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アベレージ 刈→安←飯

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                     |  アベレージのカリーヤ→アベ←イイノみたいな
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「…はぁ、まだこんなにあるのか……」
辺りに積まれた段ボールの山を見上げ、安部は溜め息を吐いた。
ここは大日本ジェネラル本社、から少し離れた所にある雑居ビル内営業推進部営業特別推進課の倉庫。
そこで安部は一向に売れない商品達の整頓をしていた。
「部長も俺一人にやらせるなんて酷だよなぁ。えーと、これをここに置いてと……ん?」
ぶつぶつと文句を言いながら古ぼけた段ボールをコンクリートの床に下ろしふと倉庫の奥に視線をやると、
そこには他と比べ一回りほど大きい段ボール箱が置かれていた。
しかも埃も被っておらず、まだ新しい。
(こんな段ボール前からあったっけ?なんか、怪しい。
 いかにも『開けて下さい』的な雰囲気が漂っているのは俺の気のせいだろうか…)
疑問を抱きつつも恐る恐るその段ボールに近づいていく。
そして、蓋を開けると
「あ~っはっはっはっはっはっ!!」
「うわぁあ!…って、か、刈谷……」
「あれ、そんなに驚いた?」
腰を抜かし地面に座り込んでいる安部に気付くと、刈谷は段ボールの中から抜け出し安部の体を起こした。
「大丈夫かい?安部くん」
「…だ、大丈夫も何も、お前こんなとこで何してんだよっ」
「いやぁ丁度近くまで来たから寄ってこうかと思ってね。哀れな安部くんを見に」
「帰れ」
安部が冷たく言い放つと刈谷は悲しそうな顔をし
「冷たいなぁ~。僕がどれだけこの段ボールの中にいたと思ってるんだい」
とため息を吐いた。
「知らないよ(てかマジでコイツ何しに来たんだろう……)」
安部が呆れていると刈谷は倉庫いっぱいに置かれている段ボールの山を見渡し
「しっかしこれまた凄まじい数だねぇ。ちゃんと売れてるのかい?」
と聞いてきた。

「…売れてたらこんなに置いてないだろ」
少しムッとした安部は段ボールを両手で持ち上げると隣の棚へと向かった。
その後ろから刈谷がついてくる。
「重そうだねぇ。持ってあげようか?」
「いやいいよ。つうか冷やかしにきたんなら帰れよお」
棚に段ボールを押し込む。刈谷は心外だと言わんばかりの表情をし
「とんでもない」
と言うと、こう続けた。
「まぁ、ここにある商品を僕が買ってあげてもいいけど、それじゃあ意味がないだろう?
 本当に欲しいと思っている人に買ってもらってこそ、だからね」
「…そうなんだよなぁ」
安部は刈谷の言葉に頷いた。
そんな安部の様子を見て満足気に微笑むと刈谷はこう切り出した。
「この間、『特徴のない物は誰も好きになってくれない』って君に言ったよねぇ」
「ん、あぁ、言ってたなそんな事」
自分のことを言われたような気がして暫らく頭から離れなかったあの言葉。
安部は少し表情を曇らせた。
「…あの時はあぁ言ったけどさあ、普通で冴えないものだって、好きになってくれる人ってのはいるもんだよ?」
「え?」
刈谷の意外な言葉に安部は耳を疑った。
すると刈谷は安部の後ろの棚に手をつき、妖艶な瞳で安部を見つめ囁くように言った。
「本気で欲しいモノはじっくりと、確実に自分の手で……ね」
「刈谷…?」
いつもと違った様子の刈谷に戸惑い、体が思ったように動かない。
刈谷の顔が徐々に近づいていき、次の瞬間 
 ガチャ
「先輩~、もう済んだッスか?よかったら手伝い―…」
ドアを開け倉庫に入ってきた飯野は言葉を失い硬直した。
倉庫内に沈黙が流れる。

刈谷は棚からスッと手を離すと
「おっと、それじゃあ僕はそろそろお邪魔するとするよ。
 二人とも、めげずに頑張ってねぇ。あ~っはっはっはっはっ」
そう言い残し、飯野の横を高笑いしながら颯爽と擦り抜け出ていった。片手に自分が入っていた段ボール箱を持って。
「……先輩っ、一体何されてたッスか!?」
やっとのことで我に返った飯野は棚に背を預けている安部の元へと駆け寄ると、必死の形相で問い詰めた。
安部は心ここにあらずといったような表情で答える。
「…なんか、『特徴がない物でも好きになってくれる人はいる』とか『欲しいものは自分の手で』とか言われた」
「先輩それって…」
「あぁ………なんだかんだ言ってあいつ、いいヤツだよなあ」
「はあ?」
思わぬ返答に拍子抜けした飯野は素っ頓狂な声を上げた。
そんな飯野に安部はしみじみとしながら言う。
「刈谷なりに、俺達を励まそうとしてくれたんだよ」
「はあぁ?」
更に疑問の声を上げる飯野に安部は照れ臭そうに笑いこう言った。
「飯野。色々大変だけどさ、頑張ろうぜ」
「…はいっ!」
その笑みにつられてつい顔をほころばせいい返事をしつつも、
心の中で
(先輩が鈍くて本当によかったなぁ…)
とつくづく思う飯野であった。

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 倉庫みたいな部署に倉庫なんてあるのだろうか…
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) ありがとうございましたorz
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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