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野球 若き一番→トレードされた先輩

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
ナマモノ 棒球 若き一番→トレイドされた先輩

チームメイト達が再会を喜んで、小さな彼を囲んでの昔話で盛り上がっていた。
彼より10歳以上年下の俺が割り込める話題じゃなかった。
無性に悔しかった。だから彼にはあんまり興味のないふりをして、挨拶もごく普通に済ませた。
彼が入ったベースに俺が滑り込んだ時も、彼が俺の打球を好捕した時も、変な感情は見せなかったと思う。
でもこの連戦、野球に限らず何にでも強気が売りの俺らしくない事ばかり、ぐるぐると考えていた。
去年は無邪気に彼に抱きついたりできたのに、守備で教えて欲しい事があると言えばいくらでも話せたのに。
自分の気持ちに気付いていなかったばかりに、そういう機会を気軽に受け取ってしまっていた。
笑顔で彼に近づく連中にも、照れたような表情で接する彼にも、そして自分にも、いら立った。

「まだ、帰ってなかったのか。」
「うわっ!どうしてこんなとこ」
「元気そうで安心したよ。」
「・・・俺も、一緒に野球できて。あのっ!」
「ん?」
視線を俺の目に向けた彼を、反射的にがしっと抱き寄せた。背の小さな彼の頭が俺の肩にぶつかる。
顔を上げた彼の引き結ばれた唇に、ためらいなく自分のそれを上から被せた。
とにかく夢中で厚い胸板を引き留め、白い顎をつかんで顔を上向かせ続け、舌を暴れさせた。
ようやっと口を離し、息を整えて彼を見る。グラウンドでは眼鏡越しに見てきた平静な瞳で、俺を見上げていた。

「どうしたの?」
「どうって。好きなんスよ、俺は。」
「そうか。」
「だから、また同じチームでやりたくて。あ、あの。俺じゃ駄目っすか?」
「ん。ごめんな。」
優しげな声音だった。それに矢継ぎ早のやり取りだったから考えるヒマもなく、ショックは感じなかった。
彼は右の袖で口を拭うと、左肩に乗ったままの俺の手に手を添えて外させた。
次第にさっきの甘い感覚がじわっとよみがえってきて、俺は思わず自分の口元を押さえた。
それじゃまた、と潮風の中を去っていく彼の背中を、ただただ見送ってしまった。

思いはぶちまければ散るかと思っていたけど、かえって募るばかりだった。
冷たくあしらわれたわけじゃなしに、穏やかに退けられただけ。だけど、また当分会う事もできない。
目をつぶれば憧れた彼の守備が、無駄のない鮮やかな動きがまぶたに浮かぶ。
彼の感触がしっかり、取り残された俺の肩に腕に胸に唇に残ってしまっている。

どうして彼と隣同士、あの芝の上にいられる間にこの思いに気付かなかったんだろう。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
こんなキャラですいません。スレ汚し失礼


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