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日食

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  擬人化で日食
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  月×太陽
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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 天空に輝ける存在。全ての生命の源。
 唯一無二に見えて、けれどそれはありふれた多くの物の中の1つの物に過ぎない。
 真空。何もない空の中に在る。
 手を伸ばしてもそこには何もない。見える光は遠すぎて届かない。
あの存在もこちらを同じように思っているのだろうか。思われるのだろうか。
 身を燃やして辺りを照らす。自己主張。存在意義。
 ただ1人だけだ。同じ存在はここには居ない。強くそれを自覚し、受け入れた。
 引き寄せようと伸ばす手。繋がれる手。影響力。いくつも捕らえ支配下に置いた。
もっと強くなれば、もっと影響力を高めれば、いつかはあの光をも手に入れられるのだろうか
 伸ばした手に触れた異なる物は在った。ただ在るだけ。土塊。自分の影響下に治めたが、何一つ満足は抱けない。
 欲しいのは光。小さな、けれど本当は大きな光の固まり。自分と同じ物。

 ちっぽけな取るに足らない物が、その中でもほんの一欠片の物が、
ある条件下に置いて自分と同じようにあがめられているとある時知った。

「お前はどうせ俺が居なければ輝けない癖に」
 太陽は傲慢に言い放った。地球の衛星である月はそれを静かに受け止めた。
「反論の言葉も無いのか?」
「反論するも何も、事実は事実。翻す気なんて何一つ」
 緩やかに穏やかに太陽の光を受け流していた。全て影響下にあるにも関わらず、
自由になる事なんてほとんどないのだと思う。自分はこの場所では万物の支配者だ。
けれど自分ももっと大きな法則の中から逃れられない。
 見透かされた気がした。だから苛立った。誰とも分かち合えない孤独。恩恵だけ受けて、
同じ賞賛を浴びる存在。
「自ら輝けないからこそ、お前の光を受けとめられる。そして伝えられる。誇りに思ってる」
 太陽は月の後ろにある地球を見詰めた。他の星々とは違う色合いで真っ暗な宇宙の中に
それは浮かんでいた。太陽はそれを見詰めていた。月は、まるでそれを遮るように移動する。
 蒼い中にぽつりと黒い染みができた。
「知っているか? 地球から見えれば私もお前も同じく輝くように見えるようだ。大きさも同じ。
まるで双子のような存在だと」
「お前のような奴と同じに考えられているなんて虫唾が走る」
「そうだろうな。けれど私はそれを嬉しく思っているんだ。それにほら、この影の中では、
私はお前の光を完全に遮る事だって可能なんだ」
 太陽はその染みが許し難くて、強い光を放つ。月はそれを白い淡い光にして反射してきた。
「ただ遮るんじゃない。双子のように同じ大きさに見えるからこそ、重なって、
お前の真の姿だけを覆い隠して、その光だけ、輪のように見える事もあるそうだ」

 ある時に気が付いたのだ。光だった。遠くて届かないはずの光が近くにあるように思えた。
 水星や火星のように紅くはない。金星や木星・土星の様に鈍くくぐもる事もない。
地球のように蒼くもなく、白い光。自分と同じ光。当然だ、それはただ真っ直ぐ自分の反射であったのだから。
 けれどわずかに自分と同じ存在があるのかと錯覚した。錯覚しようとした事がある。
 そんな欺瞞で自分を慰めようとするなんてばかげているのに、それなのに。
『地球上では、月と太陽は双子のように同じく輝く存在としてあがめられてる』
 そんな概念なんかに、どうして自分は孤独を慰められた気になってしまったのか。
 まるで望みが叶ったかのように、そんな風にわずかにでも思ってしまった事に対してわき上がる苛立ち。
 それをぶつけても、月は嫌がりもしない。ただ受け入れ、そうして苛立ちを含んだ光を
反射されて自分の苛立ちを深める。馬鹿な悪循環。
 そうだ、相手は取るに足らない土塊。意識から閉め出してしまえばいい。そう思うのに、願うのに。

「そこに在っても、地球からその姿は見えない。見せない。だから」
 月が誘うように告げた。

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 地球が見てる・・・
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