Top/20-99

荷氏乃×舵藁

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                    |  ナマ注意。ゲ仁ン。禁紺。
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  1年以上前のラジオネタ。
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 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ツッコミが迎えにくるらしいよ。
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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「なあ、どこの□ーソン曲がったらええの?」

期せずして目覚ましがわりとなってしまった着信音のあとに聞こえてきた、
笑いをこらえるような声を、現実のことと捉えられなかったのは、
なにもこちらだけの落ち度ではあるまい。
「…あ……?」
「はは、寝起きや」
「…おん」
返事をしたあとようやく、今手にしているのが携帯電話で、その先の笑い声が木目方のものであると理解した。
「なに?なん?□ーソン?」
一気に目が覚めたのは良いものの、相手の言っている意味が分からなくて、
疑問符ばかりを繰り返す俺に返ってきたのはいつもの大爆笑だった。
耳に馴染みすぎた独特の笑い方が、寝起きの頭に響く。
「もお、なんやねん。きしょいわ、引き笑い」
「忘れたん?朝、車でむかえに行ってえ、ドライブスルーで飯食ってえ、」
「富士Qでフジヤマ…?」
「覚えとるやんか」
誘導されるように思い出したラジオでの自分たちの会話。
もしオフの日に2人で会うとしたら何をするかなんて馬鹿馬鹿しいことを、半笑いでしたのだった。

2人で会うことに抵抗があるのは、むしろ相手のほうで、
まさか何か行動を起こしてくるとは思っていなかったのだが、はたとあることを思い出す。

そうや。こいつは人を驚かすためだけに沖縄に旅立った男なんやった。

ふうとため息を吐く。あきらめたような、何故か落胆したような色がにじんでいた。
「そこ、ちゃうわ。もいっこ先の□ーソンや」
「…ほんまに□ーソンあんねや」
「知っとって言うてんのか思うとったわ」
「知っとるわけあれへんやん。見たことないもん、アンタん家」
「今日かて見せへんぞ」
「なんでや!」
この俺がここまで来てやったのにその言い草はなんや、とでも言いたそうな声に、呆れを通り越して笑えてきた。
枕元に置いてあったチェーン付きの財布とケータイとキャップを掴んで、
精一杯の「しゃあないなあ」を含んだ声で電話口に言った。
「俺が降りてくし、や」
突然の訪問に、どれほど驚き、どれほど嬉しさを感じているかなど、あいつは知らない。
寝ぼけていた頭では湧かなかった実感が、一歩踏み出すごとに否が応でも深まっていく。
マンションの階段を降りていく足取りが早くなり、エントランスを抜けるころには、
それは早歩きですらなくなっていた。

「おまえは、帽子がカバンか」
目印にしたコンビニエンスストアの角、ニット帽を被って空を見上げていた、良く見知った顔が、
こちらを見止めた瞬間、皮肉っぽく笑った。視線を追うと、こちらの手元。
財布とケータイをキャップに突っ込んだまま持ち歩いていたのを揶揄されたことが、
まるで自分の心情までも暴かれたように思え、ひどく動揺する。
「流行っとんねん、今。おまえには分からんやろけど」
「おーおー、今度来るときは、ふろしきで来たるわ」
並んで歩く、これほど単純な行為が、こんなにも不自然なことだとは思わなかった。
何気ないふりをして、ジーンズのポケットに所持品を収め、キャップを被る。
ハッと小ばかにしたような笑いが、頭上で弾けたが、振り返ってやりはしなかった。
「はは、好きやで」
からかう声のまま、そんな言葉が降ってくる。
そんなことに、いちいち動揺を覚えているなど、死んでも悟らせるものか。
「そら、ありがとお」
精一杯の平静を装って、棒読みでそう言った。
こんなふうに、冗談めかしてネタにしてしか会えない自分たちの関係は、
もういっそ清々しいくらい、穏便だ。

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 | | □ STOP.       | |               1日のデートプランを寸劇のように語り合う2人が
 | |                | |           ∧_∧ 微笑ましかった1年以上前のことを思い出してみた。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) 懐かし。
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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