ガンダムSEED ディアッカとシン
更新日: 2012-07-20 (金) 16:32:54
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ガン種スレで思い付いたジサクジエンガ オオクリシマース!
「お、もしかして印パルスのパイロット殿じゃないか?」
食堂に向かおうとしていた途中で不意に横合いから掛けられた声に、ツンは足を止めて声
がした方へと体を向けた。
母艦が補給の為にとある基地に寄港し、自由行動が認められてからすぐの事である。
「あぁ、間違ってなかった。ちらっと見た時にもしかしたらと思ったんだけどさ」
声を掛けて来た人物は軽い口調でそう言うと、目を細めて笑う。
緑の制服に身を包み、少し斜に構えた風の男。と言うよりは、まだ青年だろうか。
取りあえずツンよりは年上だろう。
彼は立ち止まったツンのすぐ傍まで寄って来ると、再確認でもするかのように自分よりも
背の低いツンの顔を覗き込んだ。
「……何ですか、一体」
「ん?まぁ、ちょっと話してみたかったって感じ?」
ツンがあからさまに不快感を示しながら一歩引くのに、青年の笑みが深まる。
「ツン・アスカ、若くして印パルスの正規パイロットに選ばれ、最前線で戦うエース殿だ。
こういう所で見かけたなら、話したくなったりするじゃない」
「……俺は別に話したくないし、まだアンタの名前も聞いてませんけど」
良く口が動くものだと思ったツンの、やはり不快感丸出しかつ失礼な口の聞き方にも青年
の笑みが歪む事は無く、紫色の瞳はいかにも面白そうだと言わんばかりに輝いた。
「俺はディ/アッカ・エルスマン。ジュー/ル隊の……まぁ、隊長補佐みたいな事やってる。宜しく」
「……宜しく」
愛想良く差し出された青年=ディ/アッカの右手を見、ツンも気乗りはしなかったがしない訳
にはいかないので、渋々右手を差し出して握手を交わす。
「で、そのディ/アッカさんが、俺なんかと何を話したいんですか?」
ツンはそう言いながら、名乗った相手の顔をまじまじと見て、記憶の倉庫のあちこちから
浮き上がって来る情報を拾い始める。
先の戦いで輝かしい戦歴を残しているが、その反面理由は有るにせよ敵側に寝返ったと
して降格処分を受けた。今在籍している隊は、親しい者が長を勤めている云々。
自分がここに亡命して来た後、軍に籍を置いて訓練を受けている際に何度か耳にした事
の有る名前だった。
「だからぁ、特に理由は無いんだよね。世間話レベル」
「……降格されて補佐やるってのは、暇なんですね」
「俺の事知ってるのはともかく、いきなりキツイ事言うなぁ。前半は間違ってないけど
さ。降格されただけで済んだのが幸運だったって感じだし」
言い終えた後でまずかったか。とちらりと考えたツンだったが、返って来たのは相変わら
ず飄々とした言葉及び軽く肩を竦める動作のみ。
さすがに叱責されるかもしれないと身構えかけただけにツンは驚き、目を丸くした。
「何だ、怒るとでも思ったのか?はは、可愛い所も有るんだな」
ディ/アッカが再び笑う。
「これくらいの嫌みやら小言なら、毎日たっぷり聞かされてるからな。どうって事無い
し。気にすんなよ」
「いや、別に……」
「ディ/アッカ、何をしている。行くぞ!!」
気にするなと言われても、思わず口から出た言葉だ。反省するつもりは無いが、笑みと
共に言われるとどうも調子が狂う。
困惑したツンが小声で答えた時、ディ/アッカの背後に有る通路沿いの一室の扉が開き、中か
ら足音も高らかに白い隊長服を着た銀髪の青年が出て来たかと思うと、すぐにディ/アッカを
見つけて荒々しい言葉を投げ付けて来る。
何やら機嫌が悪そうだ。
「はいはい。また大荒れだったのか?」
「大荒れも何も、時間の無駄も良い所だ!全く、あの腰抜け共が…!!」
今にも頭の天辺から大噴火でも起こりそうな雰囲気を感じ取ったツンが更に困惑している
のにひらひらと右手を振って見せながら、ディ/アッカは口を開く。
「やれやれ……一応、戻ったらブリーフィングするんだろう?」
「当然だ。急ぐぞ!」
「りょーかい。……って事だから、話の途中で悪いけど俺行くわ」
「え、あ、はい」
「次に会う事が有ったら、もう少し色々話しような?」
「ディ/アッカ!急げと言っているだろうが!!」
「はいはいはい。そんなに怒鳴ると、後で声が嗄れるぞ」
自分達の艦へと戻るのだろう。歩き出そうとした銀髪の青年が手にしているファイルを
今にも投げ付けそうな勢いで振り上げるのに、ディ/アッカが苦笑する。
なるほど、嫌みや小言やらを彼に聞かせているのは、この青年なのだろう。
一人ツンが納得していると、やはりにぎやかに足音を鳴らしながら通路の奥へと先に歩き
出した銀髪の青年を追いかけようとして身を翻しかけたディ/アッカが右手を伸ばして来て、
くしゃくしゃとツンの髪を乱した。
「な、何するんですか!」
「シン君はむっつりしてるより驚いてる顔の方がずっと可愛いから、最後に見たかった
だけ。じゃあな」
ディア/ッカは悪戯っぽく妙に慣れた動きでウィンクし、背を向ける直前に崩れた敬礼を
一つ送ってから笑って走り出す。
銀髪の青年は既に遥か先を行っているので、歩いて追い付くには難しいからだろう。
「……何なんだ、一体……」
今日は良く似た言葉を使う日だ。
ツンは乱された髪を両手で撫で付けながらそう思い、遠ざかる二人の姿を見送る。
そもそも、食堂に行こうとしていて捕まったのだったか。
それを思い出した途端忘れていた空腹感が復活し、ツンはたかだか五分程の間に起こっ
た事を未だ整理出来ないまま、再び歩き出した。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、イキオイダケデカイタジサクジエンデシタ!
- シンくんかわぇぇ? リクエストしてもよろしいでしょうか? よければ、アセムがモブレイプ受けたりしてるのが見たいです? -- 龍覇? 2012-07-20 (金) 16:32:54
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