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(゚д゚)ウマー ビデオ棚にも上陸! その二

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 | | □ PLAY.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ツヅケテ モウヒトツ イクヨ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
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俺の背中に、さっきからずっと、張り付いている。何がって、視線が。
視線は「突き刺さる」と表現されがちだが、リョウの視線は突き刺さったりしない。
ねっとりと絡み付き、纏わり付き、張り付くのだ。
目の前にあるPCのキーボードやモニターという固形物よりも、
背後から投げかけられる視線の方が百倍も千倍も存在感がある。
「タケシ」
声をかけられて、俺はうなじの毛が逆立つのを感じた。
「お茶でも煎れようか?」
俺は振り向かずにコクコクと頷いた。
せっかくの休日を、持って帰ってきた仕事で潰しているこの体たらくを、
リョウは責めたりしない。早く終わらせろなんて急かしたりもしない。
「はい」
机の端に緑茶が置かれた。種類に関わらず、リョウはいつだって
お湯の沸かし方や温度にもきちんとこだわってお茶を煎れてくれる。
たいしたものだと思うが、お茶に対する拘りなんかないとリョウは言う。
拘るのはお茶を煎れてやる相手だけさと笑うのだ。
熱いうちに飲むのが礼儀だろうと、とりあえず一口啜った。
「美味い?」
俺はまた無言で頷いた。本当に美味いのだ。
俺がお茶を飲んでいる間、リョウはソファに戻らず俺の背後に立っていた。
モニターを覗き込んでいるのだ。見られて困るほどの内容じゃない。
それにリョウになら見られたって問題ない。そこら辺は信用している。
「手伝えるよ。タケシより俺の方がエクセルは得意。な?」
耳元でありがたい申し出が囁かれる。でも、でもな。
「大丈夫だよ。俺だってこれくらいのことはできるから」
「でも、時間がかかるだろ……」
リョウが背後から俺をそっと抱き締めた。

ここは、手をキーボードから離して、リョウの腕を解く場面だ。
今は仕事中だと言えばいい。なのに俺は硬直したまま動けない。
だめだこんなことじゃ。有能なビジネスマンは常に物事の優先順位を考えるんだ。
仕事の中でもそうなんだから、仕事と遊びの優先順位ならなおさらだ。
まずはこれを片付けてしまわなくちゃ。なのに、なのに。
「動悸すごいね。不整脈? 過労なんじゃない?」
リョウの手が俺の胸を這う。過労じゃない、少なくとも仕事のせいじゃ……。
「リョウ、あのな、俺、これを今日中に……やらなく、ちゃ」
リョウの息が俺の耳に吹き込まれて、俺は身を竦めた。
「お前がやってたら三時間かかるな。俺なら一時間で片付けてやれる」
「確かにそうだけど、俺も練習して上手くなろうと……」
「今日のところは俺に任せろよ。今は、タケシの得意なことだけすればいい」
背中に当たっているリョウの腰、熱くて硬くてすごいことになっている。
リョウが俺にそこを押し付けて腰を揺らす。
「タケシ。俺、もうもたないよ……。溶けちまう……」
俺はマウスを弾き飛ばしながら振り向いた。
リョウがねっとりとしたあの目で俺を見据えて笑っている。
ジーンズの前がきつくて痛くてかなわないので、俺は慌ててジッパーを下ろした。
そんな俺の手を引いてリョウはソファに戻ると、俺を押し倒した。
リョウの尻に伸ばした俺の手は、やんわりと拒まれる。
「なんだよ、挿れさせてくれよ」
「あっちは一時間あったらできるからね。だからこっちはフルコース……」
「お、俺だってもうもたないよ! お前だって……」
「もう少し溶けてから……ね?」
リョウは楽しそうにゆっくりと俺の服を脱がせ始める。
やらなきゃいけないことが先で、やりたいことは後――なんだけど、
やりたいことの中にも優先順位がある。リョウの決めた順序がある。
それを守らないと、リョウを美味しく食べることはできないのだ。
リョウがソフトクリームみたいにどろどろに溶けるまで、お預け。
その頃には俺はへにょへにょになっていて―――もうなってるか。
情けないと思いつつリョウの愛撫に身を任せる俺の目に、
スクリーンセーバーが動き始めるのが映った。

終わりです。入りきらなかった。

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ アトデ ホカノモ モッテクルヨ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
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