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日の光がある場所

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                     |  ※注意…国擬人化、つまり国と国を絡ませています
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  エロ無し、ヌホンとチョセーン。厚めにフィルターかけています。
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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国際情勢スレを見て書いたんですが、話題が過ぎた上書いたものも
内容がずれてしまったのでこちらで失礼します。

薄暗い部屋の中で、少年は膝を抱いて座りながら、そっと外の音に
耳をすませた。
1日に何度も繰り返すこの行為で、何も音の無いことを知り、一時の
安堵を得る。もちろんこんなことは、気休めでしかない。
相手がその気になれば、室内と外界を隔てる戸は壊され、彼らは
土足で上がりこんでくるだろう。
たびたび乱暴に戸を叩いて少年に顔を出すよう要請はする彼らが、
まだそれをしないのは、より大きな”獲物”を陥落し終えていないからだ。
ただそれだけの理由が、少年を守り、そして常の緊張と不安の場に置く。
少年は長い袖の中で手をきつく握り、湧き上がる恐怖にせかされて
再び外の音に耳をすませた。

と、思いがけず、戸が音をたてて軋んだ。
少年は悲鳴を上げそうになった口を慌ててふさぎ、息を殺しす。
もちろん、これもただの気休め、あるいはそれ以下のことでしかない。
少年がこの部屋に居て、外にも出ていないことは、皆が知っている。
外にいる誰かが開けようとする戸を守るのは、細いつっかえ棒だけで、
内側にいる彼にはそれ以上の対処ができなかった。
戸を壊されたらどうしよう、もし外から火でもかけられたら……。
そんな恐怖にまみれた少年の心情を察したのか、戸の軋みはやがて
収まった。
それに代わり、長年聞きなれた、しかし以前よりもずっと成長した声が
内側にこもる少年に呼びかけた。
「開けてくれませんか?先日のような手荒な真似はしませんから」
少年は強く首を振った。震える体をいっそう小さくさせる。
外の声は、なおも続けた。
「今、外で何が起こっているか知っているでしょう?あなたがこの部屋に
閉じこもったままでいようとしても、もう許されない状況なんです。
……僕が、そうであったように」
―――このままでは、あなたも大陸の向こうから来た男達に乱暴されてしまう。

「い、いやニダっ」
思わず声をあげてしまい、また慌てて袖で口を覆う。嫌ですよね、と
戸口の声は同意した。
「……でも……ウ、ウリは怖いニダ。もしかしたらウリが外に出た途端…
……そ、そうだっ、ウリには兄様がいるニダっ、兄様が守ってくれるニダっ」
少年はそう言いながらも、少しずつ戸ににじり寄っていた。1人でこの
部屋の内側にいることは、とても怖い。いま外にいる彼は、恐怖を
与えることもあるが、あるいはすがる相手にもなりえた。
「あの人は、今は自分の身を守ることで精一杯です。僕らはもう、
その後ろに隠れて安穏としていることはできないんですよ」
諭すような言葉に、少年はきつく唇を噛んだ。目に溜まった涙が
頬を滑り落ちる。
「それじゃあ、どうすれば良いニダか……?ウリは…」
「あなたは、1人で立たなければなりません。外に出ましょう。
少しずつ他者と関わりを作り、自分の身は自分で守れるようにし、
それを皆に知ってもらいます。わかりますか?」
穏やかな、けれど力強い声に、少年はこくこくと頷いた。戸を隔てた
相手にはわからないだろうが、少年はまた少し戸に近づき、請うように
問いかける。
「ウリは…どうすればいいニダ?何から始めればいいニダ?」
「まずは、この戸を、開けてくれますか?」
微かに戸が軋んだ。この戸を開けること、みんなの前に姿を見せること、
みんなと話しをして交渉や商売や時には喧嘩もすること。同時に自分を
鍛えさまざまなことを学び成長すること。すでにそれらのほとんどを
成し遂げた彼は、少年にもそれを促していた。

少年は躊躇った。恐怖を紛らわすように、何度も袖で涙をぬぐった。
それでもやがて、意を決して、つっかえ棒を外す。軽い木の棒は同じくらい
軽い音をたてて床を転がった。
そろそろと手を伸ばして、唾を呑み、深呼吸をして、一思いに引き戸を開けた。
久方ぶりの日の光が薄暗い部屋に注ぎ込み、戸を開けたすぐ前に
立っていた彼の影を作り出す。
力強い手が、少年の手をとった。そのまま、いつの間にか随分と大きく
立派になった彼は、少年を抱きしめる。
「外には新しい恐怖もあります。でも、いまあなたが、恐怖をひとつ
乗り越えたことも事実です。僕も一緒に、戦いますから」
彼に抱きしめられながら、その声を聞き、少年は肩越しに太陽を見た。
いつしか見るのが辛くなった、ひどく眩しい、ひどく愛しい光。
周りを取り巻く何が変わったわけではない、これから自分が足を
踏み出す先は嵐のただ中であろうことも、わかっている。
けれど今は、今だけは、太陽の腕の中で、穏やかな時間を過ごしたいと思った。

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 | | □ STOP.       | |              コーカトー事件後、チョセーンに開国してくださーいなヌホンでした
 | |                | |           ∧_∧ 現実と妄想を区別すれば歴史上かの国の
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) 立ち位置には非常に萌えます
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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途中で書き込めなくなってPC落としたり回線つなぎ直したりで
間が空いてしまいました。すみませんでした。


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