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僕→元就様

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僕が小姓として元就様のお側近くにお仕えするようになって、半年ばかりが過ぎた。
先の戦で、元就様と僕とのたった二人だけが生き残って帰城した時以来のことだ。
山ひとつ丸ごと爆薬として使い、二万の敵兵を、四分の一の味方で全滅させた、あの戦…

元就様は身の回りに人が大勢いるのを好まれないから
僕はほとんどひとりきりで、元就様のお世話をしている。
とは言っても、元就様は何をなさるにも、
人に言いつけるよりはご自身でなさることの方が多いので
僕の仕事は本当にささやかなお手伝い程度のことばかりだ。
お食事をお部屋までお持ちしたり、お湯殿へお着替えをお持ちしたり。
お食事の時だって、僕が目の前で口取り(毒見)を済ませた後は、
元就様は僕をお部屋から下がらせておしまいになる。元就様は給仕さえ必要となさらない。
お湯殿へ渡られた時だって、
お背中をお流しすることも、お着替えを手伝うことも求められない。
そもそも、側小姓の僕にさえ、
元就様は「半径五尺以内に近づくな」との命を解いては下さらない。
お髪だってご自身で始末をつけてしまわれて、切るのも梳くのも手づからなさる。
ゆるりと伸ばして結い上げれば、さぞ美しかろうと思うのに、
首に掛かる程までに伸びたら、もういかにも鬱陶しげに振り払って、
お部屋に篭って徐に剃刀をお手にあそばしている。
伸びたお髪をばさばさと乱暴に切り払われるので、散髪を終えた元就様の首や頬には
うっすらと赤い傷がついていることもしばしばなのだけれど、
それを労わる言葉を掛け申し上げることさえ、僕たちには許されていないのだった。

元就様はお城では常に、古式ゆかしい直衣をお召しになり、烏帽子を冠っておいでなので
戦場で鎧具足に身を固めておられる時と同様、お顔以外の肌はほとんど見えない。
袴の裾と袖の先からわずかに覗く爪先が目に入ると、僕はえも言われぬ背徳を感じる。
その白い指と薄い爪の形を目に焼き付けながら、
なぜか後ろめたさに元就様のお顔を盗み見てしまうのだ。
元就様は僕の視線にお気づきになると、こちらを見もせずにただ淡々としたお声で
「なんだ」
とお尋ねになる。僕は慌てて平伏して
「何ものうござります」
と震える声で答えるばかりだ。

時には元就様は、薄布でお顔を覆っておしまいになることさえある。
布の端と端を耳から耳へ渡して、頬から下のお顔をお隠しになるのだ。
細い眉と切れ長の目しか見えなくなった元就様のお顔は
作り物めいた美しさが際立っていっそ恐ろしいほどだ。
布越しにかすかに見える唇が動いて、短い言葉で何かを命じられると、
元就様の吐息に揺れる布の動きにうっとりと見蕩れてしまい、
返事が遅れることがしょっちゅうある。
なぜ顔布などお召しになるのか、美しいお顔を僕ら下々に見せるのがお嫌なのだろうか、
などと、初めの頃僕は思っていたのだけれど、
近頃漸く僕は気づいた。
元就様は、お体の具合が優れない時、即ちお顔の色が優れない時に、
顔布をお召しになるのだということに。

お城のことも国のことも戦のことも、誰の手も借りずにたった独りで取り仕切る元就様は
朝から晩までお部屋に籠り、何くれとお働き遊ばすことに暇がない。
朝は日の出より早くご起床されて払暁の日輪に手を合わせられ、
夜になってもお仕事の手は休まらず、東の空が白む頃まで
お部屋に灯りが灯っていることもしばしばだ。
そんな激務の毎日を、あの細く薄い両肩で負っておいでというだけでお労しいのに、
あまつさえ元就様ときたら、人一倍食が細くていらっしゃる。
お顔の色が優れない日が多くてあたりまえだ。
僕はそんな元就様のご様子を、ずっとずっと、ただ気を揉みながら見守っていたのだけれど
このたびついに、ご意見申し上げる決心がついた。
元就様のやりように楯突けば、どんな恐ろしい罰が下されるか知らない訳ではないけれど、
この命はそもそも、あの日、あまたの仲間たちと共に散っていたはずの命なのだ。
そう思えば、いまさら元就様に切り捨てられることになったとして、何の惜しいこともない。

ある朝、僕は元就様が朝餉を召し上がっていらっしゃるお部屋前の廊下に控えながら
さすがに緊張していた。
やがて、膳を下げよと元就様の声が聞こえて、僕は大きく一度深呼吸してから
傍らに用意しておいた土瓶と椀を捧げ持ってお部屋へ入った。
今日も顔布をお召しになった元就様はわずかに眉を顰め、首を傾げておられる。
背筋にじっとりと汗が流れるのを感じながら、僕は元就様の前からお膳を下げ、
代わりに土瓶を進めた。
「おそれながら」
元就様の前に平伏して、ごくりと唾を飲み込んだ。
「この煎じ薬は、一日に朝晩の二度ずつ服しますと血の道が開き、
 臓腑が暖まり、身体髪膚悉く溌溂と致します。
 わが祖父は四十の頃よりこの薬を飲み続け米寿を迎えるまでの長命を得ましたし、
 また、わが嫂は産後の肥立ちが悪く床から起き上がることままならずにいた折、
 この薬を飲んでより忽ちに快復し、乳の出も良くなりました。
 差し出たこととは存知まするが、元就様のますますのご健康の為に、どうぞこのお薬を…」

ここまで一息に言ったら、あとは喉が詰まり舌が絡まって、何も言えなくなってしまった。
元就様のお体のことを思う僕の気持ちに偽りはないのだけれど
わざわざ布でお顔を隠してまで、体調の優れないのを隠そうとしていらした元就様は
出すぎたこととお怒りになるかもしれない。
覚悟を決めていたとはいえ、僕は冷や汗が流れるのを止めることができなかった。
長いのか短いのか判らない沈黙の時間を、
うまく動かない喉を必死に動かして唾を飲み込みつつ僕は耐えた。
「…我は乳など出ぬ」
「は?」
不意に元就様の声が聞こえ、僕は思わず顔を上げた。
元就様が小さくお顔を動かしたので、顔布がふわりと揺れた。
一瞬遅れて僕は、元就様が顎の動きで、僕に薬を試せとお命じになったのだと気がついた。
僕は急いで土瓶から薬を、ちょうど一口分だけお椀に注ぎ、
元就様に喉仏の動きをお見せるするようにして飲み込んだ。
空になったお椀を膳に戻して再び畏まった僕の顎を、元就様が閉じた扇で上げさせなさる。
元就様の切れ長の目が、僕の顔をじっとご覧になっている。
今飲んだ薬が僕の体に及ぼす効果を見極めようとしていらっしゃるのだ。
薬の為ではなく、僕は顔がかあっと赤くなるのを感じたけれど、顔を逸らす訳にはいかない。

やがて元就様は、膳からお椀を取り上げて、僕に向かってずいと差し出された。
お薬を注げとお命じなのだ。
僕は手の震えるのを無理に抑え付け、土瓶からまだ湯気の立つ煎じ薬を注ぐ。
元就様は両手で口元までお椀を運ぶと、顔布を方端だけお外しになってから、
優雅な所作でお椀に口をお付けなされた。
とても苦いお薬なのだけれど、元就様は眉ひとつ動かさずにお飲みになった。
空になったお椀を膳へお戻しなされた元就様が、再び布で顔を覆っておしまいになるのを
僕は少し勿体無いような思いで、けれどうっとり見守った。
元就様が音もなく立ち上がった。お部屋を出て行かれるのだ。
僕は元就様の前から膳を退け、平伏する。
「朝晩二度、か」
頭の上から、元就様の声が降ってきた。
「は、はい。左様にござりまする」
平伏したまま僕は答える。
「ならば今晩も、持て」
元就様の声。そして、お部屋を出て行かれる気配。
元就様の足の爪先を目で追いながら
「ははぁッ」
僕は感激に身を震わせて、床に額を擦り付けた。

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