執事×ご主人様
更新日: 2011-04-27 (水) 17:45:41
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
ウッドハウス原作、イギリスユーモア小説のジーヴス×ご主人様です。
ぬるいですが、やってる最中の話なのでご注意ください。
「ジーヴス、痛い」
僕達がフランス語で言うところの小さな死、つまりオーガズムに
向かってことを進めている現在、ジーヴスは必要以上に強く背後から
腰を打ち付けるので、僕はきっぱりと抗議した。
「さようでございますか、ご主人様」
ヤツの表情は見えなかったが、平坦な声の響きからは古き良き忠誠心の
かけらも感じ取られなかった。
僕は怒りで頬が熱くなった。我々ウースター家の者は召使にいいように
されて、はいそうですかと甘受するような腰抜けでは決してないのだ。
「ああそうだ。痛いといったんだ」
「さようでございますか、ご主人様」
彼は言うなりゆっくりと動き出した。世間では僕はジーヴスの言いなりで、
スプーン一杯分程度の脳みその持ち主と思われているのは事実だが、
言うべきことはきちんと言う人間だと証明できたと思う。
僕は荒い呼吸と整え、ゆるやかなリズムの心地よさに浸っていたが
今度はジーヴスの動きが極端にゆっくりすぎることに気がついた。
……何ががおかしい。
その何かは僕にはわかりすぎるくらいわかっていた。
今朝届けられた狩猟用のジャケットだ。
それはボンドストリートの紳士服店で見つけて一目で気に入った
陽気な色のひじあての付いた、とびきり陽気なシロモノだった。
これを僕が買うことで、ジーヴスがとても陽気な気分でいられない
ことは二秒ほど考えたが、僕の足は採寸へと向かっていた。
今朝それが届くと、思ったとおり彼は一瞥すると、さも嫌そうに、
本当にそれをお召しになるのかと聞いてきたが、
僕はそうだと短く答えて取り合わなかった。
つまり彼は今、昼下がりの独身者用フラットのベッドの中において
僕にささやかな復讐をしているのは明白だった。
こんなフェアでない仕打ちは断固として許せない。
バートラム ウースターは公平さを尊ぶ男なのだ。
そう思い振り返ると、ジーブスは少しばかりばつが悪そうな、
それでいて傷ついたような顔をしていた。
彼は後ろから丁寧に僕を抱きかかえて引き寄せた。そして首筋、
正確に言うと、ウースター首の後方寄り左サイド部分を甘噛みし、
僕の耳に小さく、申しわけございません、ご主人様と囁いた。
僕は溜息をついた。そしてこんな時にまでご主人様と呼ぶことを
忘れない彼をいとしく思った。
確かに彼の服装のみならず、生活全般におけるセンスのおかげで、
僕のざっと1ダースはある失笑される機会は半ダースほどに減少
しているのだ。たぶん今回も彼が正しいのだろう。
あのジャケットを着て猟犬と駆け回るのは、夢の中だけにしよう。
「ジーヴス、あのジャケットは焼くなり煮るなり好きに処分してくれ」
「大変ありがたく存じます。ご主人様」
僕は素晴らしい色のひじあてを思い一抹の悲しさを感じたが、
それは喉の奥にぐっと飲み込んだ。
「ああジーヴス、お前にまかせる。よしきたホーだ」
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
おつきあいありがとうございます。
- こんなに健気な従僕は初めてかも…。うん、ご主人様がご主人に見えますです、はい。 -- 2009-09-06 (日) 14:05:24
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