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浦→桃

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
イ仮面ライダー 今人の浦→桃
あまりに萌えすぎて書いた突発ものですが

「お前、何やってんだ?」

電ライナーに戻ってきた桃は、無骨なヘッドフォンを耳にあてている浦を不思議そうに見つめる。
だがその声は浦には届かなかったらしく、彼は桃を見ようともせず、じっと目を閉じていた。

「何だよ、無視かこの野郎」

不機嫌そうにドカっと腰を下ろす桃に、浦は薄く笑みを浮かべ、「聞いてますよ」と楽しそうな声を出した。

「……!」
「僕がセンパイの声を無視する訳ないじゃないですか」

すっとヘッドフォンを外し、テーブルの上に置かれた小さな音楽プレイヤーに手を伸ばす。
少しだけ漏れていたアップテンポな曲がピタリと止まり、電ライナーの走行音だけが食堂車に響いた。

「そうかよ」
「えぇ、もちろん」
「質問に答える気はねぇってか?」
「質問? あぁ、コレですか」

のらりくらりと言葉を繋げる浦に、桃は苛立ちを隠せない。
こいつはいつもそうだ。何もかも分かったような顔をして、桃を翻弄する。
浦の存在がどうしてこんなにも癇に障るのか、その答えは自分でも良く分からないけれど。

「聞いてみます?」
「はぁ? 別に興味ねぇよ」
「まぁまぁ、そう言わずに」

ゆっくりとした動作で席を立ち、桃の耳元にヘッドフォンを押し付ける。
しばらくして聞こえてきたのは、先日良太郎と一緒にレコーディングした……

「お前っ! 何でこれ……!!」
「ハナちゃんに貰ったんですよ。このデモテープ」

しれっとした声で言ってのける浦に、桃は言葉に窮する。
別に浦に聞かれたからどう、というわけではないが、コレをネタにまたからかわれるのは御免だ。
ただでさえ、こいつにはいつも口で丸め込まれているというのに。

「羨ましいなぁ、と思って」
「は?」
「レコーディングですよ。今度は僕も歌いたいなぁ」

テーブルに肘を付き、ぼおっと天井を見上げる浦に、思わず頬が緩んでしまう。
何だ、単に羨ましがってただけか。それなら、こっちも相手しやすいってもんだ。

「ケッ。年功序列って言葉くれぇ知ってんだろ?」
「まぁ、知ってますけどね」
「俺の方が先輩なんだからな。まぁ当然だろ」
「ハイハイ。分かってますよ、センパイ」

すっと立ち上がった浦の背中がどこか寂しげで、桃は思わず彼を呼び止めてしまう。

「な、なぁ」
「何ですか?」
「そんなに良太郎と一緒に歌いてぇのか?」

桃の言葉は彼にとっては意外だったらしく、浦は無言のまま桃を真っ直ぐに見据える。
その視線に耐え切れず、桃は小さく顔を背けた。

「な、何だよ」
「……何でもないですよ、センパイ」

妙なアクセントを付けた台詞を残し、浦はそのまま食堂車を出て行った。
後に残された桃は浦の真意に気付くわけもなく、「何なんだよアイツ……」と、ガシガシと頭を掻いた。

ねぇ、センパイ。
僕があの曲を聴いていた理由も、羨ましいと言った理由も、全部センパイが好きだからって言ったら信じてもらえますか?

「無理だろうなぁ。僕、嫌われてるし」

くすり、と自嘲気味に笑みを浮かべ、浦は手の中のヘッドフォンをぎゅっと握り締めた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
良太郎&桃の挿入歌聴きながら書き殴った話
浦→桃が好きすぎて仕方ないんだけど、うまく表現できん……


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