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鯛我 以心伝心主従

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
半生、鯛我で以心伝心主従仲直り記念です。
天下の展望を語った夜設定。主×従、従×主どちらでもいける仕様で。

着崩れた衣を直す余裕も無く、火照る身体を褥の上に横たえる。
傍らで、主が苦笑しながら夜着の乱れを直す気配を感じながら
心地よいけだるさに眼を閉じた。
「夜半にはに出ていきます故、しばし休ませてくだされ…」
「無理せずともよい、明け方まで寝ておれ。」

川越城より帰還してから、上田原の合戦に至るまで
主は自分を見失っていた。
調略を用いる事を頑ななまでに拒み、寝所に呼ばれた際も
決して眼を合わすことなく、気絶寸前まで攻め立てられたかと思えば
「用は済んだ。」と足腰立たぬ様で退出を命ぜられた。
上田原の合戦で両雄を失ってからは、何処か魂の抜けたような
呆然とした表情で過ごすばかり。
先の小笠原との一戦でイタガキ様の遺した謀によって勝利をおさめ、漸く
日輪の様に泰然とした主が戻ってきたのだ。

半ばうとうとしながら、今までの苦難に思いを馳せていると
突如左胸をつつ、と冷たい指でなぞられた。
喉元まで出かかった声を飲み込みながら眼を開けると、
そこには興味深げに己の銃創をなぞる主。

「鉄砲とは凄まじい物じゃのう…カンスケ、また傷が増えたな。」
「今更某に傷が一つや二つ増えた所で、何ともございません。
オヤカタ様こそ、お怪我の具合はいかがでございます?」
先ほど熱に浮かされながらも、普段日に晒さぬ故白い肌に
しっかり刻まれた刀傷を見出した事を思い出す。
「そう眉間に皺を寄せるな、湯治のおかげで痛みはもう無い。」
誰かに似て過保護じゃな、と笑っていた主の顔が、ふと真顔になった。
「ナガオカゲトラが如何なる器か…見定めるのも良いが、くれぐれも
正体を気取られてはならぬぞ。川越の折の様に、消息不明になられては
こちらも適わぬ。」
お主は時折、己の謀に溺れて細事が疎かになるからのぉ。溜息混じりに
痛いところを突かれて、返す言葉もなくなった。
主の指先から僅かずつ引いてゆく身体の熱の代わりに、じんわりと疲労が全身に染み渡ってゆく。
このまま聞かなかったことにして眠ってしまおう、とけだるさに身を任せて眼を閉じると、
銃創をなぞっていた指先が、閉じた瞼の上にそっと降りてきた。
「…お主は、わしを置いて逝くことは罷りならんからな。」
囁かれた言葉に御意、と応える間もなく意識が柔らかい闇に落ちていった。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
イタガキも大好きでしたので、イタガキ追悼記念も兼ねて。


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