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鰈ー族父×次男さらに続き

前回の続きです。思ったよりも長くなりそうで恐縮ですが
もうしばらく棚お借りします。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・;)三話見る前に書いちゃったんだyo!

 今夜はおそらく父の愛人が情けを受けるのだろうと思われた。長年見ていると何とはなしに判るものである。
 しかし迷っている暇はなかった。彼女の恨みを買いたいわけではなかったが、今日を逃せばぼやぼやしているうちに
時間切れになってしまうかもしれない。それだけは避けたかった。
「お父さん、お願いがあります」
 夕食の後で、父の書斎へ行った。父は、いつもと変わらぬ様子で何かの書類を眺めていた。どうせまた手を汚して
いるのだろうとも思ったが、今はそんなことはどうでも良かった。
 どうした、とまだ昼の顔で振り向く父に、不自然なほどの近さ、しかし服は擦れても包まれた肌は触れぬような
距離に寄って、酒を入れた熱い息を吐いた。
「申し訳ありません、また…」
「…また?」
「また、…はしたない、熱が」
 恥ずかしげに目をそらす素振りをすると、紙束を放した父の冷たい手が、酒気に火照った頬に当たった。
「…あ」
 それだけのことでぴくりと動いてしまい、父の手に頬を擦り付ける。父はかすかに息を呑んだようだったが、
「この間も面倒を見てやったばかりだろう。今日はお預けだ」
「解ってます。ですが…今だけでも、少しお時間を頂きたいのです」
 父の手の上に片手を重ね、首筋を辿るように下へ降ろしていく。そこから汗が引いていくような気持ちよさと、違う
汗が滲み出るような生々しさが同時にわき上がる。少しずつ下へと重ねた手を動かしていき、その道を空けるように
もう片方の手でシャツのボタンを外していく。
「あ、あぁ…ああ、お父さんの、手が」
 父の掌を道具に自慰をするかのように、それを胸元に擦り付ける。体の芯の方も、それにもっと応えようと身を
くねらせてしまう。されるがままであった父の手は、ある瞬間に急に力が入り、能動的に僕の胸元を摘んでは押し潰す
ような動きを始めた。僕は酒精の巡りもあって、刺激に合わせて高い声を出した。
「お父さん、やめないで…やめないで下さい、ああ…」
「もうここをこんなにして…お前は、本当に」
「あ…!」

 父のもう片方の手が、急に僕の下半身に無遠慮に触れた。そのままそこを服の上から強めに揉みしだかれると、体の
方では待ちこがれていたようで、腰も立たなくなるような悦びに思わず父に縋り付いた。
「ああ、もう、もう後生ですから、お父さん」
「…いいだろう、お前の勝ちだ」
 甘え上手になったものだな、と父が口づけてくる。曖昧な笑顔を返しながら、唇をつけては離すだけの軽くて甘い感触を
何度も味わった。
「一度楽にさせてやるから、風呂に入ってからもう一度来なさい」
 僕が必死に頷くと、父は僕のベルトを外しながら内線の受話器を取った。彼が愛人の名前を呼ぶのをすぐ側で聞きながら、
僕は計画の第一段階の成功と、服の中に突っ込まれた父の手の直接的な快楽を味わい、押さえようとしても押さえられぬ
嬌声と勝利の笑みを必死に掌の下に隠した。

 風呂を上がって再び階段を上がっていると、父の愛人がちょうどやって来た。そのままやり過ごそうとすると、擦れ違って
から数歩後、
「どういうおつもりですの?」
 彼女はこちらを振り返りもせず、前を向いたまま足を止めた。
「…何のことです」
「とうに学校も出て、いまさら発情期でもないでしょう。わざわざ貴方からお父様をお誘いになるなんて、何かお考えでも
あるのかしら」
「まさか。貴女に喧嘩を売るつもりはない。僕は今のこの家の権力関係が解らないほど馬鹿じゃないつもりです」
「お兄様とは違うようですわね。てっきりお二人で共謀してわたくしを追い出そうというのかと思いましたわ」
 そんなことできるはずもない、と言わんばかりの語調で彼女は笑った。ですから、と僕は彼女の背中を見つめて語を継いだ。
洗い髪が冷えて、思考まで冷めていくようだった。兄の名を出されたからかもしれない。
「改めて今日は貴女にお願いします。今夜一夜僕に譲って頂きたい」
「…そこまで言うからには、わたくしを納得させる何かがあるのかしら?」
「もしかしたら、ですがね」
 貴女の利益にもなるかもしれない。そう呟いて僕は再び階段を上がり始めた。
 不意に彼女が後ろから僕を呼び止めた。振り返る前に、艶のある声が飛んでくる。
「わたくし、貴方のお兄様には、貴方とお父様のことお教えしてなくてよ」

 思わず目を見開いた。振り返ると、彼女が僕の方を向いて優雅に微笑んでいた。
 やはりこの女、侮れない。
「…それは、助かります」
「いいえ。そういえば今夜はお兄様もお泊まりになりますものね、精々お気をつけて。それじゃ楽しみにしてますわ、
わたくしと貴方の利益」
「ですから、もしかしたら、ですよ」
「ふふ、いいわ。そうなるような気がしますもの。ねえ、仲良くしましょうよ、わたくしと貴方どちらが床上手かしら」
 唐突に発せられた直接的な言葉はふっと鼻を鳴らして笑い飛ばしたが、彼女は冗談めかして続けた。
「一度比べてみるのはいかが?何ならお父様抜きでもいいわ」
「やめておいたほうがいい。僕は抱く方はからきしですよ」
 自嘲的な僕の返答に、たっぷり一秒分彼女は目を丸くしていた。しかし瞬きを一つすると、弾けたように高い声で笑い始めた。
「ああ可笑しい。天下の財閥の次男坊が…ほほ、宜しくてよ、ご縁談ではそんなこと申し上げませんことよ、ああ、何てまあ」
 笑い声は背を向けて、遠ざかっていった。彼女が品のある振りの中にも時折垣間見せる趣味の悪さ、それをこうはっきり
目の当たりにしてみると、彼女はこの家にいるべきではないと言った兄の言葉はなるほど正しいように思えた。しかしその理屈は
当然、僕をも追い出さなければならないことになるのを兄はまだ知らないだろう。
 歩きながら、僕は改めて僕のやろうとしていることが果たして彼女の利益になるかどうか考えてみた。売り言葉に買い言葉で
適当なことを言ってしまったが、実際は全て上手く行ったとしても大して彼女の利益にはならないだろう。いや、なってもらって
は困るのである。兄は、純粋に僕のためだけに、打ちのめされなくてはならない。それを愛でるのは僕だけで良かった。

 父の寝室の扉の前に立つと、流石に今日ばかりは緊張した。上手く行くかは正直なところ賭けでしかなかった。その緊張は
初めて父の寝室に足を踏み入れたあの日を思い起こさせた。あれから子供ながらにいろいろなことを考えたものだが、最初はただ
純粋に、父に好かれたくて、父の喜ぶことがしたくて懸命に教えられることを習得しようとしていた。思えばあの頃から兄に勝つ
ということが父に好かれたいという欲求の裏に潜んでいたのか。不意に僕は判らなくなった。僕は今父に愛されたいがために兄に
勝ちたいと思っているのか、それとも兄に勝ちたいがために父の愛を得ようとしているのか。それは表裏一体でもうどちらが
どちらか判らなかった。父を意識しているのか、兄を意識しているのか。答えはどこにもなかった。僕は結局僕自身のことしか
考えてなどいないのか。逃げ道のような答えだが、それが一番しっくりくるような気もした。
 父親に体を制圧され、自ら媚を売ることで自尊さえ捨てる振りをしながらも、自分は利己的な人間だとどこかで思っていた。
しかしあるいはそれは、そうでも思わなければもう確固とした寄辺が僕の中のどこにもないというだけかもしれなかった。
「失礼します、お父さん」
 だがそんなことはどうでも良かった。
 もう戻れない。
 そう心中に思うと、緊張の中に不思議と高揚感が混じった。
 ああ兄さん、早く、僕を迎えに来て下さい。貴方の高みから見れば遥か下、この堕落しきった僕のために、谷底まで。
 僕が呼べば彼はきっと来る。その自信はあった。
 そして僕は扉を開けた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )アイコタンと絡ませてみたかったのでつ…

長男出すまでが、意外と長くなってしまいました。
また投下しますので、もし良ければ読んでやって下さいorz

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