るはずのない目に、一瞬迷いのようなものが見えたのは驕りだろう。
褐色の力強い腕に引き寄せられ、最後の口付けを交わす。
彼がヒトに近い姿をとってくれた事に感謝した。
合わせた唇は熱さも冷たさも感じなかったが、ただ思いのほか柔らかいと、
薬売りは見当違いな感想を持った。
金色の隈取が奔流のように、腕から、唇から、脚から、触れた部分全てから
入り込んで来る。
力の証でもあるそれは、ヒトが受け入れるには余りに大きすぎて、全身が侵されて
いくようだった。まるで身一つで大海原に投げ出され、海水を全て飲み干せと
言われているようだ。
「…あ、…ぁ…」
引き攣る声を絞り出すと同時、耳は尖り、全身の至るところに赤い隈取が走り
現れていく。身体が目になってしまったかのように、ありえないところまで視界が広がる。
いつの間にか、あるのかどうかすら分からない地面に膝と手をついていた。
姿の見えなくなった彼の気配はみるみる薄くなり、自分という器の中に蕩けていく。
固い音がして、ついた手の先に短い剣が落ちた。
これで。
これで。
まだ整わぬ息の中、薬売りは笑った。声はなかった。
彼の存在が、確かに自分の内に在る。
人と神が相容れぬものだというなら。
私のものにならないというのなら。
二度と現世で会えずとも良い、触れ合えずとも良い。
他の誰のものにもならないよう、幽閉してしまおう。
私という檻に。
これで、私が生きている限り、貴方は誰のものにもならない。
突如視界が開けて、失われていた五感が戻ってくるような錯覚を覚える。
自分が先程まで立っていた大木の根元に座り込んでいる事に気付いた。
木の葉を通して幾らか和らいだ日差しや、遠くで響く鳥の声や、木々を揺らし
遊んでいく風も、何も変わっていない。変わったのは己のみだった。
傍らに置いていた薬箱、いつの間にか握り締めていた剣を棚の一つに仕舞い
こもうとしたところで、柄についた小鬼のような顔がかたかたと動いた。
笑っているように見える。
『お前もこれで、ヒトから見れば立派な物の怪だな』
頭に直接響く声は、彼のものだった。
笑みを模る紅の下で、色の無い薬売りの唇が本当の笑みを浮かべる。
穏やかともいえた。
「いえ、…私はただの、薬売りですよ」
愚かにも神に焦がれた、ただの、薬売り。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 捏造しすぎた。今は反省している
| | | | ピッ (・∀・ )
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最初のナンバリング間違えた…正しくは1/3です。
自分焦りすぎだ。すみません。
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