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ハケン

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  ドラマは終わっても妄想は終わらない
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| ちょっと長いっす
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ オイオイ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・; )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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外は雨。
麻布の一角にあるマンションの窓から見下ろす東京の夜景は濡れてしたたり落ちてゆく。
照明を消しソファーに座って外をじっと見つめるバスローブ姿の桐島の耳に
シャワーの音がかすかに聞こえてくる。

ついこの前まではそこにいたのは巻き毛の可愛い奴。
だがあいつは長い間俺が取り立ててやったにもかかわらず
役員の面前で俺に恥をかかせて去っていった。
屈辱のプレゼンを思い出し桐島の目が細まり鋭さを増した。
テーブルに置いたブランデーグラスに手を伸ばし一気に飲み干す。

それにしてもずいぶん長いシャワーだ。
まだまだだな。里中。
その程度の覚悟でわざわざ俺のマンションに押しかけて来るとは。
しかも開口一番「東海林主任の辞表を受理しないで下さい!」
・・・どこまでも青い奴だ。
自分が誠意を示せば他人が意気に感じて動いてくれると本気で信じている。
現実はもっとシビアだ。俺の条件を言ったときのあの驚きの顔!
それでも引き下がらなかった事だけは褒めてやろう。
もし東海林ならシャワーなんて時間稼ぎはしないだろうがな。
桐島はふと我に返り思考の終点が結局あの裏切り者へと戻っている
事に苛立ちを感じた。

「部長・・・」
おもむろに背中から声をかけられ一瞬アイスペールに伸びた手が止まった。
「座れ」
桐島は低くうなるような声でそういうと横のクッションをどけた。
「失礼します」
意外と躊躇することなくバスローブ姿の里中は桐島の横に座り
無言のままブランデーを桐島のグラスに注いだ。
どんよりした雲が地上の明かりを反射するのか、窓から差し込む
あかりで里中の手が震えているのがわかる。
桐島はブランデーを飲みながら里中を見つめた。
伏し目がちに所在無げなところはまるで迷子の子犬のようだ。
ふとそんな事を思ってそのセリフの主が東海林だった事を思い出すと
再び怒りが込み上げて来た。

タンッ

グラスを乱暴にテーブルに置くと里中の肩に手を回し強引に引き寄せる。
息を呑む間も与えず唇に唇を重ねるがなんて硬いキスだ!お前ってやつは…!
桐島は少しだけ力を緩め唇を離すと引きつるような息をして震えている里中に向かって
「里中・・・お前は東海林をどうしたいんだ?」とささやいた。
東海林という言葉にピクリと反応して堅くつむった里中の目が開いた。
と、同時に一筋の涙が頬を伝わり落ちていった。
「東海林さんの辞表を止めておいてください。・・・僕に出来る事は
何でもします。」と吐くように言った。
萎えるような事を言うじゃないか。無粋な奴め。

「来い」
里中は片手をつかまれ引きずられるように奥の部屋へと連れ込まれ、
ベッドの上に投げ出された。
バスローブがはだけるのを直そうとした里中の上に桐島がのしかかる。
何の抵抗するそぶりも見せない里中だが体は硬直したままだ。
桐島はやおら激しく唇を味わいうなじにキスマークをつけてゆく。
そのまま脇下から乳首、へそ、わき腹をゆっくりしゃぶられ
あまりの快感に里中は絶頂に達しそうになり軽くうめいた。
里中の体を這った快楽はそこでぴたりと止まり
低い男の声が「奉仕しろ」と命じた。

「はい」
体中の快感が里中の脳を痺れさせたのか、里中は火照る体で桐島の裸体に
容赦ない愛撫をしてゆく。細くしなやかな右手が下腹部へと伸びてゆく。
桐島は里中の乱れぶりにある種の達成感すら感じた。
いつも理想ばかり先行する色白な美青年。育ちが良いと言えば聞こえはいいが
自分が正しいと思えば相手が上司だろうと自分を譲らない気高さが今はどうだ。
桐島の心にどす黒い喜びがあふれてゆく。
そしてやおら横にすり抜けると里中をうつぶせに組み敷き、高揚したものを
一気に里中の中に突き立てた。
「ああああああああぅぅぅぅぅぅあぁぁぁぁぁ」
快楽か激痛か、稲妻が里中の体を走ってゆく。そしてそれは嵐の海のように
何度も何度も繰り返し寄せ返してゆく。
桐島もまた、引き締まった里中の体内に陶酔した。
時を待たずに2人の野生は快楽の頂点に達した。

全てがけだるい・・・
こんなつもりではなかったのに。
桐島部長は怖いと東海林さんは時々言っていた。こんな人だと知っていた?…まさか。
多分2・3時間は眠れたか、寒さで目を覚ました里中は東海林の事をまず思い浮かべていた。
これでもう一度一緒に仕事が出来る。そう思うと体中の痛みさえ苦にならなかった。

里中は隣で寝ている部長を起こさないようにそっとベッドから抜けて浴室へと向かった。
シャワーを浴びながらあちこちに残る愛撫の跡に陰鬱な表情を浮かべたものの
早くこの部屋から出て行ってしまいたい気持ちから里中は簡単に体を洗い終わり
淡々と身支度を整えて出ていった。

その後、東海林の行方はようとして知れずそれでも里中は見つかれば絶対復帰できると
確信して手がかりのあるところは片っ端から探していた・・・そして
ハケン弁当の試食会の日、外から戻ってきた大前からうちぼり公園に東海林がいたと
報告を受けた里中はさっそく出かける準備をした。心臓の鼓動が早くなる。
東海林さんがいた!東海林さんに会えるんだ!!

マーケティング課を飛び出し廊下のつきあたり、エレベーターの前には部長が立っていた。
「部長、東海林主任が見つかりました!」
里中は思いっきりの笑顔で部長にそう声をかけた。
「そうか。ちょっと来い話がある。」
「あの・・・今でなければいけませんか?すぐそこの公園にいるそうなので
少しお時間を頂ければすぐ戻ってきますが…」
「いいから来い。東海林の辞表は受理されそうだ。」
「え!?」里中は予想外の言葉に一瞬耳を疑った。
「受理…?辞表は部長が止めてくれているはずでは…」
「役員の中にあのプレゼンで不快感を持ってしまった人間が何人かいてね。
困ったよ。」
「そんな・・・部長の力で何とかならないんですか。あの約束はどうなるんですか!?」
「約束?それは俺の力で出来る範囲での事だ。」
「そ…んな…」
里中は足元がもろく崩れてゆくような錯覚に陥った。
では、あの夜はいったい何の為だったのか。
「僕はどうしたら・・・僕に何か出来ることがあれば何でも」
「何でも?」
桐島は里中の言葉をさえぎり鋭い目線でその顔をねめつけた。
里中の脳裏にあの夜が一瞬思い出された。そうあの時も同じセリフを言ったのだった。
「ええ。何でもします」
桐島部長に視線を返して里中は静かに言った。
「・・・来い。役員に会わせてやろう」
里中の思いつめた顔をじっと見てようやくそれだけ言うと桐島部長は
里中主任と共にエレベーターに乗り込み上の階へと上がっていった。

日も暮れて退出時間後に里中はマーケティング課へ戻ってきた。
もう誰も残っていない社内は蛍光灯も消されて静まり返っていた。
東海林主任の辞表受理は見送られた。
しかし…こんな時間じゃもう…
東海林さんにはもう永遠に会えないんじゃないか・・・?
そんな絶望が里中を襲う。会いたいのに…こんなに会いたいのに!
その時、里中の携帯が鳴った。
だるさに襲われながら開けてみると写メが一通・・・??
画面が暗くてよく見えないが、これは…
それはベンチに座っている男の後姿だが、暗闇の中で撮られたせいか薄ぼんやり
としか写っていない。しかし、この髪型この細身の体。間違いなく東海林さんだ!
里中は帰り支度もそこそこに急いで会社を飛び出した。

東海林さんが待っている!!!
今度こそ会える!絶対伝えなきゃ。まだ辞表は受理されていないんだって!
また一緒に仕事しよう!東海林さん!!

  • 完-

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 萌え場面少なくてスマn
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