谷&丘
更新日: 2011-05-02 (月) 20:20:21
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| 調子にのってもう一回上映だモナ
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 数字お笑いコンビの妄想垂れ流しだモナ
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机の上で、携帯がブルブルと跳ねた。谷部は瞬きをひとつして、のっそりと起き上がる。
しんどそうに、時計を確認する。午前3時。
こんな時間に誰や?
静かになった携帯を取り上げた。着信アリ、相方。
「…?イタズラ?」
不思議に思ってリダイヤルする。5秒、10秒…20秒…
「……もしもし?」くぐもった丘村さんの声。
「はよ、出ろや!こんな時間に連絡いれておいて…」
すまん、といったかどうかの咳き込んだ声が携帯の向こうから聞こえてきた。
「…咳き…か?大丈夫か?」
尋常じゃない丘村さんの咳きに谷部は眉をひそめた。
「すまん、色々電話して…でも全然誰にも…つながらんくて…」
「おお」
「そいで、…おまえはもう寝てる思ったんやけど…ちょっと洒落にならん状態で…」
「この前の風邪か?」
「しんどいねん、なんか。体温計ないねんけど…たぶん、寒いっつうのは…ごっつ熱あんねんな。たぶん」
弱々しい丘村さんの声は今にも消え入りそうだ。
「わかった。今からそっち向かうわ」
谷部は立ち上がってジーンズを椅子から取り上げた。
「すまん。……大丈夫か?今、ひとりか?」
「ひとりや。…アホ、いらん心配すんなや、ほんだらな」
ひどい状態なら、病院に連れていかなければならない。谷部は着替えをすませ、とりあえず体温計を掴んで車に向かった。
ドアベルを3回押したところで、ガチャリとドアが開いた。
「大丈夫か?」
ゴホゴホと咳き込みながら、丘村さんは「すまん」といってまたくしゃみをした。
「はよ、ベッドに戻れ。俺はいいから」
小さい背中を押して、廊下を進んだ。
「夕飯は食べたんか?なんか。…とりあえず、体温計は持ってきたで」
谷部はジーンズのポケットから体温計をだすと、丘村さんに手渡した。
「すまん、ほんまに…面倒のかかる相方で…」そういって丘村さんの小さい手は体温計を掴んで布団の中に消えた。
熱のせいで上気した顔の丘村さんは、子供のようで、とても弱い存在にみえて。
東京で、まだ誰も信じられんといって、独りで戦ってる。
「たまには俺を頼れ」ボソっとつぶやいた声は丘村さんには届かなかった。
「せやけど、お前、体温計は置いておいたほうがええな」
「そやな…」
「薬、飲んだんか。何も食べてへんの?」
「いや、ジュースと、適当に冷凍のもの…」
ピピっと体温計が鳴った。丘村さんはおそるおそる、脇を覗き込んだ。
「どない?」谷部の問いかけに。
丘村さんは申し訳なさそうに、もじもじした。
「どないやねん?病院行くか?どんな感じ?」谷部が体温計をひったくると。
「すまん、谷部さん…」
「7度3分~~~~??!」
丘村さんの体温は微熱といってもいいほどだった。谷部は溜息を盛大につくと、床にへたりこんだ。
「なんやねんな、おまえ~~~」
「すまん!!でも、怖かってん!汗、ぎょうさん出とるしやな!めちゃサブイボでてきて!」
「熱ないやんか!何が洒落にならん状態やねん!こっちのほうが洒落になっとらんわ!」
「だからすまん言うてるやろ!」そうしてまたくしゃみを3連発。
谷部はティッシュの箱を丘村さんのほうに投げてやった。丘村さんの鼻をかむ音を聞きながら。
「いつも思うけどな、お前の部屋空気悪いねん。換気してないやろ?窓も開けんと。ヤニくさいねん」
「うるさい」
「空気悪いから、風邪ひいたりすんねんで」
丘村さんは布団から顔を半分だすと、谷部を睨んだ。
「今日はすいませんでした。もう帰ってええですよ」完全にスネてしまったようだ。
「もうええよ。これから熱でるかもわからんし」
泊まっていくわ、といって谷部は部屋の隅のソファーに横になった。
「勝手にしいや」
そういって丘村さんは布団に潜り込んだ。
少したって、布団の中からちいさな声で、ありがとうな、と聞こえてきた。
谷部は小さく笑うと、うとうとと眠りに落ちていった。
明け方、ぜえぜえと苦しそうな呼吸音で谷部は目覚めた。
やばい、悪化しとるか?
丘村さんは昨日よりも、苦しげな息で眠っていた。額に玉の汗が光っている。
「これは逆に冷えるな…」呟いて、洗面所に向かうと、タオルを濡らして戻ってきた。
額の汗を拭いてやると、丘村さんはむずがゆそうに首を振った。
「うわ、シャツもビチャビチャやん…」
ちょっと失礼するで…小さな声でいうと、シャツのボタンをはずし、上半身の汗を拭いてやる事にした。
なんや、変なシチュエーションやな。なに俺こそこそしとんねん。
静かにやさしくタオルで拭いてやる。丘村さんの体は改めてみると、小さくて細くて、白くて…。
なんや、自分ロリコンのオヤジみたいになっとる?
妙に焦って、強く力をいれ過ぎてしまった。
丘村さんがうっすらと目を開く。しばらくボーッとして見つめあったが、状況をつかむと
「うわ!」と声をあげた。そして咳き込んだ。
「何しとんねん!自分!」あまりの丘村さんの慌てぶりに。逆に谷部はやましいことをしていたような気にもなって、顔を紅潮させた。
「お前が汗ダラダラやから、拭いとったんやろが!」
「何を逆ギレしとんねん!ゴホッ!」
「暴れるなや!また熱あがるで!!」
谷部の一喝に小さな声で、おかんか、と言い返しながらも丘村さんはおとなしくなった。
「それにしてもほっそいなー、お前。もうちょっと肉つけんと」
右手を持ち上げて脇腹を拭きながら谷部は笑った。
「うるさい」
「こうやって汗拭いたら気持ちええやろが。文句いいなや」
「阿呆かー。男に体拭いてもらって気持ちいいってどないやねん」
「そりゃー、そうやな…」
「…当たり前やろ」
熱でピンクになった相方の頬が妙にいろっぽく見えてきた谷部は、しばらく黙々と作業を続けた。
「ん…」
いきなり漏れた丘村さんの声にビクーっとなって谷部は手を止めた。
なになに?今の。なんか息漏れたで、今!聞こえない振りしないとあかんがな。手を止めたらまずいがな。
谷部は一瞬で脳をフル回転させると、何ごともなかったようにまた拭きはじめた。
丘村さんは自分の漏らしてしまった声にバツが悪そうに顔を横に反らせている。
「せやけど、あれやなー」谷部は必死に言葉をつないだ。
「……おう」
「いや、なんもないねんけどな…」
そういって丘村さんの顔のほうをチラっと確認すると、丘村さんは声を漏らすまいと、自分の手の甲を噛んでいた。
またも谷部は耳の辺りが熱くなった。
「せやけど、あれやなー」場をつなぐように呟いた言葉に丘村さんの返答はなかった。
しばらくの無言の後。
「もう帰ってくれるか」丘村さんはそういって布団に潜ってしまった。
急に黙ってしまった丘村さんに谷部はとまどいつつ、タオルを片手に突っ立ったままだった。
丘村さんは布団にはいったままでてこない。
谷部は洗面所にタオルを戻しにいって、布団に向かって呟いた。
「ほんだら、俺帰るけど…」
「ああ…」布団の中からの声を不審に思って。
「おい!」谷部は毛布を捲り上げた。
丘村さんの目は赤く充血して涙が溜まっていた。
「なにを…」泣いてんねや…。最後は聞き取れない声で谷部は小さく口の中でつぶやいて。
二人はしばらく黙ったままだった。
上から見下ろした丘村さんはいつも以上に弱々しくみえて。
どうにかして涙をとめてやらなければと思った。
考える前に体が動いた。丘村さんの顎を持ち上げると、谷部は屈みこんで顔をちかづけて。
二人の唇がかさなった。
その瞬間、小さな丘村さんの肩はビクっと震えて。それに驚いた谷部は唇を離した。
「なんやねん…」低く呟いた丘村さんの声に。
しばらくボーっとなった谷部だったが。
「ビックリさせたろ、思って…なんやわからへんけど…」
「しゃっくりちゃうやん。俺、泣いとったんやん…」
丘村さんは困ったように笑った。笑いながら涙がポロポロと溢れ出てきた。
「つまらんボケかますなや。涙止まらんくなったやん…」
顔を何度もこする丘村さんを谷部はオロオロとみつめて。
とりあえず、抱きしめて。
「よ、よーし、よーし。驚いたな…すまんかったな…」
そういって背中をポンポンと叩いた。
「子供か、俺はお前の…」
そういって丘村さんは低く笑うと谷部の肩に額をすりつけた。
「子供サイズやな」
「あほう…」
しばらく黙って、小さな声で。
「あんま優しくせんといてや…」丘村さんは呟いた。
「なんやねん…」
「優しくされたら…つらいねん。お前を…これ以上頼ってしまったら…」
今、なんて言った?この人。
「…」谷部は自分の心臓の音が早くなるのを感じながら丘村さんの顔を覗き込んだ。
「っていったらどないするん?自分?」
丘村さんはニヤーっと笑って、谷部のマジ顔おもろいわーと腹を抱えた。
「…あほう!びっくりさせんなや!」
谷部は真っ赤になって怒り出すと、「もう帰るわ!」とドスドスと玄関に向かっていった。
わけのわからない怒りが猛烈に襲ってきた。
「ほんだらなー」丘村さんの声に
「あほ!」捨て台詞をはいてでていった。
しばらく玄関の方をじっと見つめていた丘村さんはもう一度目を擦って、
チン、と鼻をかんだ。
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| | | | なんで最後切な系で落としたん?
| | □ STOP. | | と自分ツッコミしつつ…
| | | | ∧_∧
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
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