かわいいあなた
更新日: 2011-05-03 (火) 21:47:50
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| も/や/し/も/ん 蛍→直.保
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| アニメ4話直後のお話だって
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生まれながらに菌が見えるという特殊な能力を持っている沢.木.直.保は、入院が大嫌いだ。
病院には様々な患者が訪れ、出来ればお目にかかりたくない菌を平気で撒き散らしていく。
下手に菌が見えるせいで、直.保にとって療養を目的としている筈の入院は、拷問に等しい。
だが、幸い大した病気ではなかったので、すぐに退院出来たが唯一の救いだった。
まだ暮らし始めて一ヶ月程度しか経っていないアパートなのに、不思議と懐かしく感じる。
生活感の欠片もない病室とは違って、綺麗とは言いがたいが生活感が溢れているからだろう。
「やっぱ自分の部屋が一番だなぁ」
直.保は入院中からずっと強張らせていた顔の筋肉を漸く緩めて、しみじみと呟いた。
開放感を象徴するかのように、直.保は床に鞄を置いて、畳の上にゴロリと寝転がる。
大きく深呼吸をし、消毒臭くない家の匂いをめいっぱい吸い込んだ。
「ほんと沢.木は病院が嫌いなんだね」
退院の付き添いをしてくれた直.保の幼馴染である蛍は
やっと綻んだ直.保の表情を見てクスリと苦笑を漏らした。
病院内でずっと刻まれていた皺はすっかりなくなり、いつもの直.保の顔に戻ったことで
蛍にもやっと、直.保が退院したのだという実感が湧く。
蛍はほっと一息つくと、肩の力を抜いて直.保の横に胡坐を抱えて座り込んだ。
「蛍だって菌が見えるようになったら、病院なんて行きたくなくなるって」
「残念だけどその気持ち、一生理解出来そうにないよ」
「………………だな」
蛍は肩を竦めてさらりと受け流すと、直.保が少し拗ねたように口を尖らせた。
大学生にもなってもまだ、彼は時折こうして子供っぽい仕草を見せる。
髪の毛を安っぽい金髪に変えても、それは昔と何ひとつ変わらない。
変わったのは、僕の心。
今こうして、沢.木を見守る視線に特別な感情を含ませるようになったのは、いつからだっただろうか。
幼い頃から、沢.木は力のせいで友達が少なかった。
だが僕は、物心ついた頃から彼と一緒だったせいか
それに対して気味が悪いなどと思ったことは一度もない。
沢.木にとって僕は、力を知った上で一緒にいてくれる数少ない存在だ。
だから彼も僕を頼り、無条件に信頼を寄せてくる。
彼に頼って貰えることに優越感を覚えたが
大人になるにつれて、それだけでは物足りなくなってきた。
高校にあがった頃には、この何とも言いようのない感情の正体に気づいてはいた。
幾度となく、気のせいだと己を否定してみても
童顔というに相応しいあどけない沢.木の顔や、自分の名を呼ぶ少し高めの声
沢.木を包む全ての要素の前では、全てが無駄に終わる。
どう足掻いたところで、僕は沢.木が好きなのだ。
蛍の横で寝転がったままの直.保は、視線を宙に彷徨わせ
すうっと手を伸ばし、指先で何かを摘む仕草をした。
幼い頃から散々見慣れた光景だ。
彼は蛍がどう目を凝らしても見えない菌を、いとも簡単に摘み上げる。
すぅっと目を細めて、穏やかな表情で指先を見つめていた。
心の中で菌に対して『ただいま』とでも言っているのだろうか。
そこは、蛍がどう足掻いても届かない、直.保だけの領域。
ずっと傍にいたのに、ずっと想っていたのに。
沢.木が自分の力に対して思い悩んでいても、力になってやれない自分が歯がゆい。
僕も沢.木のような力があったら、彼の全てを理解してあげられるのだろうか。
彼だけの領域に踏み込んで行けただろうか。
だが、そんな空想論に浸っていても仕方がない。
ただ、これだけは言える。
僕は情けない事に、そこらじゅうに蔓延する無数の菌に嫉妬しているのだ。
視線を、隣に寝そべっている直.保に向けると
蛍の思考を他所に、彼は指先で何かをつついたりするような仕草をして微笑む。
彼と、僕の見えない菌達だけが共有する時間。
目の前に僕がいるのに、僕だけが疎外された気分に陥った。
自分だけを蚊帳の外に追い出して、穏やかな時間を過ごしている彼らを見ていると腹立たしい。
目の前にいるのは、誰なのか。
沢木を大事にしているのは誰なのか。
それを沢.木に思い知らせてやりたい。
だが、それは諸刃の剣。
想いを告げたら、幼馴染というぬるま湯のような関係が破綻するのは、火を見るより明らかである。
蛍は今まで築き上げてきた関係が崩れてしまうのが怖くて
己の抱く感情を沢.木に告げず、親友として側にいることを選んだのだ。
だけどもう限界だった。
蛍はおもむろに、菌を掴んでいるであろう直.保の手を取って馬乗りになった。
「うわっ、蛍っ!どうしたんだよ!?」
突然圧し掛かってきた蛍に、当然ながら直.保は驚き、抗議の声をあげる。
「ねぇ沢.木。今、君の目の前にいるのは、菌だけ?」
「何言っ……」
自分の視線を捕らえる幼馴染の黒曜石のような瞳は、ひどく真剣な色を湛え
肩を押さえ込む両手が小さく震えているのに気づいて、直.保は言葉を失い困惑する。
蛍が冗談でこういう事をするような人間ではないのは、直.保が一番よく知っている。
徐々に近迫り来る蛍の顔は、瞬きをするのも惜しい程整っていて、直.保は思わず見惚れてしまう。
蛍の憂いを含んだような表情をこうして間近にすると
中性的な雰囲気を纏っているのだと、改めて思い知らされた。
女っぽいという言葉は蛍にとって禁句ではあるが
これだけ至近距離で整った容貌を見せ付けられては
幼馴染ですら、動揺を隠せないのは無理もない。
すぅっと伏せられた瞳が妙に色っぽく、直.保はらしくなく心臓を高鳴らせた。
あ、こいつ、睫毛長げぇ…………
今更ながらに新しい発見をした瞬間
直.保の無防備な唇に暖かくて柔らかいものが触れた。
「っ!!」
その正体に気づいた途端、直.保は慌てて身を捩って逃げようともがく。
だが、両肩を掴んでいる手は思いのほか強く振りほどけなかった。
顔の割には物凄い力で、まんまと直.保を捉えた蛍は
強引に唇を舌で割って、唇よりも熱い口腔内に進入を果たし
驚き戸惑う彼の舌をいとも簡単に捕らえた。
「んんっ!!」
己の舌に絡んでくる軟体動物に、直.保は躯を振るわせた。
蛍の舌は口腔内で器用に蠢き、逃げ惑う舌を捕らえては、絡めて吸い上げる。
直保は余りの唐突な出来事に、これがファーストキスだという事実に気づくまでに時間が掛かった。
キスに慣れていない二人は鼻だけでは上手く呼吸する事が出来ず
息苦しくなってとうとう、蛍は直.保の唇を解放した。
ゼロだった距離が離れた瞬間、名残惜しそうに銀糸が互いを結ぶ。
それは、蛍自身の未練でもあるかのように。
「け、蛍……お前……っ」
直.保は呼吸困難に陥ったせいなのか、それともキスという行為のせいなのか定かではないが
顔を真っ赤にしたまま、掌でぐいっと唇を拭った。
だが直.保の言葉を遮ったのは、キスの直後とは思えない程
恐ろしいまでに静かな蛍の声であった。
「…………僕は、君にしか見えない奴らなんかに負けない」
衝動的にとはいえキスという行為に及び、静かに言い放った蛍に激しい後悔の念が押し寄せる。
何故こんなことをしてしまったのか。
蛍は馬乗りの体勢のまま、直.保の唾液で濡れた唇をきゅっと噛み締めた。
いくら後悔をしてみても、もう後戻りは出来ないのだ。
だが蛍の頭の中は真っ白になってしまい、次に紡ぐ言葉が思い当たらない。
直.保も呆然と蛍を見上げたまま、呆然としたままだった。
二人は暫くの間黙り込んでしまい、周囲の空気も硬直してしまった。
先に口を開いたのは、直.保だった。
直.保は、視界を少しだけ遮る自分の前髪をかきあげ
目の前をクリアにしてから恐る恐るといった風に声を掛けた。
「な、なぁ蛍……それってさぁ………………やきもち?」
直.保の言葉を聞いた瞬間、蛍の頬は朱色に染まった。
強引に唇を合わせてきた前後も、普段通りの表情だったのに
己の嫉妬を指摘された途端に、みるみるうちに顔色が変わっていく。
どこかズレた蛍の基準がおかしくて、直.保は思わず吹き出してしまった。
「ぷぷっ……」
「な、何がおかしいっ!」
終いには茹でタコの如く耳まで真っ赤にした蛍が
いくら声を荒げた所で効果などありはしない。
「だってお前、カワイイんだもん……くくくっ」
「カワイイって言うなよ…………」
目に涙を浮かべてまで爆笑する沢木に、蛍は心底悔しそうに呟いた。
それがまた、直.保に更なる爆笑の起爆剤となり
隣室にまで響きそうな大声で笑い転げた。
先程まで室内に蔓延していた重苦しい空気は何処へやら。
何だか、上手いこと直.保に丸め込まれたような気がする。
蛍は釈然としなかったが、今はとてもじゃないが自分の想いを伝えるようなムードではない。
でも、直.保は未だに馬乗りのままでいる蛍から逃げようともしないし
自分を軽蔑するような態度も一切示さない。
これは、前向きに捕らえていいものだろうか?
その答えが出るのには、まだ少し時間が掛かりそうだった。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 原作未読でスマンカッタ
| | | | ピッ (・∀・ )
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さっき6話を見たらこの話の設定崩壊/(^o^)\ナンテコッタ
捏造気味だけどまだまだ順調に蛍直にかもされているので
気が向いたら今度はエロ投下しにきます
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