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ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア14

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                     | ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/前途シリーズ
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| より、冒険者×ヴァンパイアです
 | |                | |             \十四回目です。
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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ヴァンパイアは、乾いてきた血を洗い流すべく、宿に頼んで桶と水とタオルを貸してもらった。
 水に、タオルをひたす。
手にはびりびりと裂かれるような痛みが走る。
ヴァンパイアは水が苦手だ。
温水のほうが、いくらか痛みは軽減できたのかと思いながらも、その痛みを我慢してタオルを絞り、血の跡を拭いてやった。
――ロウッド、目を覚ましてくれ
ただそのことを胸に秘めつつ、何度も血の跡をぬぐう。
おかげでタオルは真っ赤に染まったが、気にしなかった。
 宿に桶とタオルを返した際、タオル代も置いてきた。たいした値段ではない。
ヴァンパイアは、再びロウッドの手を握った。少しでも暖かくならないかと、手をさする。
だが血を長いこと十分に吸っていないヴァンパイアの手も冷たく、それは無理だった。
今のヴァンパイアには、血を吸うという本能はなかった。
彼の頭にただあるのは、ロウッドがヴァンパイアになって傷が治ってくれること。
ただ、それだけ。
そうして三日が過ぎた。
相変わらず、暗い部屋に、ロウッドが寝かされている。傷は治ってきていた。通常のヴァンパイアの修復速度よりやや劣るが、間違いなくヴァンパイア化している証拠だった。
本当にこれでよかったんだろうか。
ロウッドは、自らヴァンパイアになることを願った。
これから先、どうなるだろう。
ロウッドは後悔していないだろうか。
ヴァンパイアは、ひたすらそのことを思うようになった。
ヴァンパイアは、眠るときは、ロウッドの手を握って、寝た。
ベッドのそばで、毛布もかぶらず、眠る。
それはとても寒かったが、ヴァンパイアにはたいしたことではなかった。
さらに三日が過ぎた。
ロウッドにヴァンパイアの血を与えて六日。
傷は、完全に修復されていた。

その生命力の強さに、ヴァンパイアという種族でありながらも驚く。
ここまで早く、あのえぐるような傷が自己修復できるとは。
おそらく、ロウッド自身の生命力にもよるのだろう。
「う…ん」
ロウッドの声だった。
ヴァンパイアが顔を上げる。
「ロウッド…?ロウッド、ロウッド!」
覚醒が近い。
ふと、窓の外を見る。満月だった。
「今宵は満月か…、ロウッド、起きてくれ…」
「レ、イン…?」
ロウッドは、ゆっくりと目を開けた。
その目は金色に光っていて、闇によく映えた。
そして次に瞬きをしたときは、目が赤色に変わっていた。ヴァンパイアの証である。
「ロウッド!!」
「レイン…」
ロウッドは、その状態のまま喋り続けた。
「なんか、長いこと寝たような…うわっ、何だ?!…すげぇ、夜でもよくものが見えるぞ」
「お前の瞳も、赤になっているぞ。ロウッド、…よかった」
ヴァンパイアは、ロウッドの頬に愛しげに触れた。
「レイン、真っ青じゃないか…」
ロウッドは体を起こした。その際に、傷がないのを見て、また驚いた。
「傷が…ない」
「まったくたいした生命力だよ、六日であの傷が癒えるなんて」
「六日?俺は六日も寝てたのか?」
ヴァンパイアは、愛しい人に、抱きついた。
涙をぽろぽろこぼしながら、何度も頷いた。
「そう、そうだ。六日も私を一人にしていた…起きてくれてよかった。愛してる、ずっと愛してる」
「レイン、ありがとな。ヴァンパイアになったけど、こうして俺は生きてるよ」
涙をぬぐってやる。
そして何度も何度も、深いキスを交わした。

「ん…、ロウッド、のどは渇かないか?」
「ああ…そういや、少しだけ。…これが血の欲求ってやつか」
「私の血を、飲め」
青白い顔をしたヴァンパイアは、自らの首筋を見せる。
本能のせいだろうか。ごくりとのどがなる。
「でもお前、真っ青だぞ、これ以上血を吸われたら…」
「構わない」
いけない。これ以上吸ったら、ヴァンパイアが倒れてしまう。
そうわかっていながらも、ヴァンパイアとなったロウッドの本能にはかなわなかった。
 ヴァンパイアの首筋に口を近づける。
鋭い牙が、首筋に二つの穴を開けた。
「――あ」
ヴァンパイアは、ロウッドに抱きついて、捕食される感覚に震えていた。
甘い血が口内に入ってくる。飲み下すと、力がついてくるような感覚になる。
芯から、温まってくるような感覚になる。
 冷たかった手はすぐに血の巡りがよくなり、温かくなる。
夢中で、ヴァンパイアの血をすすった。
たまらない、甘美な味だった。
今まで味わったどんな料理よりも飲み物よりも、ずっとずっと甘美な味。
甘い、血の味。
する、と、突然ヴァンパイアの力がなくなった。
そのまま床に倒れそうになり、それをあわてて支えた。
「大、丈、夫…ちょっと、横に…」
「ああ、すまないな」
ヴァンパイアを抱えあげると、ベッドに寝かせてやる。
血に夢中になりすぎたかもしれない。顔色は真っ青で、力がまるで入らないようだった。
「明日血を吸ってくるよ。冒険者仲間にしてダンジョンで吸い殺せばばれないだろう。そのまま葬ってしまえばな。そしたらお前に血を分けてやれる」
「私も…行く」
「いいから寝てろ」

くしゃくしゃと、頭をなでてやった。綺麗な銀髪が、手に絡みつく。
本当に、綺麗なんだな。
ヴァンパイアになった今でも、そう思った。
不思議な感覚だった。
 本来ならば夜は明かりがなければ何も見えない。
それが、物がどこにあるか、明かりがついているかのようによく見えるのだ。
そして血の味。あんなに鉄さびくさかったものが、あのように甘美なものに変わるとは、知らなかった。
同時に、ヴァンパイアが血を吸うとき、恍惚とした表情を見せていた理由がわかった気がした。
 ヴァンパイアの額に軽くキスすると、隣のベッドでロウッドも寝ることにした。
六日間も寝ていたから、寝た気はしなかったが、それでも眠りには付けた。
本当は、今すぐにでも血を吸いに言って、血をヴァンパイアに分けてやりたかったのだが。

日中になった。
天気がよかった。
 ロウッドはいつもの格好で外に一歩出て、太陽のまぶしさに、目を覆った。
太陽によって肌を焼かれて痛い。
ヴァンパイアが太陽を避ける理由は、ここにあったのだ。
ロウッドは、持っていたローブを羽織ると、ギルドに立ち寄った。
「ロウッドさん!奇跡的に助かったとは本当だったのですね!よかった、あなたのおかげでこの町も救われましたよ!」
元締めは、ロウッドがヴァンパイアになったとも知らず、ロウッドの手を握って生還を喜んだ。
「ああ、ありがとう。とどめはレインがさしてくれたんだけどな、レインがいなかったら俺も死んでたよ。所で、闇ギルドなんだが…」
「ああ、はいはいこちらです」
闇ギルド。暗殺、誘拐、逃亡、脱獄、密輸入輸出などの依頼が出されている、限られた人間しか入れないギルドである。

 ロウッドは、別室に通された。
そこには暗殺の依頼が山ほどあったが、どれもターゲットが遠い町に在住しているものだった。
 暗殺で、この町にいる人物だったら引き受けて血を吸ってやろうと思ったのだが、無理のようだった。あきらめて、ギルドを出る。
酒場には、仲間を求めて集まった冒険者がいた。
その中に、まだ若い女がいた。
冒険者としてはまだ頼りなく、装備もごく軽いもののみ。
だが、その血は極上だろう。そう、本能が告げていた。
「すいません、前、いいかな」
「は、はい!」
緊張した面持ちで、女はロウッドと同席することを許した。
「もしよければ、私の仲間になりませんか?」
「えっ、良いんですか?!そうですね、たまには仲間と一緒というのも悪くありませんね。よろしくお願いします」
 案外あっさりと、仲間になってくれた。
その後、ロウッドは人里はなれたダンジョンに彼女を連れて行った。
ダンジョンははじめてらしく、おろおろする彼女をリードし、ある程度深層部まで行った時、後ろから彼女の首を狙って噛み付いた。
「!!ロ…ウッドさん…!?」
血が啜られていく。
急激に血を失っていって、彼女はついに倒れた。
血の甘い味が口の中に広がる。ヴァンパイアのものよりも劣ったが、それでもとても美味だった。
罪悪感は少し、あった。しかし、ヴァンパイアを助けるためと、そう思って罪悪感を押し殺した。
 しかしこの方法はよかった。
気づかれなければ、ヴァンパイアだという事実も、そして警備員に追われることもない。
死体を担ぎ上げると、町に戻り、埋葬した。

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ キュウケツキニナリマシタ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
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