夢現
更新日: 2011-04-26 (火) 11:53:49
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| 今日はモのの怪モナ~
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| ハイパーx薬売り エロはナシ
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| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ビクビク
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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初秋の月夜。
月を照り返す川の水面を一瞥する。街から外れたこの界隈は人気もなく、虫の声と川のせせらぎ、時折響く獣の声以外は静かなものだった。
今日はここで野宿をしようと薬売りは道をはずれたところにある大木の木陰に身を寄せ、背に負った薬箱を草の上に降ろした。
今のところ金には困っていない。街まで行きどこかで宿をとろうかとも思ったが、人の気配が煩わしく感じることもあるのだ。幸いまだ野宿の辛い季節でもないし、今後何があるともわからない。節約しておくに越したことはないだろう。
一日薬箱を背負い疲れた肩を回し帯を解く。上に羽織った着物だけを脱ぎ落とし帯と一緒くたにしてなおざりに薬箱にかける。
頭に巻いた手ぬぐいを取り去ると、思わぬ長さの髪が背に流れた。拘束から開放された毛穴がぴりりと痛むのを指の腹で撫でつけ宥める。
足袋を取り去った足を川の水に浸して酷使による火照りを冷ましながら手遊びに髪を梳いた。
しばらくし、唐突に響いた鳥の声を合図に浅瀬から上がった薬売りは草の上に腰を下ろし木に背を預けた。身じろぎをし、心地よく眠れる体勢を探し当てる。
視界の端に己の指先が入る。左の薬指の爪が小さく剥げているのに気づき、あぁ、また塗りなおさないと、などとぼんやりと思いながら瞼を下ろした。
寝ようと決めればそこに落ちるのは一瞬で事足りる。
深く吸い込んだ息を吐き終わる前に薬売りの意識は睡魔へ明け渡された。
さらりと頬に何かが当たる感触に意識は覚醒したが、瞼を上げるのが面倒だった。
夢と現の狭間。それがわかっているから慌てて目を開く必要などない。
腹の上に男の腕が乗っており、背中は男の胸に支えられている。
ふわりと空気が動く気配がし、耳の上辺りに触れた手がゆっくりとした動きで髪を梳いて落ちていく。動きに合わせて、馴染んだ鈴の音が微かに鼓膜を震わせる。
何度も同じ呼吸で繰り返される動きをぼんやりと、気配だけで追う。
物の怪を退治する時の激しい様からは想像もできないようなその柔らかな動きに、薬売りは含み笑いを漏らした。
瞼を上げると、髪を梳いていた手が腹の上へ置かれ、両手が組み合わされるところだった。その上へ己の左手を置き、指でとんとんと拍子をとる。
「たまにはぐっすりと寝かせてくれませんかね」
またさらりと音を立て、光を放ち闇に浮かび上がるように見える髪が頬を撫でる。肩へ置かれた男の横顔を横目で捉え詰った。
褐色の横顔がかすかに身じろぎ、ふっ、と息を漏らす。
左手を取られやわやわと握りこまれる。
「夢を見ようとここにいようと、体は休んでいる。違いなど無い」
己のそれと同じだが、僅かに抑えられ低く発音される声。
吐息が首筋をくすぐりながら移動し、薬売りの耳朶を飾る赤い石を食む。
冷たい唇の温度に肩をすくめた薬売りは一呼吸置いてから息を吐き出して緩く首を振った。
「爪が剥げている」
薬売りの腹に回された腕にぐ、と力がこもり、更に密着を増す。
顎を弱い力で掴まれ仰のいた首筋にぽつぽつと落とされる冷たい感触を甘受する。
「気疲れ、するんですよ。肉体的な問題ではなく」
首筋から顎を辿り薬売りの唇に微かに触れたところで彼の唇は動きを止めた。
「憎まれ口を」
青い舌が形を確認するようにゆっくりと薬売りの唇を辿る。
獲物を目の前にし、舌なめずりをする捕食者のようなその動きに、薬売りの背筋を怖気とも高揚とも取れるような震えがざわざわとせり上がる。
間近にありすぎて水面に映る月のようにぼんやりとしか形を捉えられぬ金色の目。その奥の虹彩がきゅっとすぼまり、瞼が皮肉気に細められる。
顎を捉えていた手が瞼の上に置かれ、視界を封じられる。
「何を嘯く必要がある」
かすれた囁きが暗闇に落とされる。
唾液をまとった薬売りの唇の上を、囁く唇がぬるりと滑っていく。夢現とも思えぬ生々しい感触に唇を引き結べば笑みを刻んだ男のそれが押し付けられた。
冷たい舌が唇を割って進入するのを受け入れる。
唇の内側を舐め、歯列を確認するように辿る。無意識に逃げる舌を撫でられると、吐き出せぬ息が喉を鳴らした。
冷たい舌は薬売りの体温で温まるでもなく、じりじりと口内を焼いていく。その感覚に焦れて自ら男の舌を吸い、唾液を飲み込んだ。
引き倒され、覆いかぶさる男を見上げる。
「お前が望まなければ」
男が言葉を紡ぐ間にもその背からはさらりさらりと銀の髪が流れ、薬売りの左右へと落ちていく。
伸ばされた手が薬売りの額を覆う髪を払い、輪郭を辿る。
「俺は夢現にすら現れることも出来な」
もういいと、男の首筋を引き寄せる。上下左右、全てを銀糸に包まれ閉じ込められる。
「わかっていますよ。俺が望んだと言うことなど」
男の重みを受け、薬売りは口角を引き上げると男に許しを与えるべく言葉を繋いだ。
だから思う様、この身を掻き抱けばいい。
「今、あなたが欲しい」
薬売りへ責任転嫁をせねば己の欲を打ち明けることすら出来ぬ小さな矜持。それを愛しく感じ、更に言い訳まで与えてやる己のなんと絆されたことか。
男の腕が体を包み力をこめる感触にこの先を予感し、吐息を漏らす。銀糸に鼻先を埋め、背を弄る男の手の甲に浮かぶ筋を思い描く。
「わかっているんですよ?」
ふと嗜虐的な心持になり男に囁いた。
聴こえぬと言わんばかりに返事もせず手を蠢かせる男に、薬売りは笑みを深くしながら構わず続ける。
あなたも望んでいると言うことなど、わかりきっていると。たまには告げて、思い知らせてやるのもまた一興。
「何を嘯く必要が?」
揶揄するように喉を鳴らす薬売りの笑みを、性急な仕草で冷たい唇が強引に塞いだ。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 一個上のは4/4だよ… 名前入れ忘れゴメン
| | | | ピッ (・∀・ )
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萌えが高じて文書きでもないのに思わず書き殴ってしまいました。。
お目汚し失礼しました。
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