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弟→兄

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  某学園お馬鹿893ドラマより
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  ワンコ捨弟は見た! 聡明弟→馬鹿兄
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 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
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ふと、異質な気配がして目が覚めた。
このエーゲ海本宅、兄貴の寝室に入り込もうとする有り得るべからざる侵入者。とんでもない存在を
認知して、一瞬の自失からすぐさま我に返る。
急いで、けれど日々の御勤めで疲労困憊で寝入っているであろう兄貴の邪魔をしないよう、細心の
注意を払って俺は身を起こした。半開きの扉の陰から兄貴の寝室を窺う。
「あ……」
漏れ出た声を慌てて飲み込んだ。不埒な侵入者を殴り飛ばすが為に固められた拳は、その正体を
認めて力を失う。
俺の眼に映ったのは、幹雄さんだった。
俺の兄貴の血を分けた弟で、逆らうことの許されない主筋。兄貴と似たすらりと伸びた姿が、兄貴の
ベッドのすぐ傍らに佇んでいた。
拳は、そのまま声を押さえようと唇を覆う。
「兄さん……」
静寂が満ちる中、幹雄さんが低く呟く。
幹雄さんは、兄貴の寝顔を不思議なまなざしで見つめていた。
ぎしり、とマットレスが深く沈んだ。幹雄さんが兄貴のベッドに腰をおろしたのだ。
その手が兄貴に伸びるのを、俺は為す術も無く見つめていた。

「かわいそうに、こんなに疲れて……敏い兄さんが、僕がこんなに近づいても気づきもしない」
健やかに眠る兄貴の頬をそっと撫で上げる仕草は、大切なものを扱う優しさに満ちていて。

兄貴に、何をする。触るな、指一本触れんじゃねえ。すぐさま離れろ!

胸の中では、そんな罵声がきこりのように強く打ち続ける。けれどそれを口にすることは俺には
許されない。
口元に当てた拳を強く握り締める。目の前で幹雄さんはさらに兄貴に触れていく。
深く眠る兄貴をそっと抱き上げ、髪をかきあげる。露わになった額に、幹雄さんは口付けた。

ひゅっ、と俺の咽喉がなる。

力なくのけぞった首筋に唇を押し当てて。
ふいにその瞳が俺を射た。
「かズや?」
その一言、まなざしだけで俺は動けなくなる。兄貴を胸に抱きしめたまま、幹雄さんはこちらに顔を向
けて微笑う。

「兄さんは、変わってしまったの?」
俺は、何も返せない。
「誰よりも強くて、誰よりも傲慢で、誰よりも美しかったのに」
歌うように嘲るように。兄貴を抱きしめ、幹雄さんは尚も言う。
「兄さんが、高校生なんかと一緒に勉強してるなんて。それで、僕の兄さんが変わるなんて」
ぎゅっと兄貴の体に捲いた腕に力が篭った。
「許せないよね」
白い光が幹雄さんの瞳を過ぎり、俺はびくりと身を竦ませた。
俺が下手を言えば、兄貴が、俺の兄貴が殺されてしまうのではないか。

そんな。そんな――。

兄貴は、誰よりも強い。その兄貴を、病弱だった幹雄さんが殺めるなんて。
そんなわけ、あるはずがないのに。

埒もない想像。
その筈だったのに、その時俺が感じたのは本能的な恐怖だった。

「…………兄貴は。ガッコーなんて、クソだ、と」
やっとの思いで絞り出したのは、数ヶ月前の兄貴の言葉で。
俺の心の奥底まで見透かすようなまなざしを、兄貴の声音を思い出して懸命に見返した。
「――そう。そうなんだ。……兄さんは、変わってないんだね」
ふわりと幹雄さんの瞳が蕩ける。柔らかい微笑みが唇に浮かび、兄貴に向けられた。
俺は呪縛を解かれて、ほっと息をついた。
と、幹雄さんの腕の中で兄貴が身じろいだ。
「…っだよ、ちくしょ……ツルゲー、フだぜこ…野郎」
眉をひそめてむにゃむにゃと口をうごめかし、けれど兄貴は再び眠りに落ちる。
「兄さん」
ふふふ、と笑い幹雄さんは滑らかな頬に己の顔を寄せた。兄貴は、何も気づかない。
「ずっとそのままでいて?――僕が、兄さんを守るから」
唇を奪われても、長い睫は伏せられたまま穏やかで動かない。
ひどく綺麗に微笑む幹雄さんに抱かれ、兄貴はすべてを預けて力なく腕を投げ出している。
その絵は俺にはまるで死を表わしているようで。
身を震わせ、目の前の光景に背を向けた。
けれど。
幹雄さんの笑いと、その腕で死んだように眠る兄貴の静かで綺麗な貌の記憶は、いつまでも消える
ことなく。
狂おしいほどに俺を苛んだ。

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ナンデ捨弟ガイルンダトカハ無視!ネタダカラネ。
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スミマセンスミマセン。今後ノ展開ガ怖イヨorz


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