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後輩×先輩

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
オリジ。 急にチビ攻め+三角関係萌えが来たので・・・

「話があるんだけど、食事終わったら俺の部屋来ないか?」
「あ、はい。」
「待ってるよ。」
「早めに伺います。」
「おう、楽しみ。」
夕食の席でこんなやりとりを自然に交わせるようになったのは、いつからだろうか。

彼は同僚になって日も浅い頃から、俺にはよく付き合ってくれていた。180以上ある俺と並べば頭1つくらい違う背丈。
感情の動きをあまり表さない、憂いを含んだようにも見える眼差しが印象的な童顔。仕事は堅実で優秀なのに、
謙虚でおとなしい人柄。彼を自分の方に振り向かせようとする連中は多かったが、彼はとにかく引っ込み思案で、
あまり人と交わらなかった。だが彼は、俺が何かにつけ食事なんかに誘った時には、決して断らなかった。
妬ましそうな周りの視線には優越感をくすぐられたし、可愛い後輩を連れて歩くのは悪い気分ではなかったし・・・
何より真っ直ぐなその目で見上げてくる彼に慕われて、俺は嬉しかった。

「お前は入りたての頃、俺に憧れてるなんて言ってたな。」
「今でもそうです。」
「ははは、物好きだなあ。」
「そうですか?」
「いやだって、俺のどこに憧れるって言うんだ?」
「優しくて、明るくて、努力家で・・・こういう大人になりたいと思いました。」
「そんなに褒められると照れるなあ。」
「ほんとの事ですから。」
「うん、よし、お前は見る目あるよ。」
2人きりになった所で交わす、気軽でちょっと甘いやり取り。こんな時も、この子は本気だ。

彼と親しくなってしばらくして、俺は彼が本気で恋をしている事に気付いてしまった。問い詰めたら、彼はあまりためらう事もなく、
しかし切実そうな顔をして相手の名前を口にした。彼の「親友」という触れ込みの、同い年の同僚だった。
明るくて体格も顔も良く、男女問わず社内で一番人気のある奴だ。俺はもう、色んな意味でショックだった。男だったなんて・・・
つまり、俺にもチャンスはあったという事じゃないか。それにその「親友」に彼がそんな目を向けていたなんて、
全く気付かなかった。この子の事は俺が一番よく知っている、と自惚れていた自分が情けなく思われた。
そして最もショックだったのは、俺がこんなにショックを受けてあれこれ考えてしまって、挙げ句嫉妬してしまっている事だった。
どうやらまだ相手は彼の思いを知らないらしい、という事だけがただ1つの救いだった。

「なあ、あいつの見舞い、行ってるんだって?」
「はい。」
「そうか、どんな様子?落ち込んでなかったか?」
「それほどでもないと思います。」
「・・・みんな忙しい時期に安静にしてなくちゃならないなんて、相当辛いだろ?」
「はい、でも、今はしっかり治す事だけを考えてるって。」
「んー、あいつも大人になったもんだな。・・・お前のお陰だろうな。」
「確かに落ち着きましたけど」
「いやいや、お前が落ち着いてるから。合わせてるうちに成長したんだよ。妬けるね。」
後輩とその親友を見守る俺。今でも表面上はそれを保ててるんだから、不思議だ。

彼と自分自身の恋心に気が付いても、俺は身動きをとれなかった。彼の背中を押す事もできなかったし、
自分の思いをぶちまけてしまう事もできなかった。このまま彼の「親友」が俺たちの気持ちに気付かなければ、
すべては今まで通り、誰ともいい関係でいられるような気がした。しかし・・・知ってしまったからには、
やはり何かが違った。俺は「親友」の2人をずっと見守って、いや見張っていなければ気が済まなくなった。
2人を見ていて俺は、彼の思いはとうに叶っていると確信した。
切ない目をする彼に、それを伝えてやるべきだったんだろうけど、それはできなかった。
酒には強いこの後輩がほろ酔いで俺の胸に甘えてくるのも、トロンとした目で俺を見上げてくるのも、
この危ういバランスを保っていればこそだと思っていたからだ。

「隣においで。」
「は・・・い。」
「まただいぶ、髪が伸びたな。この髪、好きなんだよな。」
「今度切ろうと」
「だめだめ、長いままの方が触り心地いいんだよ。それに可愛いおメンにあってる。」
「可愛いなんて・・・もうとっくに三十路ですよ。」
「幾つになってもお前は可愛いんだからしょうがない。いつまでたっても日焼けしないし、顔のパーツは変わらないからな。
・・・フフ、背も変わってないしな。」
「どれも変えるのは難しいですね。」
「変わんなくていいぞ。ずっと俺が可愛がってやるから。」
そう、俺はいつでもこの子をこうやって可愛がっている。何があったとしても。

彼はある日シラフで、俺の腕の中で無邪気な顔をして、先輩を抱いてもいいですかと言った。
想像もつかなかった申し出にあっさり俺が応じてしまったのは何故なのか、今でもはっきりとは分からない。
濡れたような瞳に引き結ばれた唇、引き締まった顎に白い頬・・・見慣れているとはいえ、
どうにもそういう気分になるような顔ではあった。片恋のためか愁いを感じさせるような、低目の声にほだされた、とも言える。
ずっと可愛がってきて、密かに手中にしたいと思っていた後輩に今、どういう形にせよ自分が求められているというのが
嬉しかったのかもしれない。いつも真面目で潔癖に見える彼が見せた熱い眼差しに、押し切られた所もあると思う。
そして彼の「親友」殿をさしおいて一歩踏み出せるならば・・・という考えも、なかったとは言えないだろう。

「先輩。」
「分かってるって。慰めて欲しいんだろ?ん?」
「慰めてなんていうつもりじゃないです。」
「あ、すまん。・・・こんな時にもマジメで可愛いな、って言ったら怒るか?」
「いえ。」
「ん・・・そんなに抱きつくなよ。俺は逃げたり、しないから。な?」
「先輩・・・」
「ちょっと、ちょっと待て。電気消そうぜ、いい子だから。」
慰めてやってるわけじゃないのはよく分かってる。こんな風に懐かれるのが、俺の望みでもあるんだ。

最初は、後先考えていなかったが、漠然とこれきりだろうと思っていた。しかし結論から言うと、俺は彼に溺れた。
彼は上手だったし、何だか倒錯的な快感が忘れられなかった。厚みはあるが白くて小さい手とか、
いつもきつく結ばれている唇とかが俺の身体の上を這う。先輩先輩と俺に小さな身体を寄せてきながら、
俺の理性を少しずつ確実に崩していく。そこまで来ればもうされるがまま、後は彼の動きに酔っていればよい・・・。
彼もまた、俺が誘えば大抵は断らなかったし、いざ2人になればすべてに一所懸命な所を見せてくれた。
俺は彼にとって都合のいい存在になってるんじゃないだろうか、とは一度ならず思った。それでも構わないと今は言える。
彼は俺の前では俺に本気だし、俺は彼に・・・酔っていたいのだから。

「早く起きて下さいよ。」
「もうちょっとゆっくりしよう・・・胸板厚いね。着やせするタイプだ。」
「重たいです。」
「そりゃお前よりはな。あいつも多分、これくらいの重さだぞ。いや、もっと重いかも。」
「・・・はい。」
「だからな、これくらいで重いなんて言っちゃ駄目だ。もうちょっとこうさせてくれよ。」
「もう起きましょうよ。」
「いい胸だなあ、うん。何かこう、すべすべで気持ちいいし。あいつに渡したくないね。」
「・・・先輩。」
「仕方ないな、今日はこの辺で勘弁しておいてやる。また来いよ。」
「はい。」
常と変わらない表情で服を身につける彼は、朝の光の中、まぶしいくらいにきれいだ。

彼に出会ってもう、10年になる。最近の彼は、焦がれ続けた相手に友人としてではなく、近づこうとしている。
怪我をした「親友」の見舞いに足繁く通い、そういう時は彼の魅力を隠さない服装もするようになった。事情を知っている俺は、
彼を影から応援する事にした。彼の思いを遂げさせてやりたいからとか、彼の喜ぶ顔を見たいからとかだけではない。
そんな幸せな彼を、ずっと俺の傍にいさせたいのだ。彼もまた、俺の思いには気付いているはずで、
その上で俺のさりげない助言を受け取っている。お互い覚悟を決めて恋に臨んでいるという点では、同志になった気分。
そして長く続けてきた関係が、精神的な支えになっている。
彼の手を、俺ははなさない。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
突発萌えそのまま投下ですみません。スレ汚し失礼


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