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更新日: 2011-04-29 (金) 11:31:04
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )日曜朝のキバから31~32話の間の妄想だよ。
砂霧はもう眠っただろうか。
野亜は視線を横に向けて隣のベッドを伺う。
かすかな寝息を立てて眠る砂霧を見つけると、野亜は起こさないようにそっと部屋を出た。
長い通路を歩き、その突き当りの豪奢な装飾の扉の前に立つ。
ノックをすると中から入るようにと声がかかった。
現在の野亜の体は一見すると健康なのだが、強い力を持つ灰ラムによるヒーリングでなければ体調を保てない程に衰弱しきっていた。
日中公務の忙しい灰ラムは夜しか時間が取れず、野亜はいつからか毎晩灰ラムの部屋へ通うようになった。
扉と同じく豪奢な装飾の施された部屋に入ると衣服を脱ぎ医療用コルセットを外すと灰ラムのベッドに横たわる。
より効果的なヒーリングのためとはいえ、明りのついた部屋で一糸まとわぬ姿を見られる恥ずかしさに頬が紅潮する。
灰ラムの手がかざされた部分が心地よい光と暖かさに包まれると、野亜は目を閉じてヒーリングが終わるのを待った。
しかしすぐにヒーリングの暖かさが消えた。
「灰ラム様?」
怪訝に思い身を起こした瞬間、野亜の体に電流のような衝撃が走り一気に力が抜けた。
灰ラムはベッドに倒れこんだ野亜の上に覆いかぶさると、野亜のペニスをやんわりと握った。
「?!放して下さい!」
野亜は声は出せるものの、首から下を動かすことが出来なかった。
「ほう、マニュー場シャー度を使っても完全に動きを封じられるわけではないようだな。」
握った手を動かしながら下卑た笑いを浮かべる。
「だがそのほうが楽しめると言うものだ。」
「灰ラム様!止めてください!!」
叫ぶ野亜の耳元に灰ラムが囁きかける。
「抵抗すればあの規律違反の少年、Z゛と言ったかね?彼がどうなるか、お前ならわかるだろう?」
野亜は目を見開いた。
ジャウス戸のときZ゛は仲間を助けるために規律を破っている。この国では絶対規律を破ったものはどんな些細な罪でも処刑されるのが通例だ。
「今夜からお前が私に抱かれると言うなら、あの少年の件は考えてやろう。」
「Z゛の罪を、無かったことに、していただけるのですか?」
灰ラムは野亜の返事を待っているかのように、手を止めてじっと野亜を見つめている。
野亜は目を閉じてZ゛の顔を思い浮かべると、血の気の引いた唇で、
「灰ラム様、僕を、抱いて、ください。」
か細くそう答えた。
静寂の中、Z゛は誰かに呼ばれたような気がして目がさめた。
周りを見渡したが誰も居ない。
水でも飲もうかと立ち上がりかけたとき何かが光った。
月明かりを受けて光る、羽飾りの付いたお守り。
ベッドの端に腰かけ、肌身離さず持っているそれをそっと手に取る。
「……野亜……。」
ポツリと呟くと、もらった日のことを思い出す。
そしてついこの間のジャウス戸のことも。
野亜は本当に、ずっと俺を憎んでいたのだろうか……?
答えの出ない問いにZ゛は眉根を寄せると考えるのをやめて布団をかぶった。
静寂の中、野亜は誰かに呼ばれたような気がして目が覚めた。
周りを見渡すと豪奢なな装飾の施された室内が目に入る。
ああそうだ、僕は灰ラム様に……。
月明かりが朱と白で汚れた野亜の体を浮かび上がらせる。
のろのろとした動きで簡単に汚れを拭き取り、ベッドを降りると、コルセットと服を着た。
部屋を出ようとしたそのとき、背後から声が聞こえた。
「明日も今日と同じ時間、ヒーリングを受けに来なさい。」
野亜は返事をせずに部屋を出た。
長い通路を歩くと、だるさと鈍い痛みが体中に走る。
抱かれている間中、灰ラム様の名を呼んでいても心の中でZ゛を呼んでいた。
「っう……Z゛……Z゛!」
声に出すと途端に涙が零れ落ちる。
僕はもうあの頃のように君と並んで歩くことは出来ないだろう。
なのに、君を忘れたいのに、忘れることも出来ないでいる。
Z゛、僕は、僕は……。
野亜は自分を抱きしめるようにすると、壁にもたれずるずると落ちていった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )
すんませんお目汚しスレ汚しほんますんませんでした。
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