大日本人
更新日: 2011-04-27 (水) 13:07:47
595
ごめんね、早くもっていうか公開初日に見て直後に書き始めちゃってごめんね
意外にも需要があるようでテラウレシス
ご期待に沿えるかはわかりませんが、お待たせしました。
昨日は串じゃないのに串判定されてしまって駄目だったので、
今日ももしそうなったら携帯に切り替えて続けるつもり。
もし途中でIDが変わったらそういうことですー。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
今日も、この一年弱のいつもと変わらず、僕は大/佐藤家の居間にいた。
何が起こるわけではないし、特に今はインタビューをしているわけでもないが、例のごとくカメラは回している。
はじめはぎこちなかったり、よほど上機嫌でない限り向こうから話しかけては来なかった彼だが、最近はそうでもない。
なにが普通の人と違うわけではないこの国唯一の大/日本人は、今日も変わらず昼食に力うどんを食べている。
大/日本人。
彼に対する、端から見ていても理不尽とも思えるような仕打ちを、文句を特に口にするでもなく受け止め、おそらく自ら望んでいるわけではないのに、ただ一人の大/日本人として戦う。
彼がやらなくとも、怪獣なんて日本人にとっては台風程度のものなのだ、ほかにやりようなどいくらでもある。
誰にも望まれず、人の為にやっていることなのに感謝もされず、家族からは恥ずかしいから止めて欲しいとまで言われ出ていかれる。
そんな最早疎まれるしかない職業に、この国でただ一人、望まず就いているのはどんな気持ちなのだろう。
無防備そうに見えてそのあたりの事情や内心などは全く見せない、昼食を終えてぼんやりと猫を撫でている彼を見つめた。
猫は眠いのか、煩そうににゃあと一回鳴いて彼の手をすり抜けて外へ出て行く。
それを見送った彼は、ため息をひとつついて立ち上がった。
この一年弱彼に密着しているが、彼は自らに対してなされるほとんどのことに対して、何も言わない。
広告に関することで一度マネージャーとなにか言い争っていたのは聞いたが、それ以外ではやめろだとか、いやだと拒絶する言葉を聞いたことがない。
何がそうさせているのか分からないが、たとえ一旦口では拒絶したとしても、最終的には受け入れる。
広告の時だって、結局はそうだったのだ。
なんとなく、仕事や仕打ち、家庭など、いろいろなものの現状に対する、締観を感じた。
彼はなにかを本当に拒絶することが、あるのだろうか。万年床の、テレビのある部屋に向かう背中を見つめる。
何に関しても唯々諾々といった様子である彼に、なんだか僕はとても嗜虐的な気分になっていた。
家の窓を割られたり、シュプレヒコールを起こされたり、家や行く先々にされる数多くの落書き、彼を否定する張り紙。それらに彼は、なにも言わない。
ならば、彼自身に直接なにかひどいことをしようとしたら、どうするのだろう。
僕は、彼の困る顔を、嫌がる顔を見てみたくなって、どうしようもなくなっていた。
カメラをこっそり止めて、彼の背を追う。
今までだって答えにくい質問には黙って無視をした彼だから、今回も何も答えないかもしれない。
けれど、たとえ答えなくたって重要なのは今の言葉ではないから構わないのだ。
かなりサディスティックな気持ちを抱えたまま、僕は彼の背に声をかけた。
「大/佐藤さん、」
「なんだよ」
「奥さん、今離れて暮らしてるんですよね。」
「そうだよ。君だってこの間会ったじゃないか。」
布団の上に座り、テレビをつけようとリモコンを探していた彼は、それでも声をかけると振り返って質問に答えた。
そういえば、彼は会話をするときには必ずこちらを向いて話す。
別のことをしながらというのもなくはないが、それでもこちらとの会話の合間にそれをすることが多いし、目をそらすことは多々あれど、どこか体自体を別の方向に向けながらということはない。
そんなことに初めて気づきながらも、言葉を続ける。
「そうですよね。じゃあ、普段あっちの方はどうしてるんですか?」
「…あっちのほうってなんだね。何が言いたいのかまったく分からないよ。」
察してはいるだろうに、目をそらして言いにくそうに答えた彼に、直接的な言葉を投げかける。
「何って、セックスですよ。」
「な、何を言ってるんだね君は。」
「ママとだって、名古屋なんてたまにしか行かないですよね?だったら、どうしてるんですか。まさかまだ枯れてはいないでしょう?」
「……」
下世話な質問に、彼もさすがに黙る。
馬鹿にして言っているのだと思われたらはぐらかされそうなので、わざと事務的に淡々と続けた。
「やっぱり、一人でしてるんですか。」
「…そんなことを聞いて、どうしたいんだよ君。」
「別にどうということもないんですけど、大/日本人の性生活を聞いておきたいなと思いまして。」
「…」
「それで、溜まってるならこういうのはどうかと。」
言うなり、僕は彼を万年床へと押し倒した。
突然のことについていけずに、彼は一瞬呆然とする。
普段から怪獣と戦ったりなんかしているくせに、やっぱりこの人はどこか間抜けで隙だらけだ。
だから視聴率だって悪いんだ。
そんなことを、見下ろしながら頭のどこかで思う。
「な、何を、」
とようやく抗議の声を上げようと開いた口を、僕のそれで塞ぐ。
話そうと開いた隙に舌をねじ込み、彼の舌を、上あごと歯列を、執拗と言われそうなほどに舐めて、嬲る。
彼は状況を飲み込むのがワンテンポ遅い。
「…っんぅ……んっ」
くぐもった声を漏らして、彼の反応を返せずにいた舌が、やっと僕のそれを押し返そうと動く。
昼の、日の光の入って空気中の細かな埃が舞う部屋に水音が響いて、耳からではなく口内から直接、彼の喉がこくりと鳴るのが聞こえた。
押し返そうという動きをかわして、逆に舌を絡める。
噛まれないよう片手で顎を固定し、口腔を犯すと、彼の腕が僕の肩を押し戻そうと突っ張った。
それでも強引に圧し掛かると、もともと体格はそう変わらないし、彼も特に力が強いというわけではないのだ、上から乗っている僕が有利だから押さえ込むことができる。
いや、おそらく本気で抵抗しようと思えば彼は曲がりなりにも戦いなどには慣れているわけで、経験を生かして逃げることはできるのだろう。
それでも確かにかなり力が入ってはいるけれど、僕の知るいつもの彼の言動と同じく、本気の拒絶とは思えない気がした。
構わずシャツの裾を探り、たくし上げるようにしながら腹を撫でる。
大きくなったときはたるんでいる腹だが、意外にも手には皮膚の下にしなやかな起伏を感じた。
似合わず綺麗に割れた腹筋に、なんだか滑稽な気持ちになる。
「鍛えてるんですか?どうせ大きくなったらあんまり意味ないのに。」
口付けを解いて、いつものように聞いてみる。
また、答えないのだろうか。
「…大/日本人、だからね。」
抵抗は止めていないが予想に反して目を伏せつつ返ってきた答えは、以前聞いたことのある言葉だった。
「そうなんですか。」
あの時は珍しく自棄のように呑んだ酒で陽気になっていた彼が、今はまったく違う口調で同じことを言う。
それを知らなかったことのようにさらりと流して、僕はさらに手を滑らせた。
三十代後半にしては引き締まっているなめらかな体を広く撫でると、わずかに皮膚の感触が違うところがある。
見ると、鮮やかな色が皮膚の下で模様を描いていた。
そういえば腹から胸、二の腕に背中と、ほとんど上半身全てに、伝統らしき刺青をしていたなと思い至る。
ごくわずかにざらりとしているその皮膚に触れると、身を捩るように動かす彼に、そこが他よりも敏感なのだと知る。
指先で辿るようにして胸の紋様まで伝うと、腕の力が弱まり、息をつめて体を震わせた。
「感じるんですか?」
伏せた顔を下から見上げるようにして問うと、目をそらして荒い息を漏らしはじめていた口を閉じた。
今度はこたえる気はないらしい。
都合の悪いときはすぐに黙る彼に少し腹が立ったので、やや硬くなっている乳首を抓むようにして弄ってやる。
「…っぁ、」
以前、あの子供の命よりも大事だと主張していたそこは、「焼く」ときに使うこともあってか、さすがに言うだけあるようで、彼は喉の奥から小さく声を漏らした。
思ったより高く、色気の混じった声をもっと聞いてみたくて、僕はまた硬度を増したもう片方を口に含む。
さっきまで僕の肩を押し返そうとしていた彼の両手は、もう添えられているという程度にしか力が入っていない。
軽く歯で扱いて、ねっとりと舐めて、少しだけ吸ってみる。
「っ、…ふ」
が、彼は自らの声に恥じ入ったのか、片手の甲を口に押し当てて声を殺した。
頬が、上気している。
それがまた面白くなくて、かり、と音を立ててちょっときつめに噛んでやると、胸を反らすようにして、彼の体がびくんと跳ねた。
「…くっ…は、…ぁ」
弄ぶように舌先で舐めながら顔を見上げると、目を閉じ、眉根を寄せて息を細く吐いている。
眉を寄せているのはこの一年弱で一番見慣れた顔なのに、知らない表情のように見えて、不思議な気持ちになった。
閉じた目の、睫毛との縁に、水が滲んでいる。
頬だけでなく、目元にまで紅が差していて、こんなどうしようもないような大/日本人のことが、腹立たしいことに、ひどく色気を帯びて見えた。
刺青の上を撫で、爪の先で上辺を刺激してやると、彼は必死に手の甲を噛んで声を堪える。
テレビを通してしか見ていなかった頃は気づきようもなかった、きれいに整ったかたちの手に歯形がつくのはもったいない気がして、その手をとって布団へと押さえつけた。
指の長さやバランスといい傷ひとつない皮膚といい、男らしく均整の取れた手は、初めて会ったときに気づいた、ほぼ唯一の、彼に対するプラスの印象だ。
押さえつけた彼の右手首を見ると、何時だか手遊びをしていた輪ゴムがあった。
あの時と同じものだとは思わないが、造作に対する不釣合いさとあまりにも所帯染みた大/日本人に、苦笑が漏れてしまった。
「ただのオッサンじゃないですか。」
彼は言われた意味が一瞬わからなかったようで、抵抗しようと手に入っていた力を無意識にか弛める。
僕の目線で手首の輪ゴムのことだと察したようで、またバツの悪いような顔をして、目を逸らし黙った。
そんな顔をされるとまた僕の嗜虐心が増して、困ってしまう。
もっと困らせてやりたくなって、邪魔になったシャツのボタンを外し前をはだけ、露になった首筋に噛みつくように口づけをする。
大きくなったら見えるであろう位置に、分かりやすく紅く痕を残した。
「ぁ、っ…、…君、や、やめ…っあ、」
押さえつけていない方の、彼の左手が僕の頭を押し退けようとしてか、肩から移って後頭部にかけられたけれど、まるで力は入っていない。
抗議の声も、空いている右手で胸元に触れることで遮った。
もう、撫でるように触れるだけで、彼の体は大きく跳ねる。
彼の体があまりにも顕著に反応を返すので、本当はもっと早くいやだと言わせて、
適当な所で寸止めしてやろうかと思っていたのだけど、止まらなくなってしまいそうだ。
手を、胸からまた腹のほうへと滑らせ、そのまますでに勃ち上がりかけている股間をなぞる。
服の上から形をなぞると、それだけでさらに芯を持った。
「やっぱり、溜まってるんですか?もうこんなになってますよ。」
顔を背けて声を噛み殺す彼の耳元に、わざと笑みを込めて囁いてみる。
かっと瞬時に耳まで赤く染めて、それでも彼は無視を決め込む。
黙っているのを好都合とばかりに、僕は彼の前を寛げる。
下着の上からまた柔らかく擦ると、彼の腰がわずかに浮き上がり、息がさらに上ずった。
「は、…う、…っぁ…」
今までに男との経験があるとは思えないし、受け身の愛撫に慣れているわけでないだろうに、いとも簡単に篭絡する。
「分かってたけど、やっぱりMなんですね。」
「あ、あっ……や、め…」
言いながら強く扱くと、もう声も抑えられないようで、先ほどから僕の頭に添えられていた彼の左手がぱたりと平たい布団に落ちた。
先ほどから抑えたままだった彼の右手を、もう力が入らないだろうと判断して、開放してやる。
案の定、開放したにもかかわらず、彼は手を動かさない。
もうすっかり勃ち上がっている彼の陰茎が、下着を押し上げて窮屈そうに見えた。
僕が下着もろとも彼の下半身を覆っていた衣服を腰を支えて浮かせながら取り去ると、
脱がせたときに擦れたのが刺激になったらしく、彼はまた小さく喘いだ。
繁みから勃ち上がる陰茎の先には、すでに先走りが滲んでいる。
それを恥じているのか、彼の顔を見上げると顔を背けたまま目を固く閉じていた。
その顔をもっともっと困らせて、いっそ泣かせてみたくさえなる。やめろ、だけでなくいやだ、とはっきりと口に出させてみたい。
男のものを舐めるなんて考えられなかったけれど、あの耐えるような、困った顔をもっと見るためになら、できそうな気がする。
「っは、…あ……っん」
僕が右手でそれを直接握ってゆるゆると動かすと、無意識にか彼の腰も動いて、さらなる快感を求める。
いやらしい体ですね、なんてベタなことを言ってやろうかとも思ったが、どうせ黙ったままだろう。
それよりは、と息をつめて覚悟を決め、僕は彼の陰茎を口に含んだ。
雫を舐めとると、初めて味わう苦味と塩味を感じたが、なぜか嫌悪感はない。
先の割れ目を舌でなぞり、軽く吸いながらできるだけ奥まで含む。裏筋も丹念にゆっくりと舌先で舐めあげると、体を捩るようにして悦がり、喘いだ。
「あっ、…ぅ、あ……っぁ、なに、を……あ、あ……っ」
何をされたのかすぐに分からなかったようで、先ほどからずっと目を閉じていたのが、驚いたようにこちらを見る。
繁みから勃ち上がった自らのものが、僕の口に含まれているのだと理解すると上体を起こし制止しようとしたが、これ見よがしに先端を舐めてやると、すぐに声を上げてまた崩れた。
片手で陰茎を刺激し、舐め、もう片手で肌の模様と乳首に触れて弄ると、目尻から雫が流れて、布団に広がった長い髪へと染み込んだ。
僕の唾液と彼の先走りとが混ざって、それも伝い滴って布団に染みを作る。
先端を、触れるか触れないかくらいに舌先で舐めると、限界が近いようで、息がいっそう荒くなり内腿が震えた。
「もうイきそうなんですか?」
声をかけてももう答えることもままならないらしい。
けれど、涙をいっぱいに溜めた目でこちらを見て、必死に一度頷いたように感じた。
「っあ、あ…っ、も……っぁ…!」
手で彼を握るようにして、強く何度も扱く。同時に口に含んでやはり強めに吸うと、あっけなく彼は達した。
口の中に苦く青臭いような独特の味とにおいが広がる。
さすがに飲み込む気にはならなかったので、これみよがしに口を手で拭い、自分の人差し指と中指を舐めるようにして彼の精液を指の上に乗せた。
彼はそれを見て何も言わぬまま気まずそうに目をそらした。左腕を目の上に乗せて、隠す。
荒い息をついたまま、その状態でくたりと脱力している。
僕は、彼の息が少しずつ整う様をぼんやりと見ながら考えていた。
彼がとうとう達するまで本気の強い拒絶をしなかったことと、いやだ、とは言わなかったこと。
ここまでされて、なお拒絶しないのは、なぜなのだろうか。
彼にこういう趣味があるとは思えないし、おそらくこれは、たとえ僕以外の人間が相手であろうと同様だろう。
彼について僕がなにかを考えるなんて、この一年弱ではじめてのことだ。
今まで彼自身についてそもそも興味すらないつもりでいたのだが、自分でも思っていたより彼になにかしらの気持ちがあったらしい。
それはもちろん恋愛感情だのの類ではないし、友情ですらもないのだけれど、一年弱の密着取材でなんとなく生まれた同情のようなものとでもいえばいいだろうか。
尊厳を踏みにじるような行為をされても拒否をしない彼に、僕は初めて、彼の心内の見えない何かを一瞬だけ垣間見たような気がしていた。
そして、それをもっと見たい。
さっきまでのいやだ、やめろと言わせたいという自分の気持ちは、そこから来ていたのかもしれない。
僕は、彼のその何かをもっと見るために、彼にそっと手を伸ばした。
_________
|┌───────┐|
|│ロ stop. │|
|│ |│
|│ |│
|│ |│
|└───────┘|
[::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
ピッ ∧_∧
◇,,(∀・ ) ヤッパリ ヒトリデコソーリミルヨ
. (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
| |
└────────────────┘
ごめんね、やたら長くてごめんね
あんまりにも長いのでちょっと本番前に(たぶん一時)停止
続きは今度…できたらいいな。
このページのURL: