某3on3格ゲの大佐と中尉
更新日: 2011-05-03 (火) 11:30:18
なんか1フレーズだけ思い付いてしまって、かといってちゃんとしたSSにもできず、
どうにもならないのでこちらに書き置かせてください。すみません。
某3on3格ゲの大佐と中尉です。このレスだけで終わりです。
眠るあなたの肌に、そっと指先で触れてみる。自分のそれとまるで違う、
あなたの肉に触れてみる。
歳はさほど離れていない。しかもこの十年近くは、同じ場所で同じ暮らしをし、
同じものを食べて、同じ死線を越えて来た。
それなのに、まるで違うあなたと俺の体。みっしりと重なった筋肉だとか、
あちこちに残る傷跡だとか、そういう共通点は数え上げればいくらでもある。
けれど、たぶん根本的な何かが違うのだろう。
当然だ。体を重ねるほど近くにいても、所詮は違う人間なのだから。
どうあがいても、まったく同じものにはなれない。
あなたの髪に指を差し込んでみる。癖の強いあなたの髪は、情事の名残か
少しもつれて、簡単には指が通らない。めったなことでは絡まない俺の髪とは
やはり違う。
昔は、その違いが寂しかった。いっそどこまでも同じものになって、
溶け合って、ずっと離れられないものになりたかった。ひとつのものに
なりたかった。
明日という日がわからない場所で生きているから、余計にそう思ったのかも
しれない。明日も一緒に生きていられるという保証がないから、明日はどちらかが
死んで、一人残されるかもしれないから、そんなふうに考えたのかもしれない。
今は違う。この違いが愛しいと思う。たとえ水と油ほどに違っていても、
俺たちはひとつに溶け合えて、また離れて隣に立つことができる。それが
嬉しい。今ではそう思えるようになった。
だからそっと、あなたの肌に触れている。眠りに落ちるまで、そっと
あなたの肌に触れている。 違う存在だからこそ、あなたの背中を守ることができる。それが嬉しい。
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