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縁 Enishi

お世話になります。映画スレ441です。

映画 ギャング○ターNo.1
フレディ×主人公

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縁 Enishi Edit

 時計台の時報が十一時を打った。
 勘定を済ませて店を出た。彼が待っている。目の覚めるようなブルーのスーツにすらりとした長身を包み、都会の闇に立つ様はさながら絵のようだ。
 彼に出会うまで、男を美しいと思ったことなど一度もなかった。最高級スーツを身に纏い、アストンマーチンを乗り回し、瀟洒なペントハウスに住んでいようが、俺の美意識は随分と貧困だったということだ。今まで周囲に群がってきたどんな器量自慢の女よりも、彼は美しい。
 勿論、見てくれだけではない。その頭の回転の速さ、抜け目なさ、ビジネスの手腕、肝の据わり具合。どれを取っても、暗黒街の若き王者たる俺の右腕に相応しい。
 何よりも、その美貌からは想像もできない、血に飢えた残虐性と、敵は容赦なく叩き潰す冷酷非情さに、俺は惚れ抜いた。
 「・・・・フレディ」
 駐車場に向かおうと建物の陰に回りこんだ時、彼が掠れ声で俺の名を呼んだ。俺の目の高さとほぼ同じ位置で光っている空色の瞳が、獣じみた輝きを帯びている。
 「してえよ」
 俺は苦笑した。
 「ムードのない奴だ。もっとロマンティックな誘い方はできないのか」
 彼も片頬で薄く笑った。
 「俺にムードとか、ロマンティックとかいう言葉が似合うと思うか?」
 それもそうだ。俺は彼に倣うことにした。
 いきなり、ものも言わずに彼の腰を抱き、壁に押しつけるような姿勢で唇を吸う。彼は予期していたかのように、余裕に満ちた態度で力強く応え、舌を深く差し入れてきた。彼の舌が俺の口腔を所狭しと暴れ回る。
 「フレディ」
 幾度となく唇を重ね、舌を絡めあった後、彼が上気したような顔で言う。
 「ここよりベッドの方がいいぞ」

 初めて彼に誘われた――あろうことか、彼の方からボスである俺に秋波を送ったのだ。大した度胸だ――夜、俺は大いに当惑した。
 彼のことは愛していた。恐らく、たった今玉突き場から出て来たばかりの、革ジャンに長髪という垢抜けない出で立ちの彼が、初めて俺のペントハウスに姿を現し、初対面の男に嬉々として暴力を振るった時から。
 いざ彼のほっそりした体をベッドに組み敷いて、当惑の理由を言った。
 「男とは経験ねえんだよ」
 女ならそれこそ星の数ほど知ってるが。
 彼は声を上げて笑い、答えた。
 「俺だってねえよ」
 そして、冗談みたいに長い腕を俺の首に巻きつけてきた。
 「でも、あんたが好きだ、フレディ・メイズ」
 その一言で、俺の心も決まった。そうだ。男だろうが女だろうが関係ない。今まで惚れた女にしてやったのと同じように、彼にもしてやればいい。思ったように抱けばいい。
 俺は彼のネクタイの結び目を解いた。

 あの日からどれくらい経っただろう。
 最初の内はぎこちなかった俺も彼も、回数を重ねる度に少しずつ大胆になった。慣れてしまえば男女の交わりと変わらない。
 ただ、男女のことは一方通行だが、こちらは違う。殆どの場合、俺が彼を抱いたが、ごくたまに、俺が疲れている時などは彼が俺を抱くこともあった。
 彼の頬を撫でる。彼は俺の手を取り、二本の指を咥えてしゃぶる。甘噛みされた指先から、強い快感が電流のように走り抜け、危うく声が出そうになる。三十何年もつきあってきた自分の体だというのに、彼と夜を共にするようになって初めて知ったこともあった。
 彼の真っ白な脇腹に、引き攣れたような傷跡がある。以前、一緒に借金の取り立てに行った時、俺を庇って負わされた刺し傷だ。幸い、皮一枚を断つほどのごく浅いものに過ぎず、もう殆ど焦げ茶色の染みになって治りかけているが。
 脇腹を刺されても、彼は声一つ上げず、顔色一つ変えなかった。「大丈夫か」と尋ねると、ただ、「ああ」と答えた。これがビリー辺りなら、娘っ子みたいに大袈裟にぎゃんぎゃん喚き立てていたろう。人形みたいなきれいな顔をして、いい根性してやがる。やっぱり俺の見こみは外れちゃいなかったと悦に入ったものだ。
 その時の光景が思い出され、愛しさが込み上げた。そっと傷跡を舐めてやる。彼は俺の髪に手を差し入れ、腰から下へと導こうとする。いいだろう。いつも彼がしてくれることだ。彼の足の間に顔を埋め、そこに屹立するものを口に含んだ。
 「はあっ・・・・いいぜ、フレディ」
 彼が息を弾ませ、愉楽の笑みを洩らす。更に、陰嚢や最も秘めやかな部分にまで舌を這わせる。あり得ない。メイフェアの惨殺者、警官殺しのフレディ・メイズが部下にフェラして、しかもケツの穴まで舐めるなんて。だが、不思議と屈辱感や嫌悪感は微塵もない。
 唾液で充分に湿した後、体勢を立て直した。彼の足を開かせ、その狭い洞窟に分け入った。
 「う・・・・ふうっ・・・・は、ああっ、フレディ・・・・!」
 彼が俺の体に四肢を絡め、腰を振り立てて、俺の下腹に自分のを擦りつける。俺も彼の名前を呼びながら、無我夢中で何度となく彼を突き上げ、また引き落とす。
 俺と彼とは、完璧な一対だ。東洋人は縁とか前世とかいうものを信じるそうだが、もしそれが本当なら、俺たちには生まれる前から深い繋がりがあったのだ。でなければ、初対面であんなに惹かれあう筈がない。
 俺たち二人が一緒なら、何だってできる。恐れるものは何もなく、不可能もない。神だって超えられる。そんな者がこの世にいれば、の話だが。
 俺と彼とは、ほぼ同時に達した。

 朝の光の中、彼は乱れたスーツ姿で、ひょろ長い体をしどけなくベッドに横たえている。
 彼のカッターシャツの釦を外し、童女のような淡いピンク色の乳首を吸った。舌先で舐める。軽く歯を立てる。
 「ん・・・・は、んっ・・・・フレディ、左も・・・・」
 彼が身を捩って歓びを示す。二人とももうシャワーを浴びて、身支度を整えていたのに、彼にせがまれてこの通りだ。呆れた性欲だ。前の晩、殆ど眠らずに愛しあったのに。
 とりあえず要望に応えてやってから、彼の頭を抱き、いい香りのするさらさらした金髪を撫でた。
 「いい子だから聞き分けてくれ。別れは辛いが、もう行かないと会合に遅れちまう」
 今日彼は非番なのだ。上院議員との会合には、トミーを連れて行くことになっている。
 「つまんねえ。どうしてくれるんだよ、こいつを」
 彼は口を尖らせて、スラックスの膨らみを指さす。こんな時まで尊大な奴だ。
 「悪いが自分で何とかしてくれ」
 「はあ!?」
 「いや、冗談だ。また今夜な」
 彼の頬に軽くキスすると、起き上がった。ベッドの脇の鏡の前に立ち、少し身なりを正す。
 「フレディ」
 いつの間にか身を起こしていた彼が呼び止めた。そちらを向くと、ベッドに座ったまま、くいっと俺のネクタイを引っ張り、唇を吸った。
 上目遣いに俺を見つめて、彼は、悪戯っぽくニッと笑ってみせた。

 きれいな青い目を煌めかせて俺を誘惑した小悪魔が、後に俺の心変わりを恨み、嫉妬に狂って本物の悪魔になるとは――、三十年の長きに亘って辛酸を舐めさせられることになろうとは――、若く心驕っていたその時の俺は、まだ知る由もなかった。

Fin.

Edit

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

姉妹編の主人公一人Hはこの後午後七時台から投下させて下さい。
(注:「悪いが自分で何とかしてくれ」の続きではありません)

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