某歌手×某俳優
更新日: 2011-04-27 (水) 17:31:08
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| 某歌手×某俳優
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 片方故人ですがスミマセン…しかも暗い
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| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ハツトウコウ。AAズレテタラゴメソ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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仕事から帰ると、薄暗い部屋のなかで留守電の存在を告げる黄緑色のランプが怪しく点滅していた。
僕は部屋の電気も付けずに点滅するボタンを押した。
ピーと、機械音が人気のない部屋に鳴り響く。
「メッセージが14件あります。」
僕はシャツのボタンを外す手をとめ、耳を澄ます。
時計の針は夜中の2時を回っていた。
見慣れたマンションのある一室の前でインターホンも鳴らさずにドアノブを回した。
思った通り、鍵はかかっていなかった。
僕はいつものように何も告げずに部屋に入った。
ミュージシャンである彼の、仕事場のこの部屋にはいつ訪れても彼しかいない。
廊下の突き当たりの部屋から漏れてきたのは、ライトスタンドの明かりとつたないギターの音。
僕が一番好きな彼の曲の旋律だった。
ドアを開けると、床に座り込みソファの縁にもたれかかって、ギターを弾いていた彼が顔を上げた。
「来てくれたのか。」
彼は無邪気な子どものような笑みを浮かべてギターを置き、僕に隣りに来るよう手招きをした。
「また飲んでたの?」
僕は彼のそばに座りながら、机の上に並べられたおびただしいビールの空き缶を見て聞いた。
「おう。」
そう笑って彼は僕に、手近に置いてあった飲みかけのウイスキーの瓶を差し出す。
どうやらだいぶ酔っているらしい。
僕はその瓶を受けとり口をつけずに再び机の上に置いて、彼の方に向き直った。
「どのくらい飲んだの?」
今後は少しキツい口調で問いただす。
すると彼は母親に叱られた子どものように俯き、「見ての通りだよ。」とポツリと言った。
「あんまり飲みすぎると体壊すよ。もうすぐツアーなんだろ?」
そう言いながら僕は軽くため息をつき、先ほどの飲みかけのウイスキーの瓶を手に取って片付けようと立ち上がりかけた。
するとグイッと腕を掴まれ、あっという間に彼の腕の中に抱きこまれる。
とっさのことに、僕は瓶を床に落としてしまった。
瓶は大きな音をたてて転がり、僅かに残っていたウイスキーがフローリングの床に零れた。
「いかないでくれ。」
彼が僕の耳もとでそう呟いた。
「ずっと…俺のそばにいてくれ。」
「…どしたの?」
恐らく返事はないだろうと思いながら、そう答える。
黙りこくってしまった彼の表情は窺い知ることは出来ないが、きっと寂しそうな、泣きそうな表情をしてるに違いない。
誰かに裏切られたり傷つけられたりする度、彼は酒に溺れて孤独を紛らわそうとする。
それでも寂しさを忘れることが出来ない時、彼が必ず呼び出すのは僕だった。
どんなに夜遅くでも疲れていても、いつも僕が彼のもとに駆けつけたのは、受話器の向こうから聞こえる陽気な声の裏に
どうしようもない孤独に押しつぶさそうになっている彼の叫びが、僕には聞こえる気がするから。
きっと僕がいないと、この人は傷だらけの心を抱えて壊れていってしまうだろう。
何かに怯え、縋りつくように僕をこうして抱きしめるのも、珍しくはないことだった。
「俺にはお前しかいないんだよ…。」
「んっ…」
彼が僕の肩にくちづける。
そして、首筋、頬、瞼へと順々に、触れるだけのキスをする。
彼のくすぐったいキスや吐息に流されないように必死で背中にしがみついている間に、気がつくとソファに押し倒されていた。
顔を少し離し、右手で優しく僕の髪を梳きながら彼はフッと微笑んだ。
「お前はお前のままで、俺のそばにいてくれるだけでいいんだ。」
覆い被さる彼がまっすぐな瞳で僕をみつめ、「な?」と小さく返事を促す。
家庭のある彼のそんな願いに、いつも僕は答えに詰まる。
それは友としてだろうか、それとも…
彼の本意がどんなものであれ、敬愛の情と恋い焦がれる想いの間で苦しむ僕には、その問いに頷くことなど出来るはずもなかった。
「あ……っ」
首元に感じた鋭い痛みに僕は思わず声をあげる。
つけていたネックレスがチャリッと音をたてる
それは以前、僕がどうしようもなく打ちのめされ酒に酔いつぶれて眠り込んでいた時に、彼がつけてくれたものだ。
見ると僕の返事が無いのに焦れた彼が、そのネックレスの辺りに1つ、2つと朱を散らしていた。
「ちょ…っ…」
初めてのその行動に慌てて制止しようとするが、痛みの向こうに見え隠れする快感に言葉がでず、逆に彼の背中に回した腕に力をこめる。
「なぁ…お願いだ。」
まるで子どもの様にそう繰り返す彼の切羽詰った声に、僕は恐れにも似た気持ちを抱いていた。
きっとこの問いにイエスと答えてしまうと、もう戻れなくなる。
そんな予感がしていた。
僕は何も言わず、彼の首元へ腕を回す。
それが返事だと受けとったのか、彼の顔がゆっくりと近づいてきた。
僕は彼の熱を唇に感じながら目を閉じた。
いつも彼の熱いくちづけや抱擁は、けれどもけして一線を越えることはなかった。
その日も僕を抱いたまま眠った彼の寝息を聞きながら、窓の外がだんだん光に満ちてくるのを眺めていた。
すっかり朝になり、肌寒い空気に街が動きだす気配がする頃、僕は彼の腕からそっと抜け出した。
深い眠りについている彼にシーツを掛け、そのままになっていたウイスキーの瓶とビールの空き缶を片付ける。
机の上に水を入れたグラスと二日酔いの薬を置き、部屋を出ていこうとした。
しかし、ふと思い直し別室に行って紙とペンを探した。
ようやく見つけたそれに、「また来ます。」と小さく走り書きをして部屋に戻り、グラスと薬の横に添え置いた。
後ろを振り向くと、ソファの上で眠っている彼の薄く開いた唇にそっとくちづける。
彼の寝顔をしばらく見つめた後、後ろ髪を引かれる思いで僕は静かに部屋を出て行った。
その僅か3日後、彼は僕の手の届かない遠いところへいってしまった
end
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ホントゴメンナサイ。デモモエテシマッタンダ…「シェリー」トカスキダヨ
| | | | ピッ (・∀・;)
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