ホーム > 18-442

上司×部下

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  情事あ缶コーヒーCMモナー
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  上司×部下 で朝チュン
 | |                | |            \ 某スレのリクに答えてみました。
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

地方出張からの帰り道。バスの車内で双子の子供が睨み付けてきた。
二人並んでバスの座席に後ろ向きに座り、座席の背もたれから頭を出して、後ろの座席に並んで座った俺と上司へ、明らかにロックオンしている。
他にも強い視線を感じて、横を見ると、通路を挟んだ隣の座席にもうひと組双子がいて、やっぱり同じように俺と上司を睨み付けていた。
二組の双子はどこか神聖なたたずまいで、バスの中がひどく非日常的な空間に感じられた。
その無垢な様子に不似合いの責める様な眼差しを避けるように、上司の方を見る。
目が泳いでいる。悪い事をして、バレているのに必死で隠そうとしている愚かな子供の様だ。
「なんだよ」
そんな上司を庇う気持ちになって、天使の様な子供らに向かって唾を吐いた。
でも、俺も同じように責められている。俺も同じ様な表情をしているだろう。
首筋に昨夜の痕跡を探った。

「すまん…」
「何で謝るんですか?」
背から解かれようとする腕を必死に絡め取って、
「先に舌入れたの、俺の方ですよ?」
気持ちは焦ってるのに、ちょっとおどけてみせもする。
それでいて、視線は逃さず、噛み付くように言い放った。
「謝るのは、俺に欲情したからですか?」

─この契約がとれたら、ほうびを下さい。俺の言う事ひとつ、聞いて下さい。

ホテルの上司の部屋で、窓際にしつらえられたイスに座って夜景を見ながら、小さなテーブルを囲んでささやかな祝杯をあげていた。ここまで出張してきた甲斐あって、大口の契約が決まったのだ。
「亘理さんのサポートのおかげです」
「お前の作戦勝ちだ」
どちらからともなく、もう一度乾杯する。
「人の気持ちに真直ぐに切り込んでいく、粘り強さもある、いいプレゼンだった」
上司─亘理さんは、満足そうにグラスを揺らす。ウイスキーの海の中、ミニチュアの氷山が
世界の端に当たってヒビの入った音をたてる。世界の端は、透明で内側からは見分けがつかない。
「ほうびの話、憶えてますか?」
「あぁ。だが、前にも言ったように、高い物はやれんぞ」
妻の誕生日が近いからと告げられ、お金はかかりませんと俺は答え、
お前には世話になってるからなと、亘理さんは請け合っていた。

俺はこの人に追い付こうと必至に頑張っている。
入社当時、ひとりいきがって浮いていた俺を、亘理さんは、おだやかに、なにげなく、
いつだってこれ以上ないタイミングでサポートしてくれた。
今の俺があるのは、亘理さんのおかげだ。
亘理さんも、生真面目過ぎる性格からか周りから浮いた存在だけれど
─ 会議中に缶コーヒーをわざわざ一言ことわって買いに出たり、
朝礼中に携帯の着信を鳴らしてしまうドジなところもある ─ 、
未熟な俺と違って周囲からも人望が厚い。

「キス…して下さい」
亘理さんの手が止まる。グラスに当たる氷の、ヒビの入った音が聞こえた気がした。
「亘理さんの世代だと、接吻の方が伝わりますか?」
震える声を押さえるのに、笑おうとして、グラスを握ろうとして、失敗する。
「上司を、からかうものじゃない」
「最初のはマジですよ」

亘理さんに感謝し、憧れ、なにかと付きまとっているうちに自分の気持ちを自覚した。
たまには、俺が肩をかしてあげたい。抱きしめてあげたい。
でも、常に抱きしめていてほしい。亘理さんに触れたい…俺に触れてほしい。
追い付こうといくら頑張っても、永遠に俺の遥か先を歩いてる様な気がする。
背中を見せるだけじゃなく、つかの間でも立ち止まって俺の方に振り向いてほしい。

「親愛の情をしめすキスもあるじゃないですか。挨拶みたいなものですよ」
約束を破るんですかと詰め寄ったら、義理堅い亘理さんは折れてくれた。
「親愛の情、─友誼の証だ」
そう言って、立ち上がる。
俺も立ち上がって、カーテンを閉めた。

バスは、目的地に到着して、俺と亘理さんを吐き出した。
バス停に降りたち、去り行くバスを見送ると、外側の窓から先程の双子が見えた。
まだ見ているようだ─何かを探すように窓の外を。
俺は、笑い出していた。亘理さんも笑った。

「なんだよ」
車内で子供らにそう言い放った後、前の座席の双子の片割れは、「あ~、曲がっちゃう!」と
言って後ろの窓を指差した。振り向くと、バスの後ろについていたらしい有名なスポーツカーが、
信号のある角を左折しようとしているのが見えた。
通路を挟んだ隣席の子供は、もう俺達を見ていなかったし、よく見ると、顔もあまり似ていなかった。

ひとしきり笑った後、自動販売機で亘理さんが缶コーヒーをおごってくれた。
「約束していたほうびだ」
亘理さんは言った。
「十分です」
俺は答えた。

 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ヘボンデスミマセン
 | |                | |     ピッ   (・∀・;)
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |

このページを共有:
  • このページをはてなブックマークに追加 このページを含むはてなブックマーク
  • このページをlivedoor クリップに追加 このページを含むlivedoor クリップ
  • このページをYahoo!ブックマークに追加
  • このページを@niftyクリップに追加
  • このページをdel.icio.usに追加
  • このページをGoogleブックマークに追加

このページのURL:

ページ新規作成

新しいページはこちらから投稿できます。

TOP