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kiss

                   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  タクミくんシリーズ。一学期のとある放課後。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  ほとんどエロだったり…
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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「キス…させてくれよ」
オレは託生の耳朶へ、これ以上はない甘い囁きをくりかえした。
「キスだけ、な?」
右手では抱きしめている託生の肩をやさしく撫でながら、左手では煽るように股間を揉む。
極上にきめ細かい肌の、耳のすぐ下へ唇をそっと押しつけてから、赤く染まっている耳たぶにことさらねっとりと舌を這わせた。
この口と、この舌で、託生を感じたいんだ。と、ボディーランゲージでも伝える。
「――いいだろ?」
思いがけず掠れた自分の声までがぞくりと快感をそそる。
「ギイ……っ」
降参とでもいうふうに託生はオレにすがりついてきた。
めでたく恋人の了解を得て、彼の制服のズボンのジッパーを静かにおろしていく。
下着からとりだした託生のそれの、質量をたしかめる。
にぎりこんだ瞬間、託生は、小さくため息をついた。
「……っ」
オレの耳元でその吐息は反則だ。
場所も時間もわきまえず、押し倒したくなるじゃんか。
恥ずかしさからだろう、オレの肩口へ額を埋めようとする託生の顎をとらえて口づける。
深く唇を合わせながら、オレはゆっくりと託生を背後の壁へもたれさせた。

屋根裏部屋に西日がさしこむ。
開け放った窓から見えるのは朱色を刷いた雲をうかべた空のみ。
野球部とテニス部のかけ声がきれぎれに聞こえてくる。
「……っ、ん」
託生はしどけなく足をひらいて、その根元にオレの頭をかかえこんでいる。
オレは託生の腰をつかまえていた。
ひときわ感じるたびに、まるで逃げたいみたいに後ずさろうとするので、しっかりと押さえつけている。

「……ーっ」
声も喘ぎも、必死で抑えている託生。
そのせいでオレの与える愛撫に溺れきることができないのだろう、なかなかイけないでいる。
放課後の校舎の片隅という、シャイな恋人にはどうしても情事に集中できないこのシチュエーションを、オレとしては最大限に利用して、さきほどから思う存分舌技を披露していた。
……いや、正直に言うと、好き放題にしゃぶっている。
口一杯に根元まで頬張った熱くてこりこりとしたこれは、けっして食い物ではない。
ではないが、非常に美味なんだ。こんなにも旨いものを味わうのは生まれて初めてというくらいに。
最も直截的なしあわせを舐めまわしている。
キスだけだと言いながら思いきりくわえこみ、舌をきつく絡みつかせてくねらせている。
あとからあとから湧いてくる唾液までもが甘い。
こんなにコレに自分が嵌れるとは、知らなかった。
去年同室だったときは、託生は恥ずかしがって結局させてくれなかったからな。明かりを落とした305号室のベッドでだって、いやがっていた。
そのことだけを思うと、逢瀬どころか視線を交わしあうことすらままならない現状にも溜飲が下がる。
今の託生は、求めれば、ここでその身にオレを受け入れることだってしてくれるに違いなかった。
――そんなあわただしくて乱暴な、まるきり性欲だけみたいなセックスなど絶対しないが。
しかし、そう確信しながら託生のものに吸いつき、唇も余さず使って頭を前後にふりながら容赦ない愛撫を塗りこめていくのは、深いふかい快感を呼び覚ます。
欲情を吐きだせばおさまる肉体的な快楽とは次元の異なる、熱くて昏い快感。
魂に響くと言えば聞こえはいいが、じっさいは脳内麻薬に中毒しているのであって、ここで託生とこういうふうに過ごすことを覚えてしまった煩悩はもうオレ自身にも制御が難しい。
「……っ!」
ふいに託生が、くしゃくしゃとかき回していたオレの髪をひっぱった。
指先にはとうに力など入っていない。痛かったわけではなかったが、オレは上目遣いに託生を見上げた。

瞬間、背筋に電流が走った。
潤みきった双眸と目が合って。
――いや、真っ黒な瞳はぼんやりとしているから、正確には目は合っていない――
「あ……ギっ、や…ッ」
小さく喘いで、託生は、つかんでいたオレの髪を自分のほうへ引き寄せようとした。
オレは愛撫も忘れて託生の上気した顔に見蕩れていた。
それに気づいたのは、焦れた託生がオレの後頭部へ指をかけたとき。
わずかに引き寄せられただけで、唾液が溢れた。その水音がやけに大きく聞こえて――
われに返った託生と、今度こそ目が合った。
「……あ、あっ、ヤだ…ギィ、……見ないで」
突き上げてくる恋情に堪えきれない風情で託生はきゅっと目をつぶり、その拍子に、目尻からこぼれた涙が桃色に染まった頬をつうっと滑り落ちた。
色っぽい、なんて言葉じゃとうてい追いつかない。
その、紅く色づきしっとりと濡れている唇に食らいつき。
肉の薄い両足をまとめて抱えあげて。
オレを突き刺したい――!
めちゃくちゃに突きあげて、一気にイきたいっ。
「……ッ」
「……ふ…あ、はあっ」
託生の先端からじわりと染みだした苦い液体が、オレの喉を焼いた。
オレは、ありえないことに、――情けないことに、急激に沸いた欲情のあまりの濃さに、かえって腰に力が入らなくなってしまっていた。
まあしかし、一瞬激烈に身の内を走り抜けた欲望のまま託生にのしかかっていたら、オレを迎え入れる準備など何もしていない託生を傷つけていたに違いないのだからしょうがない。
無意識の自衛だと思っておこう。脳裡に焼きついた今の託生のひどく艶っぽい表情も、思い出すのは一人寂しく寝る夜にだ。
……それにしても、素晴らしい貌だったな。
オレは頬だけでにやりと笑って、託生を追い込むべく愛撫を再開した。

******

託生の放ったものを飲み込んで、一滴残らず啜りとったあと、オレは制服のポケットからウェットティッシュを取りだした。
託生が情欲を搾りとられた余韻から覚めないでいるうちに、さんざん愛したそれを丁寧にぬぐって下着にきちんとしまい、最後の仕上げ、ジッパーを元通りにするところまでオレがやった。
「……ギイのポケットって、不思議だね」
ぽつりと呟く託生をそっと抱きかかえる。
「ん?」
「何にも入ってないように見えて、いつも必要なものがちゃんとそろってるんだもん」
オレは笑って、託生の頬に音をたててキスをした。
それはね、託生くん。オレがこういうコトをやる気満々で、そのために用意していたからなんだよ。こういうのはただ単に準備がいいって言うんだ。
まったく。オレを揶揄する格好のチャンスだろうに、無邪気に感心しているなんて。
そんな託生を、本当は、片時も側から離したくない。――本音を言えば。
しかし、だからこそ託生を、オレの肩書きやそれに群がる輩から極力隔離していたいのもまた偽らざる本心だった。
そう。二年のスキー合宿のとき、それをつくづく実感させられたっけな。
学生の分際で――自らの力量を資本に起業しているならともかく――肩書きなんぞ持っている自分が空しくなる。
けどそういうオレだから、わざわざ託生のいる日本の高校へ留学できたのも事実だ。オレはまだその矛盾にうまく折り合いがつけられないでいる。
「……あ、あの……」
託生が艶っぽい流し目でオレを伺う。
「どうした。そりゃ、まだ全然足りないだろうけどな。ここじゃこれ以上は無理だろ?」
「ち、違うっ! そうじゃなくて、今度はぼくが――その、ギイの、を……」
尻すぼみになる声。うつむいていく眼差し。伏せられる睫。朱を刷く頬。
愛しい――託生。

きっとそう申し出てくれるだろうと予測していたから、微笑って応えられた。
「オレならかまわない。けど、だから、今夜、来てくれよ」
託生はちょっと拗ねた目でオレをにらんだ。
「ギイってば、あいかわらず余裕だね。いっつもそうだ。ぼくばっかり、夢中にさせられて……」
まだ十分に潤んでいる瞳で気丈ににらみつけてくるその視線ひとつで、どれだけオレを煽ってるのかなんて、おまえにはきっと一生わからないんだろうな。
ふたりきりの今だからこそポーカーフェイスで無理やり抑えつけておかないと、おまえの身がもたないんだよ――
そう白状したっておまえは本気になどしないだろうってことまで、たやすく想像できる。
「そうかそうか、そんなに夢中になってくれたか」
「もうっ、ギイ!」
まぜっ返すオレにあっさり煙に巻かれて、ますます唇を引き結ぶ。
けどその子どもっぽい仕草と色づいたままの唇の紅さのアンバランスさに、結局オレは降参するしかないんだ。
オレを小突いてきた腕をつかまえて、その細い手首をひっぱって。託生の腕時計を、オレは覗きこんだ。
「おっと、もう時間だな。託生、オレはいくけど、おまえはあと、そうだな、三十分はここにいろ。ここから出るなよ」
「何? なんで? ギイだけずるい」
「ずるい、じゃないよ。そんな、めちゃめちゃ色っぽい顔を晒して歩くつもりか?」
「え、ええっ? ウソだっ」
オレはぱんぱんと順番にポケットを叩いて、今度は胸元から小さな鏡を取り出した。
「ほら」
自分の顔を確認した託生の頬が、さらにぽっと赤くなる。突き返してきた鏡を、オレはありがたく受け取った。
これで託生はここで確実に半時間はじっとしている。
けっして、閉じこめたいわけじゃないけれど。
オレだけが知っている託生の居場所というのは、なかなか魅力的なんだ。許せよ。

「わかったよ! ギイ、さっさといけば?」
「託生? ――託生」
そっぽをむく託生の耳元へ、オレは囁いた。
「今夜、消灯後、わかってるな?」
「知らないっ」
「託生。頼むから、絶対来てくれよ」
「ギイ……」
ようやくふりむいた託生は、オレの目をじっと覗きこんで。
その奥に託生の見つけたのはオレのほんの一部、かけら、氷山の一角だけのはずだ。完璧なポーカーフェイスでさえ隠しきれない。
でもそれだけで、十分伝わる。
託生は照れくさそうにうなずいた。
「わかったよ、ギイ。今夜、消灯後だね」

愛している。
託生、愛している。
自分がどれだけ恋人を煽りにあおったまま、仕方がないとはいえ何時間も焦らしたのか。
託生が気づくのは、――きっと明日の朝だ。

 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ソロソロシドウヘカエリマセンカ?
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) ナツヤスミナガスギ
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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