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鬼畜聖職者×オレ様鬼畜吸血鬼 6日目

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ ) やっぱり今日も終われなかったorz

翌日から夜警を数人で行動するようにしたが、司祭の尋常さに欠いた所業の前では功を奏さなかった。
一撃を食らって身動きを封じられ、一人ずつ犯されていった。
司祭の去った回廊には数人の死体。
犯されて、おそらくは臓器が破裂したのだろう。
ショック死した者もいた。
…………たりない。
何人も陵辱したというのに、司祭の渇望ともいうべき情欲は全く満たされなかった。
――――足りない。
なぜ。
ふと、吸血鬼の姿が脳裏を掠める。
ああ……。あの人をまた抱きたい。
彼は、今どこ?
またふらり、と夜の中を彷徨った。
二人がはじめて会ったあの場所……。
しかし、吸血鬼の姿はどこにもいない。
当然だ。
そんなことが何日も繰り返され、けれど、眠りを必要としない司祭は朝には理性を取り戻していた。
夜のことが、記憶の断片としてある。
全て自分のしたことだと、自分は化け物なのだと、司祭は慟哭して自責続けた。
自分を慕ってくれていた者がいた。
自分が目をかけてやっていた者もいた。
「……これが……あなたの『毒』ですか?」
なんて、残酷な。
なんて冷酷な。
「……あんまりだ……!」
本当に狂ってしまいそうだと思った。

――――いや、少なくとも夜の自分は狂っている。
このまま、全て狂ってしまえたら楽なのに。
殺してよ。
誰か、殺して。
この姿だ。昼のうちに表に出れば、きっと殺してもらえる。
そして、地位も名誉も全てが剥奪される。
彼の望み通りに。
「……でも『狂いながら死ぬ』のではなく、私は『狂う前に死にます』よ」
そう呟いて、司祭ははじめて白昼に姿を人前に現した。
修道院中が騒然となり、腰を抜かして動けなくなる者、悲鳴を上げながら
怯える者、敵意をむき出しにする者など様々だった。
やがて、誰とはなしに猟奇的なあの事件の犯人はこの司祭なのでは、と声がして皆が
同調し――――司祭を征伐すべく体制が整えられる。
純銀の鎖と聖水。そして心の臓を打つ杭が用意され、司祭に向かって襲いかかる。
司祭は、いっさい抵抗をしなかった。
鎖で身体を拘束され、かけられた聖水に身体が焼け爛れても悲鳴を堪え続けた。
先日まで寝食をともにした仲間に襲われる司祭の姿は、吸血鬼を愉しませただろうか。
ふと思い、司祭は自嘲する。

表面上の付き合いしかせず、心を許した者などいなかった――――。

騒動が終わって、残された光景はまさに罪人のそれだった。
両手の平に杭で石壁に張りつけられ、心臓は太い杭で潰された。

……それでも、司祭は死ななかった。
心臓を貫かれた時は「これで死ねる」と安堵し、激痛故に気を失った。
目が覚めれれば、身体の傷は再生を終えていて外れた杭が転がっていたのだ。
修道院の者たちが「司祭を退治した」と思い込んで撤退した後のことである。
司祭は絶望した。
瞳から涙がこぼれる。
何故。何故、なぜ。
譫言のように繰り返す。

『――――楽に死ねると思うなよ』 

頭の中にあの時の声が聞こえた。
ああ、そうか。そういうことか。
死ねないんだ、私は。
あの吸血鬼にしか私を殺せる者がいないんだ。
彼を捕らえるべく様子を窺っていた光景を思い出す。
血を吸われて、消滅していった『獲物』。
私は、あの人の気が晴れるまで行かされ続ける――――。
そして夜になれば、色に狂った自分がまた罪を重ねる。
彼を求めながら、代わりを見つけようと動き出す。
司祭はたまらずに全身で絶叫した。
「……は……ははっ…………うわあああああぁぁぁぁぁぁっ!!」

[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チュウダーン! 明日こそ本当に最終回。吸血鬼タン登場します。


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