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食物探偵 探偵×助手

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

4話と某スレの方のシチュに萌えたので突発的に書きました。
食探偵×人質要員助手。
棚初投下なので至らない点があったらすみません。

「痛くないですか?」
「え?」
突然ふられた話題に、俺は鷹野さんを振り返った。
見上げた表情はいつもと変わらないように見えるけど、少し眉間に皺が寄っているような気もする。
質問の意味が解らずに首を傾げると、鷹野さんの手が俺の首元に伸ばされた。

「いっ…」
瞬間、ぴりっと走る痛みに思わず顔を顰めた。
「血が出ています」
そう言って自分の手を俺に広げて見せる。
その指先には、少量の血がついていた。

そういえばさっき人質にされてた時、割れた瓶を押し付けられたっけ。
伊柄子さんの威嚇射撃だとか、向けられる銃口だとか、事件の真相だとか怒涛の展開過ぎて、すっかり忘れていた。
「大丈夫ですか?」
「あー、まあちょっと痛いけど、これくらいなら大丈夫でしょ」
自分からは傷が見えないけど、思いっきり突き刺された記憶はないし。
というかそんな状況になってたら俺、今こうやって普通に会話なんてできないし。
それに実際、さっきまで怪我したことすら忘れていたんだし。

「大した傷じゃないし。唾付けときゃ治るよ」
だから、軽い気持ちでそう答えた。

「…そうですか」
「え、うわっ…!」
ぐい、と腕を引っ張られて、鷹野さんに向かって倒れこむ。
「な、なに…!」
すんだよ、と言うはずだった言葉は、それ以上続けられなかった。

首筋に感じる、生温かい感触。
小さい痛みと湿った水音。
―――――鷹野さんが、俺の首筋に舌を這わせていた。

「ちょっ…鷹野、さっ…」
くすぐったさと、得体の知れない感覚が同時に背筋を駆け上がる。
逃げようと試みるが、しっかり掴まれた腕によってそれは失敗に終わった。
何て馬鹿力だ、この人。

「消毒ですよ」
ようやく俺を解放した鷹野さんが最初に言った言葉はそれだった。
「へ…?」
「良介くんが言ったんじゃないですか、唾付けておけば治るって」
自分じゃ届かないでしょうから代わりに消毒してあげたんです、とけろっとした顔で続ける。
いやまあ、確かに俺が言ったんだけど。
でも普通舐めないだろ、人の傷なんて!

「これでもう大丈夫ですよね?さ、行きましょう」
俺の動揺なんて全然気にしてない様子で、鷹野さんが俺に向かって笑顔で左手を差し伸べてくる。
だが、俺はその手をとらなかった。
「しっ…知るかよっ!俺、先行くからな!ついてくんな!」
そう叫び残して、俺は猛ダッシュでその場から逃げ出した。
待ってくださいよ良介くん、と言いながら後ろから鷹野さんが追いかけてくるが、振り向かずに走る。

だって今の俺の顔なんか、見せられるはずないじゃないか。

「良介くーん!」
うわ、どんどん足音近づいてくる。
俺は今までの人生の中でも一番の全力疾走で、追いかけてくる変態から逃げた。
火照った頬にあたる夜風が、やけに気持ち良かった。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

この後、後ろからハグされる形で捕まるといいと思います。
お目汚し失礼しました。


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