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運盗人

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「運盗人(要英訳)」より、名加藤×優勢。
突如ネタが降りてきた。読切の記憶は曖昧…

 バカやって暴れ回ってた頃、酔った勢いだったか何かで一線を越えて以来、
この関係は途切れ途切れに続いている。「仲間」から、「雇用主と従業員」
あるいは「仲介役と仕事人」に変わっていった俺たちの関係。その陰にある、
もうひとつの関係。
 愛している訳でもない――親愛の情なら少なからず無いこともないが――
男を抱くのは、所謂相性というヤツか。女でなく、無性にこの男が欲しくなる瞬間、
というものがある。

 ここ数年、優勢の身体から女の香りは全くしない。全身全霊掛けて愛した
女を失ったこいつは、二度と女を抱かないのかもしれない。あの時以来、
こいつの全身全霊はあの子に向けられるばかり。

 そこかしこを探るように撫でながら、衣服を取り払っていく。
 抑え気味の嬌声、持て余したように額に載せられた片手。毎度のように、
誘うでもなく、抗うでもなく。
 それでも、普段とトーンの違う声で上がる喘ぎや、紅潮した頬、快楽で微かに
歪んだ顔、全てこちらを飽きさせない。今も、下半身に直結するような興奮を
煽ってくる。
 下着も脱がせたところで、ほとんど密着していた身体を起こし、組み敷いた男を
まじまじと見下ろす。
「……ぁんだよ。視姦のつもりかっての」
 短くはない付き合いの中、大概のことはとうに試した。この程度で視姦
といっても、こいつには大して効かないなんてことは、承知の上。ただ、
今更ながらふと思うことがあっただけ。
「素っ裸に手袋だけ、ってのは、なかなかエロいよなあ」
「あ?」
 もともと色素のやや薄い瞳と体毛、加えて日に焼けておらず白い肌。
色褪せたように白っぽい全体に、皮手袋だけが黒。
「女子高生の靴下だけ脱がさねえ、ってのあるだろ?あれみたいなもんかね」

 優勢はあからさまに顔を顰める。
「いつから変態になったんだ、テメエ。手袋フェチかよ」
「だとしたら、お前のせいだぜ?」
 殺し文句めいた台詞に合わせ、嘘臭さを隠さず気取った笑みを向けてやった。
 優勢の眉間の皺は一層深くなる。
「下らねえこと言ってっと、これ外してやるからな」
 鼻先に拳の形の皮手袋を突き付けられた。
「腹上死か。悪くねえなあ」
 笑いながら、その手をとった。こちらにとってもあちらにとっても最後の砦、
皮手袋を引き抜く。
 怯えたように、微かに身を強張らせた優勢。
 露わになった手首から先は、全く日に焼けていないため、一際白い。
細長く骨張った指に口付ける。the kiss of death …破滅をもたらすもの……
この口付けで吸い取られる運は如何程か。
「…やめろよ。んな死に方されたら、夢見が悪くなるに決まってんだろ」
 心なしか威勢の欠けた声で悪態を吐き、手首を捕らえていたこちらの手を
振り払う。手袋も奪い返された。
 憮然とした表情で手袋を嵌め直す優勢の顎を捕らえ、唇を奪う。舌でなぞれば、
受け入れるようにその唇が隙間を開けた。そこに差し入れた舌を相手のそれと
絡ませ、顎の内側を舐め回す。
「ふ…はぁっ……ん、ふっ…」
「……っは…」
 互いに互いの唇を散々貪ってから、揃って少し上がった息の合間、耳元で
忍び笑い混じりに囁く。

「どうせ殺されるなら、一生覚えててもらいたいもんだけどな?」
 こいつが運を奪って殺してきた奴等と同列に並ぶのは、御免だ。

 短くない付き合い、今まで奪われずに済んでいるのは、こいつも少なからず
こちらに情を感じているから、そう思っても、見当違いではないだろう。むしろ、
見当違いではない、と思いたいのかもしれない。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
一ヶ月が長いなぁ…


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